国交省が「丁寧で分かりやすい情報提供を行っています」として羽田新ルートが通過する自治体の住民を対象にポスティングしたチラシ(次図)には、国交省に都合のいい情報ばかりが目立つ。
このブログで書いてきた羽田新ルート関連記事のうち、特に品川区民に係る情報をまとめておいた。
※投稿21年10月3日(更新23年4月4日)
基本情報
到着ルート(都心低空飛行)概念図
- 南風時(年間の約4割)の午後3時から7時のうち3時間、新宿⇒渋谷⇒港⇒目黒と降下。品川上空では、東京タワーよりも低い高度300mで飛ぶ。
- 「A滑走路到着ルート」は1時間当たり14回(4分17秒ごと)、「C滑走路到着ルート」は1時間当たり30回(2分ごと)の頻度で、上空から騒音が降り注ぐ。
羽田新ルートが通過する地域(19地域)
羽田新ルートは品川区内の19地域の上空を通過する(次図)。
- A滑走路到着ルート
大崎2丁目、大崎3丁目、大崎5丁目、勝島1丁目、勝島2丁目、上大崎2丁目、上大崎3丁目、西五反田1丁目、西五反田2丁目、西品川1丁目、西品川3丁目、東大井2丁目、東大井3丁目、東大井5丁目、東五反田5丁目、広町2丁目 - C滑走路到着ルート
東品川2丁目、八潮1丁目、八潮2丁目
品川区民の3割(12万人)が騒音の影響を受ける
A滑走路到着ルート約10.2万人、C滑走路到着ルート約1.7万人。
品川区民38.7万人のうち、少なくとも3割(12万人)が羽田新ルートの騒音の影響を受ける(次表)。
航空機騒音の測定結果
品川区は羽田新ルート周辺に設置した測定局2か所(立会小学校・台場小学校)で測定した騒音データを月単位で3か月後に公表している。
その公表データを可視化したのが次図。最大騒音レベルの最大値は、立会小学校・台場小学校ともに75dBを超えている。台場小学校の騒音発生回数は立会小学校の約2倍でより劣悪な騒音環境。
※詳細および最新情報は「羽田新ルート|品川区の騒音測定結果を可視化※随時更新」
羽田新ルート|立会小学校(品川区)の最大騒音レベル87dB!?
- 立会小学校で21年5月1日に記録された最大騒音レベルの最大値が87dBと極めて大きい値となっていた。品川区への照会結果メモ。
資産価値への影響
羽田新ルートは不動産価値にどの程度の影響を及ぼしているのか?
同ルート近くに位置する中古タワーマンション相場への影響を調べることにした。特に中古タワーマンションを調査対象にしたのは、取引が盛んで相場が把握しやすいからである。
第1フェーズ説明会が始まったのは15年7月。そのころから物件C(ルート直下)は下落あるいは頭打ちだったが、21年に入って上昇し始めたか。
※詳細および最新情報は「羽田新ルート|中古タワマン相場への影響 ※適宜更新」
反対運動
住民投票条例案否決(反対・賛成議員一覧)
都心の上空を通る羽田空港の新飛行ルートの賛否を問うための住民投票条例案が20年12月25日、自民党、公明党議員らの反対で否決された。
品川区民投票を成功させる会
羽田新飛行ルートの賛否を問う区民投票条例の制定と実施の準備及び運営を円滑に進める活動を行うことを目的として設立された会。堀利和 代表。
羽田増便による低空飛行ルートに反対する品川区民の会
毎月世話人(20人)会議を開催し、運動の計画を立て実施。秋田操 代表。
品川区議会
品川区議会の定例会本会議での代表・一般質疑応答(まとめ)
- 23年定例会(第1回、第2回、第3回、第4回)
- 22年定例会(第1回、第2回、第3回、第4回)
- 21年定例会(第1回、第2回、第3回、第4回)
- 20年定例会(第1回、第2回、第3回、第4回)
- 19年定例会(第1回、第2回、第3回、第4回)
19年以降の各党派の登壇状況を可視化したのが次表。
羽田新ルートに係る請願・陳情の採決状況
品川区議会のパワーバランス
19年4月21日の統一地方選挙後も推進派(自公)が半数近くを占めている(次図)。
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