羽田問題解決プロジェクト(大村究代表)の呼びかけに応じて、各地域の市民・団体が羽田新ルートの一時凍結を国に求めるよう、各区議会に対して陳情作戦を展開している。
かかる陳情につき、各区議会での対応状況を随時整理する。
※羽田新ルートに係る請願・陳情は各区議会に多数提出されているものの、審議の結果、採択に至らず、その多くは不採択(≒却下)または継続(≒棚ざらし)されている場合が多い。
※委員会での議論の過程を示す言葉が「審査」で、本会議での議論の過程を示す言葉が「審議」。
(羽田新ルート概念図 ※破線は「悪天時」ルート)
※投稿22年2月12日(更新22年5月21日)
羽田問題解決プロジェクトからの呼びかけ
羽田問題解決プロジェクト(大村究代表)は2月9日、航空需要が回復するまで新ルートの一時凍結を国に求めるよう、各区議会にその趣旨の陳情・請願を行うよう各地域の市民・団体に呼びかけていることを発表。
2022年冒頭にあたり羽田問題解決プロジェクトとして各地域の市民/団体に呼びかけを行いました。「現時点で新ルートを飛ばす量的な合理性が全くないので少なくともコロナ禍以前(2019年実績)の航空需要が回復するまで新ルートの一時凍結を中心テーマにして国に求めるよう、各区議会にその趣旨の陳情・請願を行う」というものです。
陳情あり
以下、呼びかけに応じて提出された(提出予定を含む)陳情・請願書につき、区順・提出日順に示すとともに、区議会での対応状況を随時記載する。
※陳情結果につき、特に根拠を明示していない件名の根拠は、羽田問題解決プロジェクトHPの更新情報による。
新宿区(1件⇒審議未了)
- 22年2月21日「羽田空港新ルート運用の一時凍結を求める陳情」新宿の空を守る会
羽田問題解決プロジェクトHPに掲載されていない件名(1件)
- 22年2月21日「国に対し羽田新飛行ルートは早急に運用停止するよう意見書を提出することを求める陳情」新宿区上落合住人126名(うち町会長103名)
※追記22年3月26日
常任委員会(開催3月23日)を経て、審議未了(≒廃案)
※審議未了の舞台裏については、「新宿区会、羽田新ルート陳情2件「審議未了」の舞台裏」参照。
品川区(5件⇒継続4、不採択1)
- 22年1月31日「羽田空港新ルート運用の一時凍結を求める陳情」東大井の空を守る会
- 22年1月31日「羽田新飛行経路下の子どもを含む住民を対象とした日常生活への影響の実態調査(アンケート)と調査結果の公表を求める陳情」個人?⇒不採択
- 22年2月8日「羽田空港新ルート運用の一時凍結を求める陳情」羽田新ルート絶対反対!大井町住民の会
-
22年2月9日「コロナ禍のもとで羽田空港への外国人客が激減している中、都心ルートを一時凍結し、従来ルートにもどすことに関する陳情」個人
-
22年2月9日「羽田空港新ルート運用の一時凍結を求める陳情」品川上空を飛来する飛行機の騒音で安心して歩行ができない視覚障害者の会
区議会HPに掲載されている請願・陳情の審議状況では、各会派の賛否状況が分からない。
審査を付託される委員会⇒建設委員会(予定・結果) | 品川区議会
※追記22年2月23日(更新3月9日)
計11件(上記5件、下記6件)のうち、不採択1件(上記朱書き)以外はすべて継続となった。情報源は、品川在住のフォローMさんの建設委員会(2月22日開催)傍聴ツイートによる。
- 羽田問題解決プロジェクトHPに掲載されていない件名(1件)
- 羽田空港への着陸航路について「新ルート」運用の一時停止を議会の総竟とした国土交通省に提言することを求める陳情
- 前期からの継続件名(5件)
- 羽田増便による新都心飛行ルートの中止・撤回による請願
- 区議会決議を尊重して国交省に撤回を求めるよう区長に求める陳情
- 羽田新飛行ルートの本格実施飛行の中止を、品川区から国交省に求めてくださいの陳情
- 令和2年3月29日以降の「羽田新ルート」運用について「都心上空飛行ル ート」の「海ルート」への変更を求めることについての陳情
- 羽田空港国際線増便の目的消失による、新飛行経路の都心低空飛行停止を国に望む陳情
目黒区(2件⇒継続1、不採択1)
- 22年2月4日「羽田空港新ルート運用の一時凍結を求める陳情」個人⇒継続
- 22年2月4日「目黒区議会が国に対し羽田新飛行ルートは早急に運用停止するよう意見書を提出することを求める陳情」目黒北部の会⇒不採択
区議会HPに掲載されている区議会への請願と陳情には、審査結果しか公開されていない。本会議の議題(議決結果)に、会派別賛否一覧が掲載されている。
※追記22年3月2日
都市環境委員会(2月28日開催)にて、継続4(自2、公1、新風1)、採択2(共産1、フォーラム目黒1)、不採択1(無)で、「継続」となった。
また、羽田問題解決プロジェクトに掲載されていない次の陳情は、不採択5(自民2、公明1、新風1、無1)、採択2(共産1、フォーラム目黒1)で不採択となった。
情報源は、いずれも同委員会の委員の一人である斉藤優子議員(共産)のツイート(3月2日)。
大田区(2件⇒審査除外1、不採択1)
- 22年2月7日「羽田空港新ルート運用の見直しを求める陳情」個人⇒審査除外
- 22年2月8日「屋内での低周波を含む航空機騒音の測定とそれが人々へ及ぼす影響の調査を求める陳情」個人⇒不採択
区議会HPに掲載されている請願・陳情審査結果では、各会派の賛否状況が分からない。
審査を付託される委員会⇒羽田空港対策特別委員会(定数11人)|委員会名簿
中野区(1件⇒採択1⇒不採択)
- 22年2月1日「羽田空港新飛行ルート運用の一時凍結を求める陳情」羽田新飛行ルートの中止を求める中野の会
区議会HPに掲載されている請願・陳情一覧では、各会派の賛否状況が分からない。
※追記22年3月15日
区民委員会において賛成多数で採択された。情報源は、元・中野区議会議員(共産)のツイート。
※追記22年3月26日
本会議(開催3月25日)にて、僅差で「みなす不採択」。
みなす不採択とは、同一会期中に、すでに同一趣旨、同一目的の議案又は請願等が議決されている場合、その結果により採択(不採択)とみなす取り扱いのこと。
※「みなす不採択」の経緯については、「中野区議会、羽田新ルート運用一時凍結の陳情に係る「みなす不採択」に至る経緯」参照。
豊島区(1件⇒不採択1)
- 22年2月3日「豊島区上空低空飛行ルートを「固定化回避検討会」の結論が出るまで、従来ルートに戻すことを求める陳情」豊島の空を考える会
区議会HPに掲載されている区議会の会議結果をひも解くことで、「定例会採決票」で各会派の賛否状況を確認することができる。
審査を付託される委員会⇒都市整備委員会
北区(1件⇒不採択1)
- 22年2月15日「羽田新飛行ルートの運用の一時凍結を求める意見書提出に関する件」北区を低空飛行する羽田新ルートの撤回を要求する住民の会⇒不採択
板橋区(3件⇒不採択3)
- 22年2月1日「羽田空港新ルート運用の一時凍結を求める陳情」板橋の環境を守る会
- 22年2月3日「羽田新飛行ルートの再考を求める陳情」個人?
- 22年2月4日「住民の安全・安心な生活を守るために、羽田空港の機能強化による都心低空飛行ルート運用の一時凍結および航空事故を想定した防災体制の敷設を求める陳情」個人
区議会HPに掲載されている請願・陳情の審査結果で、各会派の賛否状況を確認することができる。
※追記22年2月18日
3件とも不採択(都市建設委員会2月17日採決結果)
委員会室ではなく控え室での傍聴(コロナで密を避けるための措置)のため発言のない議員については態度表明が見えず不明ですが、意見を言って不採択としたのは、自民、公明、無所属一人です。
ちなみに、都市建設委員会の構成員は以下:
- 【委員長】いしだ圭一郎(公明)
- 【副委員長】いわい桐子(共産)
- 山田貴之(自民)
- 安井一郎(自民)
- 川口雅敏(自民)
- かいべとも子(公明)
- 山田ひでき(共産)
- 長瀬達也(無所属)
- こんどう秀人(無所属)
※追記22年3月7日
板橋区議会「22年第1回定例会」本会議で3月3日、羽田新ルート陳情3件に関して、五十嵐やす子議員(社民)と川口雅敏議員(自民)の「討論」(≒賛否の開陳)があった。詳細は下記記事参照。
練馬区(2件⇒継続2)
- 22年2月1日「羽田空港新ルー卜運用の一時凍結とチラシ掲載に関する陳情」個人
- 22年2月3日「羽田空港新ルート運用の一時凍結を求める陳情書」STOP!羽田新ルート・練馬の会
区議会HPに掲載されている結果の出た請願・陳情では、各会派の賛否状況が分からない。
審査を付託される委員会⇒都市整備委員会
陳情なし(5区)
羽田新ルートが通過する13区のうち、陳情書の提出がない区(2月11日現在)。
- 港区、江東区、渋谷区、北区、江戸川区
まとめ(審査結果一覧表)
※更新22年3月26日
羽田問題解決プロジェクトの呼びかけに応じて、9つの区議会に合計18件の陳情が提出された。本会議の審議を経て採択された陳情はゼロに終わった。
継続(≒棚ざらし)7件、不採択(≒却下)8件、審査除外1件、審議未了(≒廃案)1件。採択1件は、本会議審議の結果、不採択。
- 大田区2件のうち1件は審査除外。審査除外とは、「同一期内で概ね一年を経過していない同趣旨の陳情で、状況の変化がないと認められるもの」や「議会の審査になじまないと議長が判断した陳情」などに適用される。詳細は大田区「陳情書の取扱いについて」参照。
- 中野区議会では区民委員会(開催3月14日)で「採択」だったのに、本会議(開催3月25日)でまさかの「みなす不採択」。みなす不採択とは、同一会期中に、すでに同一趣旨、同一目的の議案又は請願等が議決されている場合、その結果により採択(不採択)とみなす取り扱いのこと。
- 渋谷区議会では昨年10月13日「羽田新ルートの運用停止を求める請願」を全会一致で採択し、同主旨の意見書を国に提出済みなので、今回の陳情作戦(一時凍結)には参戦していない。
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