2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、羽田空港の国際線発着回数を増やすため、都心上空を飛行する羽田新ルート計画。
23区のうち13区の上空に羽田新ルート が設定されているのに、いまだ8つの区では教室型説明会が実施されていない(3月3日現在)。
教室型説明会あり(5区)
23区内で教室型説明会の開催実績・予定のあるのは5区(品川・渋谷・江戸川・新宿・港区)。
詳しくは、以下記事を参照。
具体的な日程は、次表のとおり(3月3日現在)。
教室型説明会未定(8区)
上空に羽田新ルート が設定されているのに、いまだ教室型説明会が予定されていない区は8つ(江東、目黒、大田、中野、豊島、北、板橋、練馬)。
なぜ、これら8つの区では教室型説明会が未だ予定されていなのか。各区議会での会派のバランスや区議の関心の度合いにも一因があるのではないだろうか。
- 江東区議会 第1回定例会「羽田新ルート問題」一般質問なし
18年に4回開催された区民環境委員会で、羽田新ルート関連の陳情3件が「継続審査」扱いという名の先送り処理されている。 - 目黒区長が国交省に口頭要望、教室型説明会いまだ実現せず
目黒区議会の会議録(19年2月の定例会の会議録は未登録)を検索してみると、定例会一般質問で羽田新ルートが取り上げられたのは、18年第1回(2月21日)の1件だけ。すこぶる低調。 - 大田区議会 第1回定例会「羽田新ルート問題」一般質問なし
これまでに羽田新ルート関連の陳情は28件のうち26件が不採択(却下)。採決に係った「羽田空港対策特別委員会(定数11名、欠員1名)」の自公8名が厚い壁となっている。 - 中野区議会 第1回定例会「羽田新ルート問題」一般質問なし
18年に4回開催された定例会では、羽田新ルート問題が一般質問で取り上げられたことはない。中野区議会では、羽田新ルート問題への関心が低い。
- 豊島区議会では陳情2件が棚ざらし
8年に4回開催された都市整備委員会(定員9名)では毎回、羽田新ルート問題に係る陳情2件が「継続審査」扱いという名の先送り。自公に加え、都民Fの中途半端な対応(委員会で賛成、本会議採決で棄権)が壁となっている。 - 北区議会、羽田新ルート問題への関心が低い
18年に4回開催された定例会では、羽田新ルート問題が一般質問で取り上げられたことはない。北区議会では、羽田新ルート問題への関心がすこぶる低い。 - 板橋区議会では陳情2件が棚ざらし
18年に4回開催された定例会では、羽田新ルート問題が一般質問で取り上げられたことはない。北区議会では、羽田新ルート問題への関心がすこぶる低い。 - 練馬区議会「19年第1回定例会」質疑応答
やない議員(生活者ネット)から教室型説明会の実施を問われ、環境部長は「地域説明会の開催を含め区民への丁寧な周知活動を(国に)要請してまいります」という、耳タコのコピペ答弁を返している。
法の下の平等!? 教室型説明会がない区民
羽田新ルートが通過する13区と教室型説明会の開催有無の関係を可視化したのが次図。
※図中の数値は騒音の影響を受ける可能性がある住民の割合
「羽田新ルート|騒音影響を受ける区民100万人超」に加筆
いまだ教室型説明会が未定の8区のうち、騒音の影響を受ける可能性がある住民の割合が高いのは中野(53%)、練馬(30%)、板橋(30%)、豊島(15%)。これら4区は、既に教室型説明会が開催された江戸川区(6%)よりも、はるかに影響を受ける人の割合が高い。
少なくともこれら4区で教室型説明会が開催されないとなると、憲法14条1項が定める「法の下の平等」に反することになるのではないのか。
日本国憲法 第14条1項
すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
いまだ教室型説明会が予定されていない8つの区の区議さん仕事としてますか?
審判の日(統一地方選挙4月21日)まであと2か月足らず……。