21年第2回定例会本会議(6月)の代表・一般質問において、羽田新ルート問題はどのくらい取り上げられたのか?
これまでブログ記事に投稿してきた都議会・各区議会の質疑応答をもとに整理しておいた。
※羽田新ルートが通過する13区の区議会と都議会を対象とした。
羽田新ルートの質疑があった8区議会
※以下、敬称略
港区議会(自民2、みなと1、共産1)
- 黒崎(自民):改めて地方空港への分散化を強く要請していただきたい
- 区長:飛行ルートの分散化等について国に対し強く要請をしてまいります
- やなざわ(自民):新たなルートを回避することをより強く求めてもよいのでは?
- 区長:検討を加速するよう強く要請をしてまいります
- 清家(みなと):固定化回避、どのように取り組んでいくつもりか?
- 区長:検討を加速するよう強く要請し、回答を求めてまいります
- 風見(共産):都心低空飛行ルートの運用中止
- 区長:更なる騒音対策・・・などの検討を加速するよう強く求めてまいります
⇒詳しくは、港区議会「21年第2回定例会」質疑応答
新宿区議会(立憲1)
- 三雲(立憲):海上上空を飛行し、離発着する経路へと戻すべき
- 区長:国の判断と責任において進めていくべきもの
⇒詳しくは、新宿区議会「21年第2回定例会」質疑応答
品川区議会(共産1、ネット1)
- 安藤(共産):区が国に求めるべきは固定化回避の検討ではなく、中止です
- 部長:中止する・しない、国が責任をもって判断
- 吉田(ネット):現時点でのルート案の検討案を地図に反映させてください
- 部長:引き続き国に要望してまいりたい
⇒詳しくは、品川区議会「21年第2回定例会」質疑応答
渋谷区議会(立憲1、共産1、れいわ渋谷1)
- 中田(立憲):ご意見のカード、全戸配布などをすることはできないでしょうか?
- 区長:国の責任において情報提供すべき
- 牛尾(共産):米軍ヘリの低空飛行の実態を把握しているのか?
- 区長:区では把握できません
- 金子(れいわ渋谷):緊急着陸時の新ルートの飛行は止めるように国に具申すべき
- 区長:運用時間外に新飛行ルートを利用したことはやむを得ない措置
⇒詳しくは、渋谷区議会「21年第2回定例会」質疑応答
中野区議会(立憲1)
- 檜山(立憲):中止を改めて国に求めていくべき
- 部長:技術的方策検討会の動向を注視
⇒詳しくは、中野区議会「21年第2回定例会」質疑応答
板橋区議会(共産1、社民1)
- 石川(共産):米軍低空飛行の危険性、どのように認識?
- 区長:低空飛行、その(危険性の)度合いは高くなるものと認識
- 五十嵐(社民):ズレは300mどころの話ではありません
- 区長:概ね想定の飛行ルート上で運用されている
⇒詳しくは、板橋区議会「21年第2回定例会」質疑応答
練馬区議会(共産1)
- 小松(共産):都心上空を避けるルートを真剣に検討するよう、区として求めるべき
- 部長:検討会の動きを注視していきます
⇒詳しくは、練馬区議会「21年第2回定例会」質疑応答
江戸川区議会(共産1)
- 大橋(共産):国際線減便のなか、羽田新ルートの中止を国に求めるべき
- 区長:国に新ルートの中止を求める考えはございません
⇒詳しくは、江戸川区議会「21年第2回定例会」質疑応答
羽田新ルートの質疑が無かった都議会と5区議会
羽田新ルートが通過するのに、本会議の代表質問・一般質問で羽田新ルートの問題が取り上げられていないのは都議会と5つの区(江東、目黒、大田、豊島、北)。
都議会と5つの区議さん仕事してますか?
「委員会で議論しているよ」と反論が聞こえてきそうだが、委員会の議論など区民には届かない。
※詳しくは、「羽田新ルート|一般質問以外の舞台での議論は存在していないも同じ」参照。
雑感
羽田新ルートを取り上げた議員数の推移
23区のうち羽田新ルートが通過するのは13の区。この13区につき、19年第1回定例会以降の本会議代表・一般質問で羽田新ルートを取り上げた人数の内訳を次表に示す。
渋谷・港・品川区議会の人数の多さが際立つ。一方、江東・目黒・中野区議会などはまるで他人事のようだ。羽田新ルートを推進している小池都知事のチルドレンである都民ファースト議員に支配されている都議会もヒドイ。
質疑応答文字数(≒質疑応答時間)の推移
当初、羽田新ルート問題を盛んに取り上げていた港・品川区議会ではやや勢いがなくなってきた。このことは質疑応答を書き起こした文字数(≒質疑応答時間)から読み取ることができる(次図)。
さらに言えば、20年3月から羽田新ルートの本格運用が開始されて以降、都議会と羽田新ルートが通過する13の区議会の定例会本会議では、羽田新ルートに係る文字数(≒質疑応答時間)の減少が著しかったが、直近では持ち直している。
一人当たりの文字数も減少していたが、直近では持ち直している。一部の本気の議員を除けば、取りあえず羽田問題を取り上げておく姿勢だけは支援者らに見せておこうという議員の姿勢を感じてしまうのは筆者だけか……。
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