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羽田新ルート|品川区議会「22年第3回定例会」区長不在のため!? 以前にも増して答えをはぐらかす部長

品川区議会の「22年第3回定例会」本会議一般質問(10月27日)で、羽田新ルートに関して、安藤たい作 議員(共産)の質疑応答があった。

議会中継(録画)もとに、全文テキスト化(約3千文字)しておいた。

※以下長文。時間のない方は「質疑応答のポイント」と「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

※答弁は都市環境部長


安藤たい作 議員(共産)

安藤たい作 議員(共産)

安藤たい作議員(共産、区議4期、漫画家、宮城教育大学卒、48歳)

安藤:区は国に羽田新ルートの撤回を求めたことが一度でもありますか?

次は、「品川区は一度も羽田新ルートの撤回を求めていない。ごまかしの固定化回避でなく国に撤回を迫れ」です。

羽田新ルート運用から2年半。ルート直下からは「ビルに反響してとにかくうるさい。本当に何とかしてほしい」との声は絶えず、落下物等の恐怖感を抱え続けています。しかし、区は国に新ルート撤回を決して求めず、「国策なので国の責任、区の役割は声を国に届けること、固定化回避を検討させたことは成果」などと繰り返しています。

しかし、現在の滑走路の使い方を変えず検討をいくらしても、品川上空の通過は避けられません。直近8月の第5回「固定化回避検討会」では、新たに検討している急旋回のルートの実施には航空許可の取得が必要とされ、許可取得のハードルを下げるため定期訓練頻度の緩和を検討するという安全性軽視・本末転倒の検討であることも明らかになりました。


区長選を目前に控えた9月22日、日経、朝日が「羽田発着に海上新ルート 国交省検討 都心回避へ東京湾活用」と報じ、区内がざわつきました(東京湾上空に新ルート(日経・朝日)、品川区長選の争点隠し? )。

即日、小池晃・山添拓両参院議員が設けた国交省ヒアリングに私も参加し質したところ、国は「私たちは海上ルートと銘打ったことはない」「8月の検討会の資料を見てそのように表現したのだろう」などと回答。「検討会から2か月近く以上たった今、なぜこんな記事が書かれたのか」との質問には「私たちも聞きたいくらいだ」と無関係を貫きました。

しかし、その後区民の方からは「国が海上ルートを検討してるんだってね」との声も聞かれました。区長選を前に国があたかも新たな改善策を打ったと思わせるようなフェイクニュースでした

区は、9月22日の新聞報道は区民を欺くフェイクニュースで問題だと思わないのか、伺います。


落下物も不安です。7月末に国が公表した2021年度分の全国主要7空港の航空機からの部品欠落数は1064個に上り、うち1キロ以上は6個、75kgのタイヤ、60kgの主翼下部装置の一部、5kgの空気取り入れ口ドアが含まれます。

ほとんどは空港内での発見でしたが、中には未だ発見されていないものもありました。これらはいつ都心に落ちてもおかしくないのです。にもかかわらず最新の国交省のチラシでは「新飛行経路において確認された落下物はゼロ件です」と安全神話を振りまき続けています。

新ルートを続けることは区民の命の危険につながると考えないのか、伺います。


落下物の危険を避けるには都心を飛ばないこと、新ルートの撤回しかありません
品川区が国にきっぱり反対を表明することが決定的です。しかし、それを徹底して拒否し続けてきたのがこれまでの区政でした。

区は国に羽田新ルートの撤回を求めたことが一度でもありますか、伺います。

ごまかしの固定化回避にすがるのでなく、国に反対表明し、撤回を求めるべきです。いかがでしょうか。

部長:固定化回避検討会、早急に具体的な方策が示されるよう引き続き国に求めてまいります

都市環境部長
(都市環境部長)

私からは、羽田空港の機能強化とコミュニティバスについてお答えをいたします。

はじめに羽田空港の機能強化につきまして、令和4年9月22日の新聞報道についてですが、国では現在、固定化回避検討会で検討中の飛行ルート案は定まっていないとしております。

報道各社への対応は実施主体である国が行うべきものと考えます。区としましては、国の検討状況に応じて適宜区民の理解がより深まりますよう、丁寧な情報提供を引き続き国に求めてまいります


次に、落下物は区としましても決して発生してはならないことだと認識しております。

国は、落下物防止対策基準に基づきまして、航空会社に防止対策を義務付け、安全対策に取り組んでいると説明をしています。

区としましては、安全対策の着実な履行とさらなる取り組みの実施について、引き続き国に強く求めてまいります


羽田新飛行ルートの運用は国策として進められておりまして、国の責任において実施するべきものでございます。現在、国により固定化回避検討会が設置され検討が進められています。区としましては早急に具体的な方策が示されるよう引き続き国に求めてまいります

安藤:「新ルートの撤回を国に求めたことが一度でもありますか」と聞きました

羽田です。「新ルートの撤回を国に求めたことが一度でもありますか」と聞きましたが答えがありません。お答えください


「落下物は発生してはならない」と仰いましたけども、しかし、対策を打って、むしろ増えているのが現実です。75 kgのタイヤも落ちてます。どんなに対策とっても落下物なくせない。これを区は認めますか。伺います。

都市環境部長:固定化回避検討会、結果が早く出せるように求めてまいりたい

私からは再質問の羽田空港の機能強化とコミュニティバスについてお答えをいたします。
まずはじめに羽田新ルートでございますけれども、国に対しての要求につきましては、現在区としましては、区民に対する環境影響の可能な限りの軽減につきまして、固定化回避検討会を求めて、いま設置がされております。


固定化回避検討会では現在、2ルートまで絞り込まれ、具体的な実施に向けてシミュレーションや安全確認などの検討が今行われているというふうに聞いております。

また、来年度以降も引き続き検討をするというところですけれども、区といたしましても早急な固定化回避検討会の結論を出してほしいということを求めておりまして、国もスピード感を持って取り組んでいるというふうにしておりますので、今後も引き続き早急な検討について結果が早く出せるように求めてまいりたいと考えております。


次に、落下物についてですけれども、落下物は現在も国といたしましては、落下物総合対策パッケージというのがございまして、これは落下物の未然防止の徹底ということで、現在駐機中の機体のチェックですとか、あるいは日本に乗り入れる外国の航空機に対しても厳しい安全対策の計画を求めるなど、そういった対策でございますけれども、現在こういった対策の下で羽田における落下物はゼロという実績というところでございます。

ですので、この安全対策につきまして、着実に実施をしていただき、引き続き羽田において落下物がゼロであるという実績を継続していただくように、区としては求めていくべきというふうに考えております。

安藤:「これまで新ルートの撤回を国に求めたことが一度でもありますか」事実の問題ですので、是非お答えください

羽田です。もう一度聞きます。
3回目なりますが、私が伺ったのは「これまで新ルートの撤回を国に求めたことが一度でもありますか」と伺いました。これは事実の問題ですので、是非お答えください

それと落下物ですが、区が求め、国がいくら「世界で例がない対策だ」って対策を打っても部品脱落はいっぱい起きてんです。どっかに落ちてるんですよ。「確認された落下物ゼロ件」って言いますけど。この点からも、新ルートは止めるしかない、そうしないと区民の命を守れない、区はそうお考えになりませんか。伺います。

部長:固定回避検討会、結果を早急に求めるということが極めて自然な流れである

私からは羽田空港の機能強化とコミュニティバスについてお答えいたします。はじめに羽田新ルートでございますけれども、まず先ほども申し上げましたけれども、区は国に対して固定化回避検討会による早急な環境影響対策を求めているというものでございます。


そうした中では国に対してまずは賛成や反対ということではなく、この環境影響に対する可能な限りの低減につきまして国に検討して頂くということが、これは区の求めに応じて設定された固定回避検討会が現在検討中であるということを踏まえれば、この結果を早急に求めるということが極めて自然な流れであるというふうに考えております。

雑感(区長不在のため!? 以前にも増して答えをはぐらかす部長)

10月2日に投開票された品川区長選は、法定得票数に達する候補がおらず、都内の首長選で初めて再選挙が実施されることになった

12月4日に実施される再選挙まで区長は不在で、第3回定例会では桑村正敏副区長(1976年品川区入区、元品川区企画部長)が区長の職務代理を務めた(桑村正敏副区長は10月31日任期満了で退任。11月1日からは和氣正典副区長(1972年品川区入区、元品川文化振興事業団管理課長)が職務代理者を務めている)。

区長不在の状態で、執行機関側の誰がどのような答弁を行うのか大変興味があったのだが――。

筆者の予想通り、毎回濱野前区長の代わりに矢面に立っていた中村都市環境部長が登壇。ただ、以前にも増して答えをはぐらかす姿勢を繰り返していたのがとても印象的だ

安藤議員から「区は国に羽田新ルートの撤回を求めたことが一度でもありますか?」と3回も聞かれたにも拘らず、その事実関係に触れることなく、固定化回避検討会の結果が早く出せるよう国に求めるという従来の答弁を繰り返していた。

まあ、区長不在なのだから、これまで羽田新ルートに係る答弁を一身に担ってきた中村部長と言えど、一部長職が自分の判断で羽田新ルートに係る推進/反対の色が付いた発言はできないだろうから、今回の答弁内容が限界なのであろう。

(都・区議会の定例会本会議での代表・一般質疑応答まとめ)

(参考)

羽田新ルートに係る本会議定例会の 代表・一般質問の登壇者数・質疑応答文字数推移(品川区議会)

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2022年6月1日、このブログ開設から18周年を迎えました (^_^)/
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