「羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会」の「令和4年度 第2回幹事会」が22年12月16日に開催されていたことをご存じだろうか。
※投稿23年1月28日(追記23年2月21日)
都及び関係区市連絡会、今回もコッソリ開催されていた
東京都都市整備局の「羽田空港の更なる機能強化について」のページの「最終更新日」が1月27日17時、「令和5年1月27日」に変っていた。
どこが変わったのかと、目を皿のようにしてチェックしていくと、都市整備局の読みづらい「トピックス」に「都及び関係区市連絡会 第2回幹事会」が追記されたことに気づく(次図)。
毎度のことであるが、トピックスに掲載された日付がないので、ぼーっと見ているだけでは、新着情報であることに気が付かない。また、都HPの新着情報にも都市整備局HPの新着情報にも掲載されていないので、一般の都民が知ることは不可能である(それが狙いか…)。
リンク先を開くと、「議事の要旨」のほかに、「主な意見及び国の回答等」(PDF形式)が掲載されている。
会議の概要
- 会議名 令和4年度羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会 幹事会(第2回)
- 開催日 令和4年12月16日(金曜日)
- 出席状況 東京都、22区市、国土交通省
- 議事の要旨
*国土交通省より、騒音測定結果や部品欠落報告等についての説明【主な意見及び国の回答等】(PDF形式)
- 羽田小学校の騒音値について、80 dBを超える騒音値が測定されることが増えてきている。大型機の実測値の平均も9月、10 月で上がっており、推計平均値に近づきつつある。大型機、中型機、小型機を総括した平均値についても昨年度より数値が上がっている。大型機の復便の関係もあるかとは思うが、騒音増大の要因などがあれば教えていただきたい。
- ⇒80 dBを超えた騒音については、いずれもボーイング 777 によるものである。大型機については、今後、低騒音機への更新が進んでいく見込みであるが、引き続き分類、集計を行い、皆様に情報提供していく。
- ⇒11 月より、特定の大型機におけるB滑走路末端離陸による騒音軽減策を開始いただいたところであるが、今後も更なる対策をお願いしたい。
- 荒川ルートの9月の航跡について、江戸川区の上空をまんべんなく飛行機が通過しているが、全て9月24 日に発生したものか。
- ⇒ほとんどが9月24 日に発生したものである。9月24 日は、台風の影響で出発経路に悪天域が流入しており、安全運航のため、江戸川区上空を通過することで、悪天回避を行った。
- ⇒住民の方々からお問合せいただくこともあるため、今後このようなことがあれば、早めの情報共有をお願いしたい。
- 毎年、落下物防止対策を強化いただいているが、過去4年間の部品欠落件数はどのように推移しているか。
- ⇒就航便数は昨年度に比べて増えているが、今年度の部品欠落件数は昨年度に比べると減っている。今後の復便も見据えつつ、引き続き落下物防止対策に取り組んでまいりたい。
- 部品欠落については実績をお示しいただいているが、落下物については実際に確認された事案はあるのか。
- ⇒新飛行経路の運用開始後、今日に至るまで、新飛行経路下において落下物は確認されていない。
- 区としては、固定化回避の取組は重要であると考えている。固定化回避検討会では、今後も検討すべき様々な課題があると思われるが、早急な結論に向けた取組を引き続きお願いしたい。
- ⇒固定化回避検討会については、来年の夏から秋に予定する次回の会合の開催に向けて、鋭意、関係部署が作業を加速させながら、全力で取り組んでいる。引き続き、スピード感をもって検討を進めて参りたい。
【会議資料】
公開された「会議資料」(次図)は、「(資料10-2)都に寄せられた意見について」以外は、国交省が「新飛行経路の定期運用報告(第16回」として1月27日に公表した資料に含まれている。
国交省は12月16日に都及び関係区市連絡会で関係自治体に羽田新ルートの運用状況を報告し、約1か月半後の1月27日に、都と同じ日に関連資料を公表するという手順を踏んでいたことが分かる。
都民の怒りの矛先は都ではなく、国に向かっている!?
国交省の配布資料(1月27日公表)に無かったのは、「(資料10-2)都に寄せられた意見について」。22年9月1日から10月30日までの問合せ件数(速報値)が掲載されている。2か月でたったの14件!
国や国が委託しているコールセンターに寄せされた件数と比較すると、都に寄せられた件数がいかに少ないかがよく分かる(次図)。
都民の怒りの矛先は東京都ではなく、国に向かっているのか。あるいは都民は東京都に羽田新ルートに係る対応を期待していないのか……。
「都及び関係区市連絡会」開催実績
羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会の開催実績を次図に示す。
【追記】開示請求で「出欠表(予定)」「議事概要」入手
※追記23年2月21日
1月27日に公開された「議事の要旨」「各区市の意見等」では、22区市の出席者が不明だし、誰が発言したのかも分からない。
東京都に開示請求していた文書(出欠表(予定)と議事概要)を入手したので、以下ひも解く。
13区のうち代理を立てたのは4区(新宿・江東・目黒・練馬)
23区のうち、欠席したのは台東区と杉並区。
羽田新ルートが通過する13区のうち、代理を立てたのは新宿区、江東区、目黒区、練馬区。
港・品川・大田・渋谷・江戸川区、以外の出席者は置物
議事概要では、「関係区の主な発言」として、港・品川・大田・渋谷・江戸川区から要望が出されたが、国交省からは従来通りの回答がなされたことが記されている。
※下記、原文では改行は全くないが、WEB上で読みやすくするために筆者にて改行した。また、「議事概要」(今回開示)と比べて、「議事の要旨」(HP公表)で修正されている部分については削除と追記が分かるように表現しておいた。
(議題1 騒音対策について)
大田区
- 資料7の羽田小学校の騒音値について、80dBを超える騒音値が測定されることが増えてきている。大型機の実測値の平均も9月、10月で上がっており、推計平均値に近づきつつある。大型機、中型機、小型機を総括した平均値についても昨年度より数値が上がっている。大型機の復便の関係もあるかとは思うが、騒音増大の要因などがあれば教えていただきたい。
国交省航空局
- 80dBを超えた騒音については、いずれもボーイング777によるもの騒音である。大型機については、今後、低騒音機への更新が進んでいく見込みであるが、引き続き分類、集計を行い皆様に情報提供していく。
大田区
- 11月より、特定の大型機におけるB滑走路末端離陸による騒音軽減策を開始いただいたところであるが、今後も更なる対策をお願いしたい。
江戸川区
- 資料3の2ページ目の荒川ルートの9月の航跡について、江戸川区の上空をまんべんなく飛行機が通過しているが、全て9月24日に発生したものか。
- 国土交通省
ほとんどが9月24日に発生したものである。9月24日は、台風の影響で出発経路に悪天域が流入しており、安全運航のため、江戸川区上空を通過することで、悪天回避を行った。江戸川区
- 住民の方々からお問合せいただくこともあるため、今後このようなことがあれば、早めの情報共有をお願いしたい。
(議題2 安全対策について)渋谷区
- 毎年、落下物防止対策を強化いただいているが、過去4年間の部品欠落件数はどのように推移しているか。
国士交通省
- 就航便数は昨年度に比べて増えているが、今年度の部品欠落件数は昨年度に比べると減っている。今後の復便も見据えつつ、引き続き落下物防止対策に取り組んでに資する取り組みを進めてまいりたい。
渋谷区
- ありがとうございます。住民の方々は、落下物について大変心配されている。復便されてしっかり比較できるようになった際には、どういう対策がどのような効果を上げているのか教えていただきたい。
港区
- 部品欠落の事案については実績をお示しいただいているが、落下物については、実際に確認された事案はあるのか。
国土交通省
- 新飛行経路の運用開始後、今日に至るまで、新飛行経路下において落下物は確認されていない。
(議題3 その他)品川区
- 本日は、新ルートの運用状況について情報提供いただいたが、引き続きの取組をよろしくお願いしたい。また、先日、選挙により新区長に変わった。今後、公約の実施に向けた検討を行っていく予定。いずれにしても区としては、固定化回避の取組は重要であると考えている。固定化回避検討会では、今後も検討すべき様々な課題があると思われるが、早急な結論に向けた取組を引き続きお願いしたい。
国交省航空局
- 固定化回避検討会については、来年の夏から秋に予定する次回の会合の開催に向けて、鋭意、関係部署が作業を加速させながら、全力で取り組んでいる。引き続き、スピード感をもって検討を進めて参りたい。
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