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羽田新ルート|品川区議会「22年第2回定例会」質疑応答

品川区議会の「22年第2回定例会」本会議代表・一般質問(6月23日~24日)で、羽田新ルートに関して、3名の質疑応答があった。

議会中継(録画)会議録速報版をもとに、全文テキスト化(約7千文字)しておいた。

※以下長文。時間のない方は「質疑応答のポイント」と「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

※答弁は都市環境部長


石田ちひろ 議員(共産)

石田ちひろ 議員
石田ちひろ議員(共産党、区議3期、元歯科衛生士、都立南高校卒、46歳)

石田:区長の任期はあと僅か、最後まで何も言わないつもりでしょうか

次に、「「うるさくて窓が開けられない」「安心して暮らしたい」羽田新ルートは中止を」です。

羽田新ルートが実施され2年3か月。夏場を迎え、連日の南風で飛行機がひっきりなしに飛来、「またこの季節が来たか」と、慣れるどころではありません。国は外国人観光客の受入れを徐々に再開していますが、今後1時間44本目いっぱい飛んだ場合、騒音被害はこんなものでは済みません。


共産党の区政アンケートでは、羽田新ルート反対58%、どちらともいえない30%、賛成は13%。新ルート反対の声は賛成をはるかに上回り、区民多数の世論だと改めて浮彫りになりました。


寄せられた声を紹介します。「うるさくて窓を開けられない。リモート勤務や子どものオンライン授業の邪魔になる」「自宅の頭上を轟音で低空飛行。毎日4分置きに飛んでくる。精神的に不安定です。安心して暮らしたい。静かな環境を返してください」「引っ越した当時はとても静かで良い地域でした。飛行機が頭上を飛ぶようになり、騒音で住んでいてイヤになります。コロナが終息して、便数が増えたら……。考えただけでも気が滅入ります」。

区長、どうお聞きになりますか。4年前の区長選で区長は「空路変更は安全安心を最優先」と公約。その後実施された新ルートについて、区長は答弁に立つことすら拒否し続けています。紹介した声は、区長の公約「区民の安全安心」が脅かされている実態を示すものだと思いますが、いかがでしょうか。


3月に渋谷区内で起きた氷塊の落下は、落下物の危険性を改めて示しました。「飛行機が通るたびに常に上を気にするようになった」との声も出されています。氷は着陸前に車輪を下げる振動で落ちるとされますが、区は脚下げがどこで行われるのか、新ルート運用前も現在も明らかにしません。運用後の今であれば、おおよその範囲が実績として把握できるはずです。脚下げを地図上のどの辺りで行っているのか、伺います。


飛行機からの部品脱落は、国の発表でも主要7空港で直近の12月~1月の2か月だけで138個、1キログラム以上のものも2個ありました。しかもこれらは氷を除く数であり、発見され飛行機由来のものと確認されない限り、落下物とも認定されません。国は「新ルートでの落下物は0件」とし、区も「これまで落下物はゼロ件なので十分安全性は現在は確保されている」と平気で答弁します。区は、部品等が落ちていても発見・確認されなければ安全だという立場か、改めて伺います。


区長の任期はあと僅かです。区民の平和な暮らし、まさに安全・安心が脅かされ続けています。このまま最後まで何も言わないつもりでしょうか。これが最後の機会です。今期最後の機会です。国の安全・安心を守るために羽田新ルートに反対することを求めます。いかがでしょうか。

部長:(固定化回避)早急に具体的な方策、引き続き国に求めてまいります

都市環境部長(都市環境部長)

私からは、羽田空港の機能強化についてお答えいたします。
初めに、区民の声についてですが、令和2年4月の本格運用開始以降、これまでに、落下物や騒音、コロナ禍での運用などに対する声が寄せられております。区は、こうした声を国に届け、落下物対策や騒音軽減策の実施を求めてまいりました。今後も引き続き地域の声をしっかりと国に届けるとともに、区民の安全安心のため、より一層の騒音軽減対策や安全対策の取組を国に求めてまいります


次に、車輪を出す位置についてですが、国からは、「気象状況などを見つつ、最終的にはパイロットの判断により適宜行われている。そのため、具体的にどの場所で操作を行っているか一概に示すのは困難」と聞いています


次に、部品欠落についてですが、国は、航空会社に対する報告制度を拡充し、原因究明、対策強化につなげていくとしております。区といたしましては、今後も落下物対策を万全な体制で実施するよう国に求めてまいります


本事業は国策であり、国の責任において実施されるべきものでございます。

区としましては、落下物対策や騒音軽減へのさらなる取組とともに、新飛行経路を固定化しない取組の実施を要望してまいりました。現在、国により固定化回避検討会が設置され、検討が進められています。早急に具体的な方策が示されるよう、引き続き国に求めてまいります

石田:区民の安全安心が脅かされていると思わないか

次に、羽田です。騒音被害などの区民の声ですが、国に届けたかを聞いたんじゃないんですね。この声を聞いて、区民の安全安心が脅かされていると思わないかと伺いましたので、お答えください。

部長:総合・安全対策の着実な実施が区として必要であると考えております

私からは、羽田空港の機能強化についてお答えいたします。区といたしましても、区民の安全安心の確保は最重要であると考えております。


国からは、日本の国際競争力の向上など、羽田空港の機能強化、極めて重要であるという点について国から様々説明もありましたけれども、これまで区としましては国に対し、新飛行経路の実施について、丁寧な情報提供や騒音環境の軽減、また安全管理の徹底を求めてまいりました


この区として様々安全管理の徹底を求めてきたことに対し、区は説明会などを実施して今回本格運用ということになったわけですけれども、依然、現在も区民の皆様から様々ご意見を頂く中、まだまだ国におけるより一層の丁寧な情報提供、そして総合・安全対策の着実な実施が区として必要であると考えております。

石田:なぜ羽田新ルートに反対しないのか

次に、羽田です。紹介した声は、区長が公約した区民の安全安心が脅かされていることを示すものなんです。品川上空を低空飛行する限り、これは続くんです。反対を表明することが安全安心の唯一の道です。なぜ羽田新ルートに反対しないのか、伺います。

部長:固定化回避検討会、状況を注視しているところ

令和2年3月29日、新ルート本格実施以降も、区も様々なご意見があるというふうに承知しているところでございます。この声の中には騒音や安全対策を求める声がかなり多く寄せられたということで、区も国に対して再三、より一層の対策を求めてまいりました。


現在は、区の求めに応じて固定化回避検討会が国により設置され、検討中であるというふうな状況でございます。そうしたことから、この固定化回避検討会における結論が早急に出されるように区としても求めてまいります


また、この固定化回避検討会につきましては、国からはスピード感を持って対応してまいりたい、検討してまいりたいという回答を得ておりますので、現在その状況を注視しているところでございます。

吉田ゆみこ 議員(ネット)

吉田ゆみこ 議員
吉田ゆみこ議員(生活者ネットワーク、区議2期、元生活クラブ東京理事長、学習院大学法学部卒、68歳)

吉田:氷塊落下、落下物であることを前提とした事後の対応を求めるべき

最後に、羽田新飛行経路の航路下における氷塊落下物事故の調査に対する品川区の態度について伺います。

本年3月13日、渋谷区内のテニスコートに上空より小石くらいの氷塊が落下したという通報が渋谷区役所にあったということです。羽田新飛行経路問題については、騒音問題とともに多くの人が落下物事故について心配をしていました。落下物事故についてはどんなに対策を取ってもゼロにはできないということを国交省も認めているからです。今回、航空機からの落下物と疑われる事故が起き、多くの住民の不安が現実のものとなりました。

落下物事故について、品川・生活者ネットワークがかねてより問題視しているのは、航空機からの落下物であることを一般市民の側が証明をしなければならないということです。計画が起きた当初に国土交通省に電話で問合わせをしたところ、「氷の落下物は保存しておいてくださるようお願いをしております」と言われ、「南風の季節のときは溶けてしまうのでは?」と聞き直しましたが、「今までそれで何の問題も起きておりません」と返され、絶句したことを覚えています。「何の問題も起きていない」とはすなわち「国土交通省にとって問題がなかった」ということであり、市民にとっては国交省のその認識自体が大問題です。


一般市民が落下物と思われるものを発見した場合、それを一般市民の側が落下物であることを科学的に証明するのは事実上困難です。圧倒的に専門性を持ち、調査能力も情報も持っている側が「これは航空機由来の落下物ではない」という理由を明確に示せない場合には落下物であることを前提に事後の対応を行うべきであるということを品川・生活者ネットワークは主張を続けております。そして、航空機由来の落下物でいないことが明確にならなければ、事業者として事業上の責任を負うべきと考えます。なぜなら、事故後の対応は人の安全性の確保を第一義的に考えるべきだからです。


本年3月の渋谷区での氷塊落下物事故を受けて、品川区として国にどのような申入れを行ったのか改めて伺います。


少なくとも品川区民にとって一番身近な品川区は、区民の安全を守る立場に立って国や事業者に対して、あくまで落下物の可能性があった場合は、国と航空会社が反証できない限り、落下物であることを前提とした事後の対応を求めるべきと考えますが見解を伺います。


羽田新ルート問題について、圧倒的に多数のご意見をいただくのは騒音問題についてです。騒音は日々現実的な「被害」です。多くの区民は、国への怒りとともに、区民の騒音被害を目の当たりにしながら、品川区が国に対して有効な対応を迫らないことに憤りを感じています。


リニアの質問でも述べたとおり、羽田新ルート問題についても国の事業であることを言い訳にせず、品川区民に被害がある以上、今からでも撤回を求めることを主張して、品川・生活者ネットワークの一般質問を終わります。

部長:安全対策の着実な履行(略)、引き続き強く国に求めてまいります

都市環境部長(都市環境部長)

私からは、羽田空港の機能強化についてお答えいたします。氷塊について国に説明を求めたところ、国からは、「氷塊が見つかった時間の前後に飛行していた航空機に痕跡等の不具合は確認されなかった。氷塊が航空機由来の可能性は極めて低く、航空機由来のものとは断定できない。氷塊そのものが存在せず、これ以上の調査は困難であると判断した」との回答がありました。


国は、落下物防止対策基準に基づき、航空会社に落下物防止対策を義務付け、引き続き安全対策を進めていくとしています。区といたしましては、安全対策の着実な履行とさらなる取組の実施について、引き続き強く国に求めてまいります

吉田:最終的に落下物の証明を国や事業者のほうに求めてほしい

それから、羽田については、最終的に落下物の証明を国や事業者のほうに求めてほしいということを2番目の質問で聞いておりますので、ぜひその点についての見解を伺いたいと思います。

部長:落下物対策、厳密に厳正に対応していただくようにお願いをした

私からは、羽田空港の機能強化についてお答えいたします。氷塊の発見の事案について、区から国への申入れについてですけれども、まず、この落下物の疑いのある事案の発見の情報が入ったときに、国に対して事実確認が第一だというところで、まずは事実確認について完了した時点で早急に区に対して説明をしていただくように申入れをいたしました。


そして、氷塊が航空機由来のものと断定できない、これ以上の調査は困難であると判断したというようなことを国から報告を受けた時点で、区としましては引き続き落下物対策については厳密に厳正に対応していただくようにお願いをしたところです。


そして、公の場といたしましては、令和4年4月27日、羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会の分科会が開催されました。

その中で、国からの説明では、氷塊の防止対策としましては、給水時に吹きこぼれた水の拭き取りの徹底や排水溝に備え付けられているヒーターの定期的な点検を実施すること、こういったことを引き続き行っていくということが説明がありまして、そのときに区といたしましても、引き続き落下物に対して取組をよろしくお願いをいたしますというような求めをいたしまして、国からの回答としましては、対策を関係者とともに着実に強力に取り組んでまいるという回答があったところでございます。
以上でございます。

吉田:(氷塊落下)国・事業者のほうが証明すべきという立場に立ってほしい

それから、羽田のことです。私の質問の仕方がまずいのかもしれませんけど、この落下物があったときの証明の方向を、区としてはやっぱり区民の立場に立った形で、国のほうが証明してほしい、事業者のほうが証明すべきという立場に立ってほしいという質問なんです。ぜひその点についてお答えください。

部長:国がしっかりと(略)対応してきているというふうに区としては認識

羽田空港の機能強化についてお答えいたします。
落下物の疑い等の事案があった場合の責任についてですが、まず、航空事業におきましては運行は航空事業者ということで、国はその監督庁という立場にあるというふうになります。


落下物の事案があった場合に、国による調査が行われ、責任を持って国が原因を究明するというふうにしております。指示を受けた航空会社もまたしっかりと調査をして国に報告をし、そして国の判断を仰ぐというような形になりますが、その責任の所在についてはこれらの一連の調査によって明らかになるというふうに区としても捉えております。


したがいまして、国が調査の責任を果たさないのではないかという心配もあるという声もありますけれども、これまでも落下物等の可能性のある事案につきましては国がしっかりと航空会社に対して調査を求め、その結果について説明、対応してきているというふうに区としては認識をしております。
以上でございます。

西本たか子 議員(無所属)

西本たか子 議員
西本たか子議員(無所属、区議5期、東京農工大卒、61歳)

西本:実態・住民の気持ちをまとめるための調査を品川区独自で実施すべき

最後に、「羽田空港新ルートは撤回 品川区独自で住民の声を聞く姿勢を」です。

羽田空港新ルート運行になり、地域の方々からは、騒音、落下物の危険性、威圧感、環境への影響など継続して不安な気持ちがたくさん区議会に届いています。しかし、区は一貫して国の事業だからと言い続け、区の責任の認識が非常に薄いと感じてなりません。なぜならば、品川区独自で対策を講じようとしていないからです。


固定化回避検討会の実態はA・C滑走路を使用する上での検討であり、品川区上空を外れることはありません。品川区民の生活にどのような弊害を来しているか、実態および住民の気持ちをまとめるための調査を品川区独自で実施すべきです。もう逃げることはやめていただきたい。区の見解を聞きます。

部長:区が独自に調査を行う考えはございません

都市環境部長(都市環境部長)

私からは、まちづくりについてと羽田空港の機能強化についてお答えいたします。
(※まちづくりについて、省略)

次に、羽田空港の機能強化についてお答えいたします。新飛行ルート運用に対する影響などの調査の実施につきましては、事業主体である国の責任において実施すべきものと考えます。区が独自に調査を行う考えはございませんが、区に寄せられた地域の声を国にしっかりと届けてまいります。

西本:もうそろそろ品川区として独自に何かをしないと

それから、最後にもう一点として、羽田空港です。相変わらずそういう答弁だろうなというふうに思っておりました。もう一歩踏み込んでいただきたいなというところでありますが、もう一度お聞きしたいと思います。


さんざん区民の皆様から困った、どうしてくれるんだ、騒音問題も含め、何とかしてほしいという声を、品川区議会を含めたくさんいただいているんです。なので、もうそろそろ品川区として独自に何かをしないと、区民の皆様の心というか、気持ちを受け止めたことにならないと思うんですね。その考え方をもう一度お聞きしたいと思います。

部長:国策である以上、区として調査をすることはできません

私からは、羽田空港の機能強化についてお答えいたします。
令和2年の本格運行実施以降、これまでに様々なご意見をいただいております。その中には、環境に関する意見、騒音や安全に対する意見が多いというふうな認識もあります。区としましては、こうしたご意見を大変真摯に重く受け止めております。こうしたご意見でございますけれども、これは国にやはり必ず届けるというところでこれまでも継続してまいりました


騒音や落下物の根本的な軽減対策について国に求めるというところが区としては重要だということを捉えて、固定化回避検討会の設置も実現をして、今検討していただいているところでございます。やはりどうしても国策である以上、区として調査をすることはできませんけれども、国に対しまして、今後も環境影響に対する安全対策を強く求めてまいります。

雑感

必ずしも質疑が噛み合っていない……。

(都市環境部長の常套句に押し切られている場面が多い)

 

(都・区議会の定例会本会議での代表・一般質疑応答まとめ)

(参考)

羽田新ルートに係る本会議定例会の 代表・一般質問の登壇者数・質疑応答文字数推移(品川区議会)

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2022年6月1日、このブログ開設から18周年を迎えました (^_^)/
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