羽田新ルートに関連しそうな契約情報につき、3つの段階(発注予定、入札公告、入札結果)に分けて整理しておいた。
※投稿24年3月30日(更新24年9月13日:NEW)
1.発注予定(見通し)段階
情報源
- 国土交通省 航空局:発注見通しの公表
- 国交省 東京航空局:発注予定(見通し)情報
2.入札公告の段階
情報源
※10日程度(?)経過した件名は表示されなくなる。
障害物の設置に伴う飛行の方式への影響確認に関する海外調査 ※NEW
入札公告(航空局)24年9月13日
提出期限 24年10月24日11時00分
履行期間:契約締結日の翌日から25年3月14日まで
※一般競争入札
履行内容等について
1.(3)履行内容等とは、下記に掲げる内容とする。
- 海外の障害物検証手法と障害物データベースの管理手法について調査
(調査項目:仕様書2.調査項目参照)- 調査内容について、報告書としての取りまとめ
空域管理の高度化に向けた空域の柔軟な使用に関する要件調査
入札公告(航空局)24年8月28日
提出期限 24年9月30日14時30分
履行期間:契約締結日の翌日から25年3月21日まで
※一般競争入札
発注概要:
- 海外動向調査(ユーロコントロール NMOC 及び MUAC 並びに FAA ATCSCC)
- 国内空域への導入に向けた調査及び提案
筆者注:「NMOC 及び MUAC 並びに FAA ATCSCC」は以下を意味している。
- NMOC (Network Manager Operations Centre)
ユーロコントロール(欧州航空航法安全機関)が運営するネットワーク管理オペレーションセンター- MUAC (Maastricht Upper Area Control Centre)
ヨーロッパの上層空域を管制するセンター- FAA ATCSCC (Air Traffic Control System Command Center)
アメリカ連邦航空局(FAA)が運営する航空交通制御システムのコマンドセンター
航空機騒音基礎データ作成作業
入札公告(航空局)24年8月19日
提出期限 24年9月19日10時00分
履行期間:契約締結日の翌日から25年3月27日まで
※一般競争入札
履行内容等について
(3)履行内容等とは、下記に掲げる内容とする。
- 本作業は、航空機騒音の影響範囲を予測するために必要な Lden プログラムの精度向上を目的とした航空機固有の騒音基礎データを作成するとともに、当該基礎データを使用した騒音コンター図の作成と実測値との乖離状況を確認するために行うものである。
羽田空港機能強化に係る情報提供・意見把握検討等業務
予定情報(航空局)
公示予定時期 24年1月下旬
※企画競争
業務概要
- 本業務は、2020年3月29日より羽田空港において運用が開始された新飛行経路の運用状況や、騒音・落下物対策に関する国の取組み等について、各種広告媒体を通じた情報提供を行うとともに、新飛行経路に対する住民の意見把握を行うものである。
入札公告(航空局)24年3月28日
提出期限 24年4月17日17時00分
履行期間:契約締結日の翌日から25年3月31日まで
※企画競争
本業務は、令和2年3月29日より羽田空港において運用が開始された新飛行経路の運用状況や、騒音・落下物対策に関する国の取組み及び羽田空港そのものの経済的重要性や機能強化のメリット等について、各種広告媒体を通じた情報提供を行うとともに、新飛行経路下の住民の意見把握を行うものである。
【参考メモ】
この業務は過去6年連続、企画競争を経て随意契約で博報堂が受注している。6年間の契約金額は総額16.8億円になる(次表)。
23年度に落札したのは東北新社。
※2020年東京五輪テスト大会をめぐる独占禁止法違反疑惑によって23年2月28日、東京地検特捜部は博報堂など法人6社、を独占禁止法違反の罪で起訴。その結果、博報堂はこの業務の入札日( 23年3月27日)を含む期間、国交省から入札への指名停止措置(23年3月6日~12月5日)を食らっていたのである。
※情報開示請求によって解明された「羽田空港機能強化に係る情報提供・意見把握検討等業務」に係る下記記事もご参照。
- 契約関係書類(企画提案書、企画提案に関する評価結果、特定通知書、非特定通知書、請負契約書、予定価格調書)
- 解明!20年度【決裁文書編】、【報告書編】
3.入札結果の段階
情報源
※以下、概ね公告日の新しい順。
空港周辺における安全かつ効率的な運航を実現するための測位衛星を活用した新たな出発方式等に関する調査
入札公告(航空局)24年8月9日
提出期限 24年9月11日15時30分
履行期間:契約締結日の翌日から25年3月21日まで
※一般競争入札
業務内容等について
1.(3)業務内容等とは、下記に掲げる内容とする。
- 欧米等において導入が検討/運用が行われている新たな出発方式等に関して、文献調査、ヒアリング調査による情報収集等を行い、我が国の安全対策の検討・運航承認基準の策定に係る検討を実施する。
一般財団法人運輸総合研究所が14,900,000円で落札(91.7%)。
既存技術を応用した CNS 高度化に関する要件調査
入札公告(航空局)24年7月8日
提出期限 24年8月6日14時00分
履行期間:契約締結日の翌日から25年3月21日まで
※一般競争入札
業務内容等について
1.(3)業務内容等とは、下記に掲げる内容とする。
- 我が国の航空需要は、コロナ禍後の需要回復により今後も増大していくと想定されている。将来的な交通量の増大に対応するためには、さらに高度な航空管制を実現する必要あるが、同時にそれを支えるためのインフラである CNS(通信・航法・監視)技術も高度化していく必要がある。
- CNS それぞれの分野において、既存装置の性能向上、もしくは現在未導入の新技術を応用することによる機能拡張について、その導入可能性を検討するとともに、導入のための要件整理及び実現性の検証、技術的課題の整理等を実施する。
一般財団法人航空保安無線システム協会 が52,000,000円で落札(97.4%)。
令和6年度東京国際空港施設整備計画検討調査
入札公告(航空局)24年6月28日
提出期限 24年7月31日15時00分
履行期間:契約締結日の翌日から25年3月7日まで
※一般競争入札(総合評価落札方式)
業務内容等について
1.(3)業務内容等とは、下記に掲げる内容とする。
本業務は、東京国際空港(羽田空港)が抱える用地内に多様な機能の存在による狭隘化等の課題解決を図るため、土地の有効利用に関する検討やヒアリング、整備調整資料作成、整備工程の検討などの調査を行うものである。
- 1.長期的な施設配置の検討
- (1)羽田空港の空港施設の利用状況・課題・ニーズの整理
- (2)機能強化の方向性の整理
- (3)羽田空港の機能強化方策の検討
- (4)羽田空港の段階整備計画の検討
- 2.整備調整資料等の作成
- (1)ターミナル整備、RX 跡地利用、バスプール整備
- (2)人工地盤の整備
- (3)西側エプロン改良事業
- (4)ランナップ用防音壁
令和6年度東京国際空港施設整備計画検討調査設計共同体(代表者:株式会社日本空港コンサルタンツ)が22,500,000円で落札(94.9%)。
首都圏空港の運航実態調査
入札公告(航空局)24年6月24日
提出期限 24年7月25日14時00分
履行期間:契約締結日の翌日から25年3月21日まで
※一般競争入札
発注概要:
- 滑走路占有時間の計測
- 滑走路処理能力の算出
- 深夜早朝時間帯の実態調査 等
一般財団法人航空保安研究センターが、22,100,000円で落札(92.6%)。
※22年度、同件名を一般財団法人航空保安研究センターだけが応札し、1,610万円(96.4%)で落札している。内容については、「解明!22年度「首都圏空港の運航実態調査」【報告書編】」参照。
管制業務処理規程・飛行方式設定基準改正に係る支援業務
入札公告(航空局)24年6月10日
提出期限 24年7月10日11時00分
履行期間:契約締結日の翌日から25年3月21日まで
※一般競争入札
履行内容等について
1.(3)履行内容等とは、下記に掲げる内容とする。
航空保安業務第 5 管制業務処理規程及び飛行方式設定基準に係る改正検討のため、関連する国際民間航空機関(以下、「ICAO」という。)基準等改正の情報収集、日本語への翻訳及び検討会議の支援業務を行うこと。
- 1.ICAO 基準等改正に係る情報収集、資料作成及び日本語への翻訳
- 2.米国連邦航空局及び欧州航空航法安全機構等の諸外国における管制業務及び飛行方式設計に関する情報収集及び日本語への翻訳
- 3.改正に係る検討会議の支援業務(資料準備、会議招集、有識者招聘等)
- 4.成果物の作成(収集した情報、日本語へ翻訳したもの及び報告書)
株式会社レイメイが、7,300,000円で落札(96.6%)。
東京国際空港航空機騒音測定局設置適地調査
【再度公告】(東京航空局)24年6月6日
提出期限 24年7月4日14時30分
履行期限:24年9月30日まで
※競争参加資格が「C又はD等級」から「A、B、C又はD等級」へと拡大された。
入札公告(東京航空局)24年5月20日
提出期限 24年6月19日11時00分
履行期限:24年9月30日まで
※一般競争入札
発注概要:
本調査は、現在航空機騒音測定局を設置している渋谷区広尾中学校が校舎建替えのため、将来的に使用不可となり、測定局の移設が必要となるため、東京国際空港周辺の航空機騒音を効率的かつ的確に測定できる移設場所を検討するものである。
【調査内容】
- (1) 候補地点騒音測定
- (2) 航空機騒音測定局設置検討・適性評価及び設置計画報告書作成
日本音響エンジニアリング株式会社が、1,800,000円で落札(80.5%)。
【再度公告】東京国際空港周辺航空機騒音測定局2式の更新(製造・調整)
入札公告(東京航空局)24年5月27日
提出期限 24年6月25日13時30分
履行期間:契約締結日の翌日から25年7月28日まで
※一般競争入札
(2) 引渡場所
- 八重原小学校、大森第五小学校
(3) 履行内容等
- 入札説明書及び仕様書による
※「入札説明書及び仕様書」が公開されていないので詳細は不明だが、「引渡し場所」情報から更新対象が2校(八重原小学校、大森第五小学校)の測定局であることは分かる。
日本音響エンジニアリング株式会社の第2回目入札額8,000,000円(102.7%)が不調になったため、8,360,000円(税込み)で契約。税抜き7,600,000円(97.5%)。
東京国際空港周辺航空機騒音実態調査
入札公告(東京航空局)24年5月7日
提出期限 24年6月10日14時30分
履行期限:25年3月21日まで
※一般競争入札
発注概要:
- 本調査は、東京国際空港周辺(東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県内)における航空機騒音の発生状況の実態を把握し、今後の環境対策及び地域への情報提供のための基礎資料とするため、東京国際空港周辺において航空機騒音の短期的な測定を実施するものである。
- 【調査内容】
測定回数は年2回、測定日数は連続する7日間、測定地点は25箇所とし、測定地点ごとに WECPNL、Lden 値を算出した上、分析する。
株式会社建設技術研究所が、21,890,000円で落札(83.4%)。
【参考メモ】
この業務は過去4年連続、日本音響エンジニアリングが落札している(次表)。
22年度は2社のうち1社辞退、23年度は1社入札。しかも、年々落札率が上昇傾向。ところが、24年度は日本音響エンジニアリング以外が落札。このブログの影響か……。
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