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羽田新ルート|品川区議会「19年第4回定例会」質疑応答

品川区議会の「19年第4回定例会」本会議一般質問(11月28日、29日)で、羽田新ルートに関して、石田ちひろ議員(共産)と田中さやか議員(生活者ネット)の質疑応答があった。

会議録速報版をもとに、全文テキスト化(約5千600文字)しておいた。

※以下長文。時間のない方は「質疑応答のポイント」と「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

※答弁は都市環境部長


石田ちひろ議員(共産)

石田ちひろ議員(共産)
石田ちひろ議員(共産党、区議3期、元歯科衛生士、都立南高校卒、44歳)

問1:住民投票を行うべき

初めに、「羽田新ルートの実機飛行まで2か月。区長は品川区を低空飛行しないルートへの変更を求めよ」です。

国交省は、来年3月29日から羽田新飛行ルートを正式に運用開始することを決定。2月1日からは南風時1時間に44機が飛ぶ実機飛行も始めるとしています。

10月29日には新飛行ルート運用開始に伴い、航空法に基づいて公聴会が開かれ、55人が公述。賛成の立場から意見を述べたのは、新飛行ルートによって直接に利益を得る会社や業界の役員、社員たちのみでした。


羽田空港ターミナルビルの運営会社や格安航空の企画部長、また、日本旅館協会事務局長や東京都ホテル旅館同業組合理事長、さらには世界中に拠点を持つ大企業NECの担当部長など、彼らは新飛行ルートが自分たちの企業の利益になる、利益が増えると強調し、さらに現在、空港関連会社に天下りを繰り返している元国交省大阪航空局長は、「羽田空港の国際機能の拡大は必須であり、最も優先されるべき公益」「基本的には受忍するのが国民の務め」と発言。儲けのためなら、「住民は我慢しろ」との発言に怒りが込み上げます。

さらに東京都の都市整備局理事は東京都を代表し賛成と述べ、推進者としての姿勢をあらわにしました。


結局、羽田新飛行ルートとは、一部の企業がさらに利益を増やすことが最大の目的だということが公聴会で明らかになりました。しかも、羽田空港は5本目の滑走路建設によって、さらなる都心を低空飛行する増便すら狙われています。今回の増便はその突破口であり、被害はさらに拡大し、区民の命、健康、暮らしをさらに脅かすものです。


そもそも経済とは、人の暮らしを成り立たせる人の営みです。人の暮らしに被害を与え、人の暮らしを壊すようなものを経済とは言えません。

私たちは、既に水俣病や大気汚染などの公害という現実から、一握りの大企業の利益のために、人の命や健康、暮らしを犠牲にすることは決して許されないことを経験してきました。これを繰り返してはいけません。


これまで国は「地元の理解を得て決める」と言いながら、区民の反対意見も、区議会の「容認できない」との全会一致の決議も無視して、「地元の理解は得られた」と勝手に判断して、新飛行ルートの運用開始を決定しました。


住民が甚大な被害を受けることが明らかであるのに、その住民と議会の意思が無視されていいはずがありません。

国が地元である品川区民の意思を無視して新飛行ルートを進めることが明らかになった今こそ、国に対して区民の意思を明確に示すために住民投票を行うべきではないでしょうか。改めてその実施を求めますが、いかがでしょうか。


決算委員会の総括質疑で共産党は、「国の新飛行ルート運用開始決定後に、区は現飛行ルート案を固定化しないよう国に求めているということは、品川区を低空飛行しないルートへの変更を求めているということか」と質問しましたが、区は最後まで認めませんでした。


実機が飛ぶまで2か月と迫った今こそ、「新飛行ルートを品川区を低空飛行しないルートへ変更すること」を国に求めるべきです。いかがでしょうか。

都市環境部長
都市環境部長

答1:必要な取り組みを強く求めてまいります

私からは、羽田空港の機能強化についてお答えいたします。

初めに、住民投票についてですが、首都圏空港の機能強化に関する意見の把握は、事業主体である国が行うべきものと考えてございます。区はこれまで国に対し、区民への丁寧な説明と情報提供を行うよう求めてまいりました。


国はこれに応じ、区内では11月22日より開催している6回目のオープンハウス型住民説明会において、過去の説明会より開催回数を増やし、多くの区民と対話を行うとしております。


あわせて、飛行開始に当たり、従来から設置している電話による問い合わせ窓口において、人員増や受付時間の延長など体制の充実を図る予定としております。


区といたしましては、今後もさまざまな手法を用いた丁寧な説明と情報提供を行うよう求めるとともに、区に届けられた意見等は国にしっかり伝え、必要な取り組みを強く求めてまいります


次に、ルートについてですが、区は国に対し、新飛行ルートを固定化することがないよう強く求めております。国は継続的に検討するとしておりますが、早急に具体的な内容を示すよう、引き続き国に対し強く求めてまいります。

問2:品川区を低空飛行しないルートを国に求めるべき

まず、羽田の住民投票についてですが、「意見の把握は国が行うべき」と言われますけれども、区民は一度もこの新ルートについて賛否を問われていないんです。
それなのに「理解は得られた」と国はしてしまった。このことはお認めになるでしょうか、伺います。


それから、固定化についてですけれども、決算委員会の総括で何度も確認しましたけれども、固定化しないように、この中身は品川区を低空飛行しないルートへの変更を求めるものではないんです。


もうごまかさないでください。住民も区議会も品川上空を飛ぶことは容認していません。品川区を低空飛行しないルートを国に求めるべきです。それがなぜできないのか伺います。

答2:これ(国が約束した取り組み)を果たしてもらうよう強く求めていく

初めに、羽田空港の機能強化につきまして、これはルートを固定しないということで国に対して求めているわけでございますけれども、この固定化しない方法については、さまざまな可能な限りの方法について、国に対して検討をしていただきたいというふうな思いで国に伝えているものでございます。


続きまして、「理解を国がした」というところについて区としての考えでございますけれども、この「理解」についても原則国がどう考えるかというところでございますけれども、その国が今まで環境影響に対する低減についてさまざまな取り組みを打ち出して、そしてそれをやるということを踏まえて、国としては「皆さんの理解を得た」というふうに考えていると、このように言っているところでございます。


区といたしましても、「理解を得た」ということであれば、国はしっかりとその約束を果たすべきということでございますので、これからの国が約束したさまざまな環境影響に対する取り組み、これを果たしてもらうよう強く求めていくというところでございます。

問3:計画撤回を国に求めるべき

自席より再々質問させていただきます。
まず羽田ですけれども、結局何をご答弁されたのかあまりよく分からなかったんですけれども、品川区を低空飛行しないルートを国に求めるべきということを伺いました。


固定化については、「品川区を低空飛行しないルートを国に求める」ということを頑なに区は言わないんですね。

低空飛行の見直しは決して国に求めない、これが品川区の濱野区長の立場だし、こんなごまかしは区民に通用しませんよ。なぜこんなにごまかすのか。安倍政権と同じじゃないでしょうか。


実機飛行まであと2か月なんです。「計画撤回を国に求めるべきです」と言っているんです。区民も求めています。ごまかさずにちゃんと答弁をしていただきたいと思います。

答3:ルートを固定化しない方法について求めている

初めに、羽田空港の機能強化についてですが、ルートを固定化しない方法を国に求める場合に、落下物、それから騒音、こういった環境影響に対して可能な限りの低減について国に求める基本的な考え方を国にお伝えをして、その先は国が考えてくださいというような意味合いで要望しているところでございます。


これにつきましては、やはり区として「これこれ、こういった方法はどうでしょう」という具体的な方法を示すのは、区としては難しいというふうに考えております。

やはり技術的な問題も含めて、国の責任において検討するべきという考えの立場に立って要求をしているものでございます。その際、考え方を絞り込むことなく、さまざまな方法について考えていただきたいということで、ルートを固定化しない方法について求めているというところでございます。

田中さやか議員(ネット)

田中さやか議員(ネット)
田中さやか議員(品川・生活者ネットワーク、区議2期、都立南高卒、37歳)

問1:「子育てするなら品川区」、新飛行ルート計画に明確な反対を唱えるべき

最後に、子どもの育つ環境に影響する羽田新飛行ルート計画について伺います。

改めて指摘するまでもなく、本ルート計画は、航路下に暮らし、そして行き交う人々に多くの負荷を強いることを前提にしていますが、その1つに子どもの育つ環境への影響があります。


これまでも保育園のお昼寝の時間への影響などが懸念されていましたが、ほかにも学校や幼稚園、保育園の屋外での活動やお散歩、登下校や登降園への影響も心配です。

屋外では、騒音、大気汚染のみならず、落下物も防ぎようがありません。


例えば、保育園のお散歩や公園での外遊びにおいては、保育士に子どもたちの安全確保の責任が課せられています。

一部の保育士から、「子どもたちの安全を考えると、外遊びやお散歩を控えてしまうかもしれない」という声が聞こえてきます。万が一の事故のときに、たとえ保育士に責任がなくても保育園を責める昨今の風潮を思うと、当然起こり得る判断です。


さきの質問でも述べましたが、子どもの育ちに外遊びは欠くことができません。
「子どもの根っこは外遊びが育む」と語るのは、日本冒険遊び場づくり協会理事でプレーパーク運動の第一人者・天野秀昭さんですが、外遊びのできない品川区は子育てに不適切なまちになってしまいます


「子育てするなら品川区」をこれからも掲げ続けるのであれば、品川区は今からでもこの新飛行ルート計画に明確な反対を唱えるべきです。区としての見解と具体的な対策を伺います。

都市環境部長
都市環境部長

答1:子どもの活動環境を含め、・・・国に強く求めてまいります

次に、羽田空港の機能強化についてお答えいたします。
区としましても、学校や幼稚園、保育園における活動環境や安全の確保は重要と考えております。


区は、平成26年に新飛行ルート案が示されて以降、一貫して国に対し落下物対策や騒音環境軽減に向けた取り組みを強く求めてまいりました。

令和元年8月の国土交通大臣の決定会見に先立ち行われた7月の関係区市連絡会におきましても、区民から依然として不安の声が多く聞かれている現状を伝え、不安の払拭につながるさらなる取り組みを強く求めたところでございます。

国は、要望等をしっかり受けとめ、丁寧な対応をするとしております。


これまでも国は、落下物対策の強化と学校等の防音工事助成の拡充策を打ち出してまいりましたが、区としましては、子どもの活動環境を含め、地域のさらなる環境影響の低減に向けた取り組みをしっかり行うよう国に強く求めてまいります

問2:子どもを保護者として送り出すのをとても不安

また、羽田新ルート問題です。子どもたちを守る施策まで国に任せるのでしょうか

私も、実際子どもを見送るときに、8月30日から飛行検査が始まり、子どもを保護者として送り出すのをとても不安に感じております。そこについて改めて見解と対策をお答えください。

答2:しっかりと約束を果たしていただくように引き続き国に対して要望

私からは、羽田空港の機能強化に関連してお答えいたします。
まず、子どもが活発に活動できる環境、こういったものは大変に大切だというふうに考えております。


また、区民の皆様全てがやはり日常生活を安心してお送りいただけるよう、そういった環境を整えるということも大事なことだというふうに考えております。


この子ども、あるいは区民の皆様、子どもを含めた皆様、どこに優劣をつけるという考えはございません。全ての区民の皆様にとっての生活環境、活動環境は大事だと考えております。


そして、国は、騒音ですとか落下物、こういったものに対する対応をしっかり行っていくというふうにしておりますので、区も、それに関しては、しっかりと約束を果たしていただくように引き続き国に対して要望していくという考えでございます。

雑感

石田ちひろ議員(共産)の質問で注目したいのは、「地元の理解は得られた論」に引っ掛けて、区民の意思を明確に示すために住民投票を行うべきと提案したこと

「羽田増便による都心低空飛行に反対する品川区民の会」(共同代表 秋田操氏)が区議会に働きかけている「住民投票条例」の制定に向けた動きとシンクロしている。

田中さやか議員(ネット)は、子供の育つ環境への影響を切り口に、羽田新ルート反対を迫る。

都市環境部長は「国に強く求めてまいります」「国に対して要望していく」と、国の責任論に終始している。

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