各区議会で2月から19年の第1回定例会が始まっている。
羽田新ルートが通過する区の議会では羽田新ルートに係る一般質問がなされるのかといえば、必ずしもそうではない。
そのうちのひとつ、江東区議会の状況を確認してみよう。
一般質問で誰も「羽田新ルート問題」を掲げていない
江東区議会では19年第1回定例会の一般質問は2月19日に行われた。一般質問4名が予定されていたが、誰も羽田新ルート問題を掲げていない。
ちなみに18年に4回開催された定例会では、一度だけ、第2回定例会一般質問(6月14日)で、そえや良夫議員(共産)が羽田新ルート問題を取り上げていた。「新飛行ルートの撤回を国に求めるべき」と迫るそえや議員に対して、区長は「国に撤回を求める考えはありません」と答弁している。
⇒詳しくは、「羽田新ルート|江東区議会「第2回定例会」質疑応答 」参照。
陳情3件、「継続審査」扱いという名の先送り
「請願・陳情審査一覧」を確認すると、羽田新ルート関連は次の3件が、区民環境委員会で審査中(継続審査扱い)であることが確認できる。
- 羽田空港発旅客機の新たな騒音影響に関する陳情(28陳情第40号)
- 羽田空港機能強化に関する説明会についての陳情(27陳情第42号)
- 荒川上空を羽田空港出発機の経路としないことを国、都に働きかけるよう求める陳情(27陳情第44号)
区民環境委員会の会議録 を読むと、18年に4回開催された同委員会では毎回、上記3件の陳情を一括審査し、一括継続審査扱いで処理されていることが分かる。
委員長「ほかにありませんので、本件は一括継続審査といたしたいと存じますが、御異議ございませんか」
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
審査結果は毎回、「採択」ではなく「継続審査」扱いという名の先送り。19年第1回定例会の区民環境委員会(3月6日)でも「採択」されなければ、4月の統一地方選挙(江東区の投票日は4月21日)の改選により自動的に廃案となる。
18年の第2回定例会以降、現在まで区民環境委員会(8名)は、同一メンバーである(下記)。4月の統一地方選挙で、各議員はどのような評価を受けるのか。
※敬称略。
- 【委員長】堀川幸志(自民)
- 【副委員長】吉田要(民政クラブ)
- 豊島成彦(自民)
- 山本香代子(自民)
- 関根友子(公明)
- 白岩忠夫(民政クラブ)
- 菅谷俊一(共産)
- 中村まさ子(市民の声・江東)
3年続けて陳情を先送りするから(?)教室型説明会なし
教室型説明会の開催を国に求める陳情(27陳情第42号)が最初に区民環境委員会で審査されたのは3年あまり前(15年12月2日)。それ以来、毎回「継続審査」扱いという名の先送りがされてきた。
そんなことだから、羽田新ルートが江東区6地域の上空を通過するのにも関わらず、江東区では未だ教室型説明会が開催されていない(残り10区の教室型説明会は5・6月!?)。
少なくとも滑走路出発ルートが通過する6地域の住民(下図) は怒りの声を上げてもいいのではないか。
- C滑走路出発ルート(北風時)
北砂3丁目、新木場1丁目、新木場2丁目、新木場4丁目、夢の島3丁目、有明