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羽田新ルート|品川区議会「20年第1回定例会」質疑応答

品川区議会の「20年第1回定例会」本会議代表質問(2月20日)で、羽田新ルートに関して、鈴木ひろ子議員(共産)の質疑応答があった。

会議録(速報版)ネット中継録画をもとに、質疑応答(約4千文字)を可視化しておいた。

※以下長文。時間のない方は「質疑応答のポイント」と「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

※答弁は都市環境部長


区長はなぜ中止を求めないのか

鈴木ひろ子(共産)
鈴木ひろ子議員(共産、区議6期、元看護師、長野県公衆衛生専門学校卒、66歳)

問1:区長はなぜ中止を求めないのか

初めに、「羽田新ルート、ついに実機飛行が始まり、想像以上の轟音・威圧感。これを日常化する本格実施は許されない。区長はなぜ中止を求めないのか」です。


2月2日から7日間、乗客を乗せた実機飛行・試験飛行が行われました。「想像以上に機体が大きい」「すごい轟音」「落下物が怖い」「これが毎日になるかと考えただけでおかしくなる」。視覚障害者の方は「頼りの音が飛行機の騒音で消されることは、とても恐ろしい」など、不安や怒りの声がたくさん寄せられています。


濱野区長は、2017年11月のタウンミーティングで、「品川にとってはデメリットしかないが、国策だから甘受する」と語り、国交省にわざわざ出向いて理解を表明。国交省トップが感謝すると面会記録に記載されております。

国交省主催の区内13地域での説明会では、参加した区民の圧倒的多数が反対を表明。3月26日には区議会が「容認できない」とする全会一致の決議を上げたにもかかわらず、区長は、「固定化しないように」とルートの実施を事実上容認する表明を行いました。


濱野区長の容認表明が、「地元理解を得た」として新ルート実施が決定されました。

3月29日からは本格実施となります。今後、区民に強いられる耐え難い犠牲は、国交省はもとより、濱野区長の責任が問われます。

本格実施を何としても中止させなければなりません。区長は、実機飛行をご覧になってどう思われたか伺います。区長はなぜ中止を求めないのか、お答えください。

問2:3.5度の降下角度の危険性をどう認識?

安全対策について2点質問します。
1つは、濱野区長が騒音対策として求めてきた降下角度3.5度への引上げの問題です。


航空会社の内部資料によると、これは騒音対策ではなくて、実は米軍横田空域での米軍機飛行を優先するためだった。国交省は「軍事のため当分答弁は控える」と言って、否定していません


さらに、専門家からは、3.5度にしたことで羽田は着陸が世界一危険な空港になると指摘されました。世界の104の国・地域の10万人以上のパイロットで構成される国際操縦士協会連合会が、「ほとんどのパイロットが経験したことのない進入角度」と、その危険性について警鐘を鳴らしています。


今回、エア・カナダが目的地を成田に変更し、アメリカのデルタ航空が実機飛行を取りやめたのは、3.5度の安全が確認されていないためだと報道されています。


2つ目は、落下物の問題です。

国交省は「落下物ゼロを目指す」と言っていたのに、2018年は年間452個だった部品脱落が2019年には728個に、1.6倍に、逆に激増。この数には氷は含まれていません。

なぜ対策を取っても増えるのか、国交省に聞いても回答はありませんでした。
落下物が区民を直撃したら、命に関わる大惨事。それが現実になります。


濱野区長は、飛行高度を上げることを国交省に提案しましたが、3.5度の降下角度の危険性をどう認識しているのか伺います。
落下物が危険との認識はあるのか伺います。

問3:一部大企業のもうけのために品川区民を犠牲に

最後に、新ルートが、一部の大企業の利益のために、区民、都民を犠牲にする無謀な計画だということです。

外国人観光客は昨年3,200万人。当初の目標を既に超えています。生活環境を破壊し、危険をもたらす新ルートは、観光政策としても間違っています。


さらに、羽田増便を当てにした一部大企業による巨大再開発がめじろ押しです。
例えば、東京ドームの10倍以上にも及ぶ羽田空港の沖合移転後の広大な跡地の開発です。


いま分かっているだけでも、一部は鹿島建設、京急、JR、野村不動産など名だたる9つの大企業が新会社をつくり、先端産業や3,000人規模の会議場などを建設。さらに、その隣には住友不動産が1,700室の日本最大のエアポートホテルや商業施設の建設などを進めています。


羽田新ルートは、一部大企業のもうけのために品川区民を犠牲にするものではないのか伺います。


区民の皆さんが今、新ルートの是非を問う住民投票の実施を求めて運動を進めています。日本共産党は、区民の皆さんと共に住民投票の成功、羽田新ルート撤回に全力を尽くします。

都市環境部長
都市環境部長

答1:固定化することがないよう、強く求めていく

初めに、羽田空港の機能強化に関しまして、実際の航空機による飛行確認についてですが、区民からは、音の大きさや落下物、航空機の見え方などについて声が寄せられており、区といたしましても、区民の声を国にしっかり届けるとともに、今後も落下物対策、騒音環境軽減に向けたさらなる取り組みと区民への丁寧な説明、周知の実施、また、現飛行ルート案を固定化することがないよう取り組むことを強く求めていく考えでございます。

答2:安全対策の徹底、引き続き国に強く求めてまいります

次に、飛行高度の引上げについて国は、「騒音環境の低減を図るためのもので、安全性に問題はない」としておりますが、落下物対策を含む安全対策の徹底について、引き続き国に強く求めてまいります

答3:国際競争力の強化を図り、日本の経済の維持発展に資する事業

新飛行ルートの実施については、国は諸外国との結びつきを深め、国際競争力の強化を図り、日本の経済の維持発展に資する事業であり、国策として推進することを表明しております。

区としましては、区民の安全・安心に向けた取り組みを継続して検討するよう国に強く求めていく考えでございます。

区長自身に答えていただきたい(再質問)

鈴木ひろ子(共産)

問4:実機飛行、区長がどう思ったか?

自席から再質問をいたします。
まず、羽田新ルートです。
私は、「区長が実機飛行をご覧になって、どう思ったか」とお聞きしました。この答弁がありません。

区長がどう思ったかを聞きましたので、区長自身に答えていただきたいと思います。

問5:実機飛行、具体的にどんな声があったのか?

実機飛行について、区民から音の大きさや落下物や飛行機の見え方など声が寄せられたと、その声を国に届けるという答弁でした。

具体的にどんな声があったのか、どう国に届けるのか、お聞きしたいと思います。

問6:なぜ中止を求めないのか

「なぜ中止を求めないのか」と私は聞きました。この答弁がありませんので、これについてもお答えください。

問7:区長はこの3.5度を危険という認識はないのか

降下角度3.5度についてです。
「国は安全性には問題ないと言っている」という答弁でしたけれども、国がどう言っているのかということで聞いたわけではありません。

「区長はこの3.5度を危険という認識はないのか」と区長の認識を聞きましたので、お答えいただきたいと思います。

問8:一部大企業のもうけのために品川区民を犠牲にする?

もう1つ、最後に、日本経済の発展のためだと、羽田新ルートが。そういうことで言いましたけれども、私は「一部大企業のもうけのために品川区民を犠牲にする、そういう計画じゃないか」と聞きました

このことについても答弁いただきたいと思います。

都市環境部長

都市環境部長


会場から、「(鈴木議員が答弁を求めているのは)区長じゃないかっ!」

答4:実機飛行、説明どおりに実施が今されている

私からは、羽田空港の機能強化に関する再質問にお答えいたします。
初めに、実機の飛行についてですけれども、これは国が以前から説明をしてまいりました音の大きさ、あるいはスケジュール、こういったものについて説明どおりに実施が今されているという受け止めでございます。

答5:音の大きさ、多うございました

また、この実機の飛行を受けまして、区民からの実際の声につきましては、先ほど申し上げました音の大きさ、これは具体的には音の大きさがどのぐらい出ているのかといったものが多うございました


また、航空機の見え方でございますが、これは私も電話で直接受けたお声もありましたが、想定よりも大きい、あるいは想定に比べて大したことがなかったといった、そういったご意見もございました。

答6:国の対応をしっかりしていただく

それから、今回の実機の飛行、それからその後の実際の航空機の本格運用につきましては、区といたしましても、国がしっかりとこれまで出た様々な意見を受け止め、対応することを前提に実施するというふうに公表されておりますので、区といたしましても、今後の国の対応をしっかりしていただくとともに、また、必要に応じて意見・要望を申し上げていくという、そういった考えでございます。

答7:予防に対する取り組みを

また、航空機の落下物等を含めた危険についてでございますけれども、これも、国のほうでは必要な対策を可能な限り取っていくというふうに説明をしているところでございます。


区といたしましても、外国から乗り入れる航空機の現地での安全確認の運行の計画書を求めたりですとか、あるいは実際に到着した航空機を抜き打ちで点検するなど、そういった、しっかりと予防に対する取り組みを行っていただくように求めていくという、そういった考えでございます。

答8:国策として進めなければいけないという認識

また、機能強化そのものについては、国といたしましては、やはり日本の経済の維持と発展、そういった国策として進めなければいけないという認識でございます。


区といたしまして、影響の大きい品川区といたしましても、こういった日本の経済の発展は当然一定の理解をするものでございます。


また、品川区における騒音ですとか落下物といった環境影響に対する対応は、これはまた別問題としてしっかりと対応していただかなければいけないと思っておりますので、国に強く求めていくという考えでございます。以上でございます。

雑感

議員らの関心が薄れた!?

今回の定例会本会議で質問に立ったのは、全部で12名(代表質問5名、一般質問7名)。そのうち羽田新ルート問題を取り上げたのは鈴木ひろ子議員(共産、代表質問)だけだった。

前々回の第3回定例会(19年9月)で10名のうち、自公を含む5名もの議員が羽田新ルート問題を取り上げていたのとは様変わりした。

実機飛行確認(1月30日~2月12日)が終わって1週間しか経っていない状況で開催された本会議なのに、品川区議会議員らのこの関心の低さはいったいどうなっているのだろう。

こんなことだから、濱野区長の代わりに答弁に立つ都市環境部長からは、毎度おなじみの「(国に)強く求めていく」という文言で3回も受け流されているのではないのか。

答弁から逃げ回る濱野区長

それにしても、鈴木ひろ子議員が「区長自身に答えていただきたい」と何度も繰り返しているのに、濱野区長が答えようとしないのは今に始まったことではない。

濱野区長が定例会本会議の場で羽田新ルート問題に応じたのは、18年10月25日第3回定例会が最後だ。

武井雅昭 港区長や長谷部健 渋谷区長らが、役人の作文を読んでいるとはいえ、区民の関心の高い羽田新ルート問題に直接答えている姿勢とは対照的だ。

品川区民はこのような区議会の状況を知っているのだろうか……。

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