あなたは、羽田新ルートを推進してほしいのか、撤回してほしいのか。
統一地方選挙の判断材料となるよう、羽田新ルートが通過する13の区の区議会議員のスタンスにつき、過去記事をもとに整理しておいた。
※選挙時の候補者の口約束で判断するのではなく、これまでの議会活動実績で判断するのが賢い有権者……。
※図中の数値は騒音の影響を受ける可能性がある住民の割合
「法の下の平等!? 教室型説明会がない区民」より
※19年4月8日更新
- 各党の基本スタンス
- 港区議会:請願5件、すべて「継続」(先送り)
- 新宿区議会:羽田新ルート問題への関心が極めて低い
- 江東区議会:3年続けて陳情を先送り
- 品川区議会:請願5件・陳情4件、「採択」ゼロ
- 目黒区議会:陳情の「継続」(先送り)に立民・維新も賛成
- 大田区議会:自公8割、「不採択」(却下)構造
- 渋谷区議会:陳情・請願3件すべて採択
- 中野区議会:羽田新ルート問題への関心が低い
- 豊島区議会:陳情2件、毎回「継続」(先送り)
- 北区議会:一般質問、羽田新ルートなし
- 板橋区議会:陳情2件、2年半以上、棚ざらし状態
- 練馬区議会:自公過半、「不採択」(却下)構造
- 江戸川区議会:羽田新ルートの議論は低調
- あわせて読みたい
各党の基本スタンス
自民党・公明党・都民ファースト
羽田新ルートを推進。
共産党
羽田新ルートの撤回が基本スタンス。
立憲民主党
羽田新ルートのスタンスを明確にしていない。
党の公式HPにも公式ツイッターにも、羽田新ルートに言及した情報は見当たらない。
国民民主党
党の公式HPにも公式ツイッターにも、羽田新ルートに言及した情報は見当たらない。
ただ、玉木雄一郎代表は18年10月3日、航空連合第20回定期大会の挨拶で「それぞれの職場で皆さんが力を発揮し、それぞれの夢や希望を叶えることができるよう、私たち国民民主党は政策の観点から全力で応援していく」との決意表明。国民民主党は空港産業縛りがあるので、羽田新ルート容認派と認定。
各区議会のパワーバランス
羽田新ルートを推進している自公・都民Fの割合が5割を割っているのは、品川と渋谷だけ(次図)。
港区議会:請願5件、すべて「継続」(先送り)
18年第1回定例会以降、港区民から提出された請願5件は、すべて「継続」(先送り)扱いで処理された結果、4月の統一地方選挙の改選により自動的に廃案になる。
これら5件の採決に係った交通・環境等対策特別委員会(12名)の投票行動は、自・公・都民Fは毎回「継続」、共産は「採決」。みなと政策は「継続」だったり「採決」だったり。
※詳しくは、「羽田新ルート|港区議会、請願5件廃案に」参照。
新宿区議会:羽田新ルート問題への関心が極めて低い
19年第1回定例会の一般質問では、19名のうち誰も羽田新ルート問題を掲げていない。
新宿区議会の会議録(18年12月の定例会の会議録は未登録)を検索してみると、羽田新ルートへの言及があったのは、次の2件だけ。
- 18年6月 定例会(第2回)06月13日
- 18年3月 予算特別委員会03月02日
新宿区議会では、羽田新ルート問題への関心が極めて低い。これはもう区議、全とっかえか(笑)
※詳しくは、「新宿区議会 第1回定例会「羽田新ルート問題」一般質問なし」参照。
江東区議会:3年続けて陳情を先送り
「羽田空港機能強化に関する説明会についての陳情」が最初に区民環境委員会で審査されたのは3年あまり前(15年12月)。それ以来、毎回「継続審査」扱いという名の先送りがされてきた。
そんなことだから、羽田新ルートが江東区6地域の上空を通過するのにも関わらず、江東区では未だ教室型説明会が開催されていない。
※詳しくは、「江東区議会 第1回定例会「羽田新ルート問題」一般質問なし 」参照。
品川区議会:請願5件・陳情4件、「採択」ゼロ
2018年に本会議に諮る前の委員会で羽田新ルートに係る請願5件(6回)、陳情4件(8回)が審査された。採決結果はいずれも「不採択」(却下)か「継続」(先送り)となり、「採択」された件数はゼロ。
審査に係った区議16名が所属している会派の投票行動は次のとおり。
- 推進派:自民党・子ども未来、公明党、国民民主党・無所属クラブ(大倉たかひろ区議)。
- 反対派:共産党、無所属(筒井ようすけ区議)。
- 中途半派:国民民主党・無所属クラブ(松永よしひろ区議)、無所属(西本貴子区議)。
※詳しくは、「品川区議会議員:推進派・反対派・中途半派」参照。
※こちらもどうぞ:「羽田新ルート|品川区議会議員選挙、予定候補者アンケート結果」
目黒区議会:陳情の「継続」(先送り)に立民・維新も賛成
羽田新ルート関連の陳情1件が18年の第4回定例会の本会議で「継続」(先送り)扱いになっている。立憲民主・区民クラブも維新も「継続」(先送り)に賛成。「継続」に反対したのは共産だけ。
※詳しくは、「目黒区長が国交省に口頭要望、教室型説明会いまだ実現せず」参照。
大田区議会:自公8割、「不採択」(却下)構造
羽田新ルートに係る陳情31件のうち、不採択(却下)27件。「採択」されたのは15年に1件だけ。19年は不採択1件、継続2件(先送り⇒廃案)。
採決に係った「羽田空港対策特別委員会(定数11名、欠員1名)は、羽田新ルート推進派である自公8名に占められているので、「不採択」(却下)か「継続」(先送り)にしかなり得ない構造になっている。
※詳しくは、「大田区議会 第1回定例会「羽田新ルート問題」一般質問なし」参照。
※こちらもどうぞ:「羽田新ルート|大田区議会議員、推進・撤回派一覧」
渋谷区議会:陳情・請願3件すべて採択
渋谷区議会は、羽田新ルート議論が最も活発な区の一つ。
これまでに審査された陳情・請願3件は、いずれも全会一致で採択されている。最大の理由は、会派のパワーバランス。羽田新ルートを推進/容認している自公が過半数を割っているのである。
※詳しくは、「羽田新ルート|渋谷区議会、陳情・請願3件すべて採択」参照。
※こちらもどうぞ↓
中野区議会:羽田新ルート問題への関心が低い
19年第1回定例会の一般質問では、18名のうち誰も羽田新ルート問題を掲げていない。18年に4回開催された定例会では、羽田新ルート問題が一般質問で取り上げられたことはない。中野区議会では、羽田新ルート問題への関心が低い……。
そんなことだから、羽田新ルートが中野区26地域の上空を通過するのにも関わらず、中野区では未だ教室型説明会が開催されていない。
※詳しくは、「中野区議会 第1回定例会「羽田新ルート問題」一般質問なし」参照。
※こちらもどうぞ:「羽田新ルート|中野区議会議員、推進・撤回派一覧」
豊島区議会:陳情2件、毎回「継続」(先送り)
都市整備委員会では、羽田新ルート問題に係る陳情2件が寄せられているが、18年に4回開催された委員会では、毎回「継続」(先送り)扱いとなっている。
区議会での議論が低調だからなのか、羽田新ルートが豊島区5地域の上空を通過するのにも関わらず、いまだ教室型説明会が開催されていない。
※詳しくは、「豊島区議会では陳情2件が棚ざらし」参照。
※こちらもどうぞ
北区議会:一般質問、羽田新ルートなし
北区議会の19年第1回定例会一般質問(2月26日)は、一般質問一覧(7名)として掲載されているのだが、誰も羽田新ルート問題を掲げていない。18年に4回開催された定例会のうち、羽田新ルート問題が一般質問で取り上げられたことはない。
区議会での議論が低調だからなのか、羽田新ルートが北区5地域の上空を通過するのにも関わらず、北区では未だ教室型説明会が開催されていない。
※詳しくは、「北区議会、羽田新ルート問題への関心が低い」参照。
※こちらもどうぞ:「羽田新ルート|北区議会議員、推進・撤回派一覧」
板橋区議会:陳情2件、2年半以上、棚ざらし状態
継続審査扱いとなっている2件は、陳情が受理されてから2年半以上、棚ざらし状態。
区議会での議論が低調だからなのか、羽田新ルートが板橋区27地域の上空を通過するのにも関わらず、板橋区では未だ教室型説明会が開催されていない。
※詳しくは、「板橋区議会では陳情2件が棚ざらし」参照。
こちらも「羽田新ルート|2019板橋区長選シミュレーション」参照。
練馬区議会:自公過半、「不採択」(却下)構造
陳情2件につき、「環境まちづくり委員会」の議事録をひも解くと、毎回ほとんど議論されることもなく、「継続」(先送り)扱いになっていることが確認できる。
同委員会の議員は、羽田新ルートを推進/容認している自公が過半数(6名)を占めているので、「不採択」(却下)か「継続」(先送り)にしかなり得ない構造になっている。
※詳しくは、「練馬区議会では陳情2件が棚ざらし」参照。
江戸川区議会:羽田新ルートの議論は低調
19年第1回定例会では、代表質問・一般質問 で、誰も羽田新ルート問題を掲げていない。18年に4回開催された定例会では、一度だけ、第3回定例会一般質問(9月26日)で、大橋美枝子議員(共産)が羽田新ルート問題を取り上げていた。
江戸川区議会では羽田新ルートの議論が低調なわりには、1月から2月にかけて区内5か所で教室型説明会が開催された。
※詳しくは、「江戸川区議会 第1回定例会「羽田新ルート問題」一般質問なし」参照。