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羽田新ルート|品川区議会議員:推進派・反対派・中途半派

品川区議会では2018年に羽田新ルートに係る請願・陳情が9件審査されたが、いずれも不採択または継続審査となった。

2019年第1回定例会(2月20日〜3月26日)でも採択されなければ、4月の統一地方選挙(品川区の投票日は4月21日)の改選により自動的に廃案になる。

採決に係った区議(16名)をまとめておいたので、投票の判断材料にしていただければと。


もくじ

2018請願・陳情の審査結果:採択ゼロ

品川区議会では2018年に本会議に諮る前の委員会で羽田新ルートに係る請願5件(6回)、陳情4件(8回)が審査された。採決結果はいずれも「不採択」か「継続審査」となり、「採択」された件数はゼロ。

各件名が審査された委員会(行財政改革特別委員会、建設委員会)と各委員(会派)の判断を下表にまとめた。

第1回・第1回臨時定例会では財政改革特別委員会(13名)で、第2回から第4回定例会では建設委員会(8名、第3回以降は1名失職により7名)で審査されている。

各委員(会派)の判断は、自公が採択に反対または継続審査扱い、共産が採択に賛成という対立の構図。国民民主は採択に反対したり、趣旨採択したり。会派に属していない2名のうち筒井議員は採択に賛成。西本議員は採択に賛成したり、継続審査扱いにしたりした後、区長選に羽田新ルート反対を掲げて出馬し、落選。

区長選と合わせて実施された区議補欠選挙では芹澤(自民)と奥野(共産)の2名が選出されたにもかかわらず、建設委員会(定数8名)には欠員が補充されなかったため、第3回定例会以降、可否同数による委員長決裁という不自然な状況が続いている

2018年品川区議会の採決状況一覧(行財政改革特別委員会)
2018年品川区議会の採決状況一覧(建設委員会)

現時点で継続審査扱いになっているのは下記の4件。特に第12号・13号は3回の審査(第2回〜第4回定例会)を経ても未だ継続審査扱いになっている。

  • (第12号)区長が、羽田空港増便による新飛行ルートについて、国に対し見直しを求める交渉をすることに関する陳情
  • (第13号)羽田空港新ルート見直しと説明会開催に関する陳情

  • (第17号)区が羽田空港増便による新低空飛行ルート撤回を国に強く要請することに関する請願
  • (第18号)区が羽田空港増便による新低空飛行ルート計画のアンケート調査をすること、区独自の教室型説明会を開催することに関する請願

上記4件は、2019年第1回定例会(2月20日〜3月26日)でも採択されなければ、4月の統一地方選挙(品川区の投票日は4月21日)の改選により自動的に廃案になる。

区議(16名)の採決判断

2018年に羽田新ルートに係る請願・陳情の採決に係った区議16名の判断を踏まえ、「羽田新ルート推進派」「羽田新ルート反対派」「中途半派(端)」に区分して、プロフィールと共に整理しておいた。

※敬称略。

羽田新ルート推進派(10名)

自民党・子ども未来

  • 渡部茂(幹事長):3期、東京農業大学卒、52歳
  • 高橋伸明(副政調会長):1期、東京工業高校卒、建築業、54歳
  • 大沢真一:4期、青学法卒、会社役員、60歳
  • 横山由香理:2期、日比谷高校卒、37歳
  • 渡辺裕一:3期、中央大学中退、45歳

公明党

  • 若林ひろき(幹事長):4期、創価大卒、57歳
  • あくつ広王(副幹事長):2期、創価大卒、44歳
  • たけうち忍(副幹事長):4期、私立市川高校卒、55歳
  • 塚本よしひろ:2期、創価大卒、54歳

国民民主党・無所属クラブ

  • 大倉たかひろ:2期、関東学院大卒、35歳
羽田新ルート反対派(4名)

共産党

  • 安藤たい作(副幹事長):3期、宮城教育大学卒、漫画家、44歳
  • 鈴木ひろ子(団長):5期、長野県公衆衛生専門学校卒、64歳
  • 石田ちひろ(副団長):2期、新東京歯科衛生士専門学校卒、43歳

無所属

  • 筒井ようすけ:1期、日大法科大学院卒、39歳
中途半派(2名)

国民民主党・無所属クラブ

  • 松永よしひろ(政調会長):2期、福岡大学院卒、37歳
    行財政改革特別委員会では毎回、自公と同様に「不採択」としたが、建設委員会では第13号請願以外はすべて「趣旨採択」とした。
    ※「趣旨採択」の意味は用語解説(後述)参照。

無所属

  • 西本貴子:4期、東京農工大卒、57歳
    7月2日の請願(1件:新ルート撤回)に対しては「採択」に賛成の票を投じておきながら、7月30日の陳情(2件:新ルート見直し)に対しては「継続審査」(採択に反対)票を投じた。区長選(9月30日投票)に羽田新ルート反対を掲げ出馬し、落選。区長選出馬は来年4月の区議選の宣伝活動を兼ねていたのか……。
    ※参考記事「羽田新ルート|品川区長選挙 各候補者スタンス

用語解説(請願と陳情の違いなど)

議会で使われている言葉は、門外漢にはよく分からないことがある。特に採決に係る用語を以下にまとめておいた(「江戸川区議会|議会用語の解説」などを参考にした)。

  • 【請願と陳情の違い】
    請願には議員の紹介が必要。陳情は議員の紹介は不要

  • 【採択】
    請願、陳情の内容について、願意が妥当であり、実現可能である場合に議会として、その請願、陳情に対して賛同する意味で「採択」という表現で意思決定する

  • 【不採択】
    「採択」の反対の意味で、請願、陳情の内容について、願意が妥当でなく、実現可能でない場合に議会として、その請願、陳情に対して賛同しない意味で「不採択」という表現で意思決定する

  • 【趣旨採択】
    請願、陳情の願意は妥当であるが、その実現性について、当分の間は不可能である場合、「趣旨には賛成である」という意味の議決をいう。

  • 【継続審査】
    委員会に付託された案件について、当該会期中に審査が終了せず、議会閉会中も引き続き審査を行うことをいう。委員会が継続審査を求めるときは、本会議の議決が必要。

  • 【委員長決裁】
    採決を行って可否同数となった場合に、委員長自身がその議案の可決・否決を決めることをいう。

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