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羽田新ルート|品川区議会「20年第2回定例会」質疑応答

品川区議会の「20年第2回定例会」本会議一般質問(6月25日、26日)で、羽田新ルートに関して、あくつ広王議員(公明)、中塚亮議員(共産)、吉田ゆみこ議員(ネット)の質疑応答があった。

会議録ネット中継録画をもとに、質疑応答(約8千文字)を可視化しておいた。

※以下長文。時間のない方は「質疑応答のポイント」と「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

※答弁は都市環境部長


あくつ広王議員(公明)

あくつ広王(公明)

阿久津 広王議員(公明党、区議3期、元国会議員秘書、創価大学法学部卒、46歳)

あくつ:固定化回避のための検討委員会の設置、どのように評価?

質問の4点目は、状況の変化を鑑みた羽田空港新飛行ルートの運用について質問します。

国土交通省は、本年3月29日より、国際線の増便を主な目的とした羽田空港の新飛行ルートの本格運用を開始しました。しかし、パンデミックにより状況は一変し、出入国制限や海外旅行の自粛等で羽田空港の国際便は8割の減便となっています。

「新しい生活様式」にのっとり、日常生活や社会経済活動の厳しい自粛・抑制への協力が求められている区民からは、「航空機の騒音で、自宅で感染予防のための換気ができない」「減便しているのに、新飛行ルートの運用を強行することが理解できない」等の懸念の声が数多く寄せられました


5月28日、公明党の伊藤こういち都議会議員は、赤羽一嘉国土交通大臣に面会、直接緊急の申入れを行い、「羽田空港新飛行ルートの再考および固定化を避ける取組を、早急かつ具体的に検討すること」等を改めて強く求めました。


6月3日、衆議院・国土交通委員会で公明党の岡本みつなり衆議院議員がこの要望活動を取上げ、具体的な対応を求めたところ、赤羽大臣からは「新経路の固定化を回避するための方策を早急に検討するため、有識者および専門家による検討会を今月中にも立ち上げる」という答弁がありました。

区議会の決議などで継続して求めてきた具体的な新飛行ルートの再考と固定化を避ける取組に向けて、一歩前進することができました


今春、品川区には、公明党の要望で新たに担当部署である空港環境担当係が新設されましたが、3月からの本格運用、また、緊急事態宣言の期間、区民からどのような声が上がっていたのかお示しください


濱野区長は5月20日に国土交通省へ赴かれ、羽田空港新ルートについて申入れを行ったと伺っておりますが、誰に対してどのような要望を行い、どのような回答があったのか、お知らせください。

また、赤羽国土交通大臣は固定化回避のための検討委員会の設置を明言しましたが、この間、区議会の決議とともに、関係市区町村の中で唯一、新ルートに対して固定化の回避を求めて国に意見を述べてきた品川区としてどのように評価されるのか伺います。

都市環境部長
都市環境部長

部長:固定化しない取組に向けた第一歩と捉えております

私からは、羽田空港の機能強化についてお答えいたします。

初めに、羽田空港新飛行ルートに対する区民の声と国への申入れについてですが、本格運用開始以降、区民の皆さんからは、騒音や落下物に対するご意見のほか、新型コロナウイルス感染症拡大による大幅な航空需要の低下から、品川区上空を飛行しない従前ルートへ戻すべきなどの声が届いています

こうした背景を踏まえ、令和2年5月20日、区長が国土交通省を訪問し、大臣に宛て、当面の就航需要の減少を踏まえた一層の騒音軽減策の推進や、新飛行ルートを固定化しない取組の実施について要望を行いました

国からは、新飛行ルートを固定化しない要望についてしっかり考えていきたい旨の回答があったところでございます。


次に、国による検討会の立ち上げにつきましては、区としましても、これまで国に求めてきた新飛行ルートを固定化しない取組に向けた第一歩と捉えております

今後議論される内容について注視していくとともに、早急に具体的な方策が示されるよう、引き続き国に求めてまいります。

中塚亮議員(共産)

中塚亮(共産)
中塚亮議員(共産、区議5期、東京農大中退、44歳)

中塚:コロナで減便でも本格運用が強行、なぜ抗議しないのか?

次に、「コロナで減便でも羽田ルートの運用強行とは許せません!ひどい騒音や恐怖が広がる中、なぜ区長は中止を国に求めないのか」です。

「コロナ対応で窓を開け換気していると、飛行機の轟音が飛び込んでくる。本当にやめてほしい」など怒りの声。迫りくる機体を見上げ「落下物や墜落など、いつか何か重大事故が起きるのでは」など恐怖の声がたくさん寄せられています。

5月20日、濱野区長は新たな要望書を国交省に提出しました。しかし、その内容について、建設委員会では「上空を飛ばないということも含めて求めている」と口では言いながら、区長は、要望書の文面でも、その場の要請でも、肝腎のルート変更を国に求めることはありませんでした

なぜなのかと理由を問うと、区は「国策だから賛成も反対もしない」との説明です。結局は、今に至っても区長は、固定化させないと言いながら、肝腎のルート変更など羽田新飛行ルート計画の撤回を国に求めることをかたくなに拒んでいるのです。

羽田新ルートについて、濱野区長はなぜ国策だと中止を求めないのか伺います。


これまでも日本共産党は、こんな住民犠牲の計画を何としても撤回させようと、最も住宅地を低空飛行する地方自治体である濱野区長に繰り返し反対表明を求めてきました。
しかし、計画発表から6年余、区長の反対表明は一切ありません。それだけでなく、区長は容認を国に伝え感謝されていた問題をはじめ、いずれも区長の態度は容認です。

しかも、コロナで国際線は95%減便、国内線も80%減便と、国内の航空機需要が激減する中、増便のための新ルートなど全く必要ありません
区長は、コロナで減便でも本格運用が強行されたことをどう考えるのか、なぜ抗議しないのか伺います。


国交省は、最近になって、運用の理由に千葉県との確認書を持ち出しています

国と千葉県は、南風時の15時から19時について、騒音対策としてB・D滑走路への現行着陸ルートは運用しないことを昨年12月25日に締結。つまり午後3時から7時の間は新ルートを使うということです。

上空約1,200メートルの千葉県から上空300メートルの品川区に変えるとは、騒音軽減と言いながら、実際は被害を悪化させるものです。
同時に、同じく千葉県の成田空港では、深夜の運航時間を拡大し、地元住民の睡眠時間を奪う事態を起こしています。


結局は、千葉でも東京でも、国は住民の命、暮らしよりも経済効率を優先しているだけなのです。騒音も落下物や墜落の危険も、国は追加の対策などと言うが、従来の海上ルートに戻すことが唯一の対策なのです。日本共産党は、羽田新ルートの運用中止へ、引き続き全力を挙げたいと思います。

都市環境部長
都市環境部長

部長:早急に具体的な方策が示されるよう引き続き国に求めてまいります

私からは、羽田空港の機能強化とコミュニティバスについてお答えいたします。

初めに、羽田新ルートにつきましては、区はこれまでも、区民の不安の払拭に向け、落下物対策や騒音環境軽減に向けたさらなる取組と、区民への丁寧な説明、周知の継続実施、また、新ルートを固定化することがないよう取り組むことを国に強く求めてまいりました

また、本格運用開始以降、新型コロナウイルス感染症拡大による大幅な減便が続く状況を踏まえ、令和2年5月20日、大臣に宛て、当面の就航需要の減少を踏まえた一層の騒音軽減対策の推進や、新ルートを固定化しない取組の実施について要望を行いました


国は、新ルートを固定化しない要望について、しっかりと考えていくための固定化回避に向けた検討会を立ち上げるとしています。区としましては、早急に具体的な方策が示されるよう引き続き国に求めてまいります

中塚:減便中の運航強行になぜ区長は抗議しないのか?

次に、羽田ですけれども、全く聞いていることに答えていません。質問は、区長はなぜ国策だと中止を求めないのか、そして減便中の運航強行になぜ区長は抗議しないのかとの質問です。区長の考えを伺います。

部長:国に対して注視をしながら要望をまたしていきたい

羽田空港機能強化についてお答えいたします。

まず、この機能強化につきましては、国としては国策ということで、これは国の経済の発展、そういったものが重要であるとしているところで、区としましても、そうした考えにつきましては一定の理解をするものでございます。

ただ、この新飛行ルートにつきましては、区としましては、かねてからルートを固定化しない取組について国に強く求めてまいりました。


こうした状況、またこの新型コロナウイルス感染症拡大に向けた減便という状況を踏まえて、改めて5月20日に国に対して要望をしたものでございます。国としましては、ルートを固定化しない固定化回避のための対策について協議体を設置をして、早急に取り組むとしております。

区としましては、こうした国の取組を注視して、さらなる具体的な策が出されますよう、国に対して注視をしながら要望をまたしていきたいというふうに考えております。
以上でございます。

中塚:なぜ減便でも運航強行に抗議しないのか?

次に、羽田です。私の質問に答えていない。これでは質問にならない。

私は、なぜ国策だと中止を求めないのかなぜ減便でも運航強行に抗議しないのかと聞いたんです。

区の取組を聞いているのではありません。これは区民の声です。区民の疑問です。しっかりと答えていただきたいと思います。

部長:区の要望に対しまして今後検討するという回答を得ております

羽田空港機能強化についてお答えいたします。

まず、国のこの機能強化の目的につきましては、先ほども申し上げました、日本の経済の進展の中で、国際社会という立場の中で進めていくということでございまして、これについては、区は一定の理解を示すというふうに先ほども申し上げました。

このことにつきまして、中止ということではなく、かねてから固定化を回避する方法について区としては求めてきたというところでございます。


また、これについて国は、コロナの影響による減便も踏まえた区の要望に対しまして今後検討するという回答を得ておりますので、まずはこの検討の状況、これをしっかり確認をしていく必要があると、これがまず一番最初に大事なことであると、そのように考えているところでございます。

吉田ゆみこ議員(ネット)

吉田ゆみこ(ネット)
吉田ゆみこ議員(生活者ネットワーク、区議2期、元生活クラブ東京理事長、学習院大学法学部卒、66歳)

吉田:1977年設置の羽田空港移転問題協議会、継続されているのか

最後に、羽田新ルートの運用について質問します。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で、国家間の往来は制限され、飛行機の便数は大幅に減っていたにもかかわらず、3月29日に羽田新ルートは本格運用が強行されました。国土交通省によれば、騒音等の苦情は2,500件に上るとのこと。

現在は1時間に十数機の飛来で、本来の便数よりはかなり少ないのに、騒音による人々の暮らしへの影響は大きく、新型コロナウイルス感染予防策として定期的な換気が求められ、かつ多くの人が国や都の呼びかけに応えて在宅ワークを選択しているため、人々のストレスはより大きくなっています。騒音だけでなく、大きな機影が頭上を通過するさまは圧迫感を覚えます。

新型コロナウイルス感染症が世界中に広がる様子は、グローバルなネットワークでつながることをひたすら追求してきたこれまでの政策の負の部分を明確にしました。

羽田新ルート計画は、「海外からのビジネスや観光客を呼び込むことによる日本経済活性化のために、羽田空港の機能強化が必要である。そのための発着便数を確保するためには23区上空を飛ぶルートが必要である」と説明をされてきました。しかし、今、その経済活性化策が実は感染症も呼び込むことにつながることを露呈しました。

今回の新型コロナウイルス感染症が終息した後も、次のパンデミックは想定しておくべきだということに世界中が気づきました。今後もグローバルなつながりは大前提として維持しつつも、今回の経験を生かして、人の流れや原料調達の在り方も含めた新たな経済政策の在り方が模索されていくと考えますし、そうあるべきだと強く主張します。

少なくとも今現在この羽田新ルートは大義名分を失っています。にもかかわらず運用が続けられていることは納得ができません


質問です。

改めて昔の経緯の確認です。羽田空港の移転に関し、国、東京都、地元区の3者で話合いを進めるため、1977年8月に羽田空港移転問題協議会が設置されました。過去の資料によれば、品川区からは、当時は助役、そして副区長が委員として出席しており、当時のまちづくり事業部長が代理で出席することもあったように読み取れます。

この協議会が継続されているなら、羽田新ルート運用にも有効に活用されるべきと考えます。この会の根拠法令と根拠条文と設置目的、現在この協議会は継続されているのか否か、廃止されたのならその手続時期と手順を伺います。


また、国土交通省は、これまで羽田新ルートの理由を経済活性化の必要性を根拠として区民に説明をしてきましたが、突然「首都圏での騒音の共有」という理由を持ち出しました

これまで一度も区民に説明してこなかった理由を急に持ち出し出してきたことについて、区は国交省に対し説明を求めるべきと考えますが、見解を伺います。


また、区は、現在の羽田空港の稼働率をどう認識しているのでしょうか。
現状の羽田空港離発着便であれば、従来の海から入って海から出るルートで可能であると航空局長が国会で答弁したことはご承知と思います。国連の専門機関であるICAOは、航空需要の回復には3年から4年かかると予想しています。

これらを総合的に判断するならば、「今飛ばす意味がなくなった」と判断できるのではないでしょうか。区としての羽田新ルート運用への判断を伺います。

少なくとも区民や区議会議員の中には、「今は飛ばす意味がない」という声があるということを明確な文章に表し、要望書を改めて提出すべきと考えますが、見解を伺います。


さらには、区として区民の不安払拭に向け、新型コロナウイルスへの対応や当面の就航需要の減少を踏まえ、都心低空飛行ルートの運用は中止すべきと国に求めるべきと考えます。区の見解を伺います。
以上で私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

都市環境部長
都市環境部長

部長:継続しているという認識でございます

私からは、羽田空港の機能強化についてお答えいたします。

初めに、羽田空港移転問題協議会についてですが、沖合へ空港機能を移転させることを目的に、国、東京都および地元区の品川区と大田区で話合いを進める場として昭和52年に設置されました。

沖合移転が完了し、新滑走路の供用が開始された平成22年10月以降は開催されておりませんが、継続しているという認識でございます


次に、首都圏での騒音の共有につきましては、千葉県および関係市町が首都圏全体での騒音共有を求めてこられたことは承知しております。しかしながら、国はかねてから新ルートは国際線増便のための方策と説明してきており、改めて国に対して説明を求めてまいります


次に、減便の状況の中で新ルートに対する区の考えについてですが、減便の状況を踏まえ、令和2年5月20日、区長が大臣に宛て、当面の就航需要の減少を踏まえた一層の騒音軽減策の推進や新ルートを固定化しない取組についての実施について要望いたしました。

国は、固定化回避に向けた検討会を立ち上げるとしており、区としましては、区民の不安の払拭に向け、早急に具体的な方策が示されるよう国に求めてまいります

吉田:協議会、根拠条文?

羽田のことについては、協議会が継続していることは分かりました根拠条文を伺いましたので、ぜひお答えいただきたいと思います。


それから、今飛ばす意味がないという区民や区議会の声の要望書は答えをいただいていないので、改めて伺いたいと思います。

部長:法律、あるいは条例等に基づく会というところではない

羽田空港機能強化についてお答えいたします。
初めに、羽田空港移転問題協議会の根拠条文ということでございますが、これは結論から申し上げますと、根拠条文というところではなく、先ほど目的のところで申し上げました沖合へ空港機能を移転させることを目的にということで、法律、あるいは条例等に基づく会というところではないというふうに認識しているところでございます。


また、この協議会の中では、平成22年、最後に、この滑走路移転後の跡地利用の計画について策定をしたというところで、これは大田区から公表されております。それを最後に開催をされていないというところでございます。


それから、国への要望についてですが、区としましても、これまでに状況に応じて様々国に対して要望してまいりましたけれども、このたびのコロナの減便に対しましては、騒音軽減策の推進、あるいは新ルートを固定化しない取組、これは中止、あるいは新ルートの賛否、こういったものではなくて求めてきたというところでございます。

国としまして、これに対してしっかり対応するというところで、この検討会を立ち上げるとしておりますので、区としましては、この検討会の検討状況を注視しながら、また必要に応じて国に対して要望をしていくという立場でございます。
以上でございます。

吉田:今飛ばす意味がないという声、文章に表した要望書?

それから、羽田新ルートです。さっきも、ずっと言っていますけど、4つ目にした質問、今飛ばす意味がないという声が出ているということを文章に表した要望書についてはお答えいただいていないんですけど、ぜひお答えいただきたいと思います。

部長:従前ルートへ戻すべき、こういった意見も添えて区として要望した

羽田空港機能強化についてお答えいたします。
要望書の内容についてですけれども、区民の皆さんからは、騒音、安全性、そして従前ルートに戻すべきではないか、こういった声があるというところを踏まえて、騒音軽減策、また新ルートを固定化しない取組、こういったものを要望したところでございます。


現在、コロナで減便されているというところはございますけれども、やはり一定の航空需要があるというところではございますが、ただ、区民の皆さんからいただいた声、こういったものも国に対して届けるというところで、従前ルートへ戻すべき、こういった意見も添えて区として要望したというところでございます。


現在、国は対応しているというところで、区としても注視してまいりたいというふうに考えております。

雑感

あくつ広王議員(公明)

公明党のPRかと思った。
中塚亮議員(共産)

コロナで減便でも本格運用が強行されていることに、なぜ抗議しないのか。同議員は3回も同じ質問を繰り返した。それに対して微妙にはぐらかした答弁を繰り出す都市環境部長のほうが一枚上手か……。
吉田ゆみこ議員(ネット)
1977年に設置された羽田空港移転問題協議会は、現在でも「継続しているという認識」を区から引き出したところまでは良かった。でも、「沖合へ空港機能を移転させることを目的にということで、法律、あるいは条例等に基づく会というところではないというふうに認識」という部長の残念な答弁で終わった。

答弁から逃げ回る濱野区長

濱野区長が定例会本会議の場で羽田新ルート問題に応じたのは、18年10月25日第3回定例会が最後だ。

武井雅昭 港区長や長谷部健 渋谷区長らが、役人の作文を読んでいるとはいえ、区民の関心の高い羽田新ルート問題に直接答えている姿勢とは対照的だ。

品川区民はこのような区議会の状況を知っているのだろうか……。

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2020年6月1日、このブログ開設から16周年を迎えました (^_^)/
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