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羽田新ルート|中野区議会「21年第2回定例会」質疑応答

中野区議会「21年第2回定例会」本会議の一般質問(6月2日)で、羽田新ルートに関して、檜山隆 議員(立憲)の質疑応答があった。

議会中継(録画)をもとに、テキスト化(約2千500文字)しておいた。


もくじ

檜山隆 議員(立憲)

檜山隆 議員(立憲)

檜山隆 議員(立憲民主党、区議2期、元長妻昭秘書、慶応院卒、37歳)

次に、羽田空港の新飛行ルート問題について質問いたします。
国は、羽田空港機能強化の名のもとに、都内上空を超低空で飛行する新ルートの運用を昨年の3月から開始しました。

この新飛行ルートには南風の場合の15時から19時までの約3時間について、中野区上空を通過するものが含まれております。新ルートによる飛行が始まって以来、地元の皆様からは「飛行機の音がうるさい」「予想以上の大きさに圧迫感を感じる」「子供が怖がっている」といった多くの声が寄せられております。


この問題については、これまで議会の場において取り上げ、また我が会派としても要望書を提出するなど、一貫して計画の見直しを求めてまいりましたが、運用から1年が経過し、改めて区の考え方をお聞きいたします。

問1:環境省が定める航空機騒音に係わる環境基準に合致?

まず、騒音の問題についてです。
令和元年決算特別委員会における私の質問に対するご答弁では、「機種によって異なるという前提で航空機が中野区上空を通過する際には58dBから70dB程度の騒音が発生する」とのことでしたが、この間の事前の説明を上回る騒音が発生した事例の有無について、またそれらは環境省が定める航空機騒音に係わる環境基準に合致したものなのか、答弁を求めます。

問2:中野区上空を通過する飛行ルートの実態?

次に、ルートの問題です。
この間、複数の区民の皆様から「説明会で示された飛行ルート図の真下に自宅はないはずなのに、自宅の真上を飛行機が飛んでいる」といった声が寄せられました。


国は羽田空港の新飛行経路の運用に伴う事項等について、新飛行経路の航跡図も含め、ホームページで公表するとしておりますが、中野区上空を通過する飛行ルートの実態はどうなっているのか、答弁を求めます。

問3:問い合わせがこれまで何件?

今回の新飛行ルートは、騒音の他にも落下物や万が一の重大事故など、様々な懸念が指摘されております。

今年の2月には、アメリカのコロラド州で航空機のエンジントラブルによって巨大な落下物が次々と住宅街に落下するという事故が実際に発生し、のちに我が国大手航空会社においても、同じタイプのエンジンを搭載した航空機があることが明らかとなりました。

また、航空機が離陸してから上昇中の3分間、そして着陸に向けて降下中の8分間、これらを合わせた11分間は航空機事故の大部分が、この時間帯に発生していることから「魔の11分」と呼ばれています。中野区上空を通過する時間帯は、まさにこの「魔の11分」に含まれております。


コロナ禍において、多くの区民が様々な困難や不安を抱えながらの生活を余儀なくされる中、それに追い討ちをかけるような現在の新飛行ルートは到底受け入れられるものではありません。

新飛行ルートを開始以来、区にはどのような問い合わせがこれまで何件寄せられたのか、答弁を求めます。

問4:中止を改めて国に求めていくべき

国交省は騒音軽減に向けた有識者会議を立ち上げ議論を進めるとのことですが、人口が密集している市街地をここまで低空で飛ぶのは世界に例がなく、中野区としては、現在の新飛行ルートの見直し、あるいは中止を改めて国に求めていくべきであると考えますが、区の答弁を求めます。

環境部長

環境部長

答1:環境基準には適合しています

私からは、羽田空港の新飛行ルート問題についてのご質問にお答えいたします。

まず、環境省が定める環境基準についてでございます。区内の騒音測定における実測値の平均は令和3年2月までの実績で64.3から71.1dBであり、中型機については推計値を1から4dB上回っています


航空機騒音の環境基準値は用途地域によりまして、57dB以下または62dB以下となっていますが、測定評価に当たっては1日に発生した全ての航空機騒音の曝露量に、夜間の時間帯は重みづけした上で平均する方法を用いています。

中野区上空を航空機が通過する時間帯は15時から19時までに限定されており、令和3年2月までの平均は39.3dBであることから、環境基準には適合しています

答2:(新)経路以外に中野区の上空を飛行、国土交通省に確認

次に、中野区上空を通過する飛行ルートについてでございます。
新飛行経路は基本的に南風時にAまたはC滑走路に着陸する航空機が中野区上空を夕方3時間程度飛行しています。

この経路以外に今年4月に北風時にC滑走路から北向きに離陸した航空機が北区あたりから西側を飛行し中野区の上空を飛行したことがあったことを国土交通省に確認をしております

答3:区には61件の問い合わせや苦情

続いて、新ルート運用開始以降のお問い合わせについてでございます。
令和2年3月29日の新ルートによる運用開始以降、令和3年5月末までの間、区には61件の問い合わせや苦情が寄せられております

内容は騒音に対する苦情や落下物への不安、航空機の飛行高度、新ルートの問い合わせなどでございます。 

答4:技術的方策検討会の動向を注視

最後に、新飛行ルートに関する国への見直し等の要望についてでございます。
国は新飛行経路の運用にあたって騒音の測定を行い、落下物の防止に努めていることから、区としましては、現在国が実施をしています「羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会」の動向を注視していきたいと考えております。

雑感(檜山議員の「中止」発言に違和感…)

檜山隆 議員(立憲)の「新飛行ルートの見直し、あるいは中止を改めて国に求めていくべき」という発言を聞いて違和感を覚えた。なぜならば、羽田新ルートに係る立憲民主党の基本スタンスは容認だからだ(過去4年間の都議会での立憲民主党議員の発言を踏まえ、筆者はそのように判断している。20年10月8日の都議会本会議で、羽田新ルートの中止・撤回を求める陳情2件に対して、立憲民主党は自公・都民Fとともに不採択(≒却下)に賛成票を投じた事実もある)。

 

ちなみに、檜山隆 議員(当時は民進党)が過去の本会議一般質問で羽田新ルートに触れたのは16年11月25日。このときはまだ「見直し」止まりであった(撤回ではない)。

中野区としては、今回示された新ルートの見直しを国に求めていくべきであると考えますが、これに対する区の見解をお示しください。

(15年11月25日 第4回定例会本会議 一般質問)

 

「固定化回避」に絡めて「見直し」発言をする立憲議員は観測されるものの、本会議の場で「中止」「撤回」にまで踏み込んだ議員は少ない(少ない事例として、渋谷区議会20年9月10日第3回定例会小田浩美 議員の見直し・撤回発言)。

 

立憲民主党東京都連合会が5月31日に発表した都議選の公約では「固定化を避けるための取り組みを早急かつ具体的に進め、見直しを図るよう国に対して求めていきます」としているが、羽田新ルートそのものに反対していているわけではない。羽田新ルートに対して曖昧戦略を取っている立憲民主党にとって「固定化回避」は、とっても都合のいい表現なのだが、そのことを知ってか知らずか「中止」を叫んでいる都議選候補者もチラホラ……。

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