マスメディアが小池都知事の動向を報じると「知事への声」が増加し、報じないと「知事への声」が減少する展開になっている。
※投稿21年5月28日(更新23年11月23日:10月分データ反映)
小池百合子がメディアに露出すると「知事への声」増加
小池都知事がマスメディアを巧妙に利用して、有利な選挙戦に持ち込もうとする流れは、都民の声総合窓口に寄せられた「知事への声」の件数からも観測できる(次図)。
- 16~20年
「希望の党結成(17年9月)」「学歴詐称疑惑(18年6月文藝春秋)」「二階俊博幹事長による再選支持(19年3月)」「五輪マラソン札幌市へ(19年10月)」といったイベントが発生するたびに件数が増加しているところへのコロナ禍である。コロナ禍のもとで知事選を有利に進め、学歴詐称疑惑に係らず圧勝した。 - 21年
コロナ第4波襲来のなか21年4月に1万件を突破。その後減少。第5波の収束以降、小池知事のメディア露出機会の減少とともに「知事への声」の件数も激減。 - 22年
コロナの第6波(オミクロン株)が22年2月にピークを記録したあと、メディアの関心はウクライナ侵攻にシフト。任期満了日(24年7月30日)まであと1年半を残して、メディア露出機会が激減。 - 23年(~10月)
小池都知事が1月12日に発表した、18歳以下に月5000円支給・0歳から2歳の第2子の保育料を完全無償化の影響が少しだけグラフに表れている。
「知事への声」、神宮外苑再開発問題(8月)で6カ月ぶりに300件超えたが、9月・10月と2か月連続で300件を下回った。
※20年3月~8月は件数が「急激に件数が増えて処理できていない状態にあり」、公表されていない(都民の声課への取材による)。
都民の不満の矛先が都知事に向かっていない!?
「知事への声」の内訳を次図に示す。
- 21年
「知事への声」の件数が激増した年であるが、「知事の政治姿勢や政治活動に関する意見」の割合は減少し、「都政や施策等に関する意見」の割合が増えている。もしこの現象が、コロナ禍に苦しむ都民の不満の矛先が都知事ではなく、都の行政機構に向かっていることの結果だとすれば、小池都知事の作戦通りということになるのかもしれない。 - 22年
「知事の政治姿勢や政治活動に関する意見」が4か月連続で100件を下回った(9~12月)。 - 23年(~10月)
「知事への声」、神宮外苑再開発問題(8月)で6カ月ぶりに300件超えたが、9月・10月と2か月連続で300件を下回った。
【メモ】
「知事への声」の内訳として17年11月以降、「都政や施策等に関する意見」「知事の政治姿勢や政治活動に関する意見」の件数が公開されるようになった(それより以前の内訳は公開月によって異なることがあった)。
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