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羽田新ルート|板橋区議会「21年第2回定例会」質疑応答

板橋区議会「21年第2回定例会」本会議の一般質問(6月1日、2日)で、羽田新ルートに関して、石川すみえ議員(共産)、五十嵐やす子議員(社民)の質疑応答があった。

議会中継(録画)をもとに、テキスト化(約2千文字)しておいた。

※時間のない方は「質疑応答のポイント」と最後の「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

石川議員(共産):米軍低空飛行の危険性、どのように認識?

石川すみえ議員
石川すみえ議員(共産党、区議1期、日本女子大院卒、37歳)

最後に米軍の都心低空飛行の危険性について質問します。
毎日新聞の調査によると、日本の航空法が定める最低安全高度以下、しかも建物の下や建物スレスレの異常な低さで米軍機が平然と日常的に飛行していることが明らかになりました。
なかには、まるで軍事訓練や遊覧飛行と見られる危険な飛行を繰り広げている実態が捉えられ、動画によって記録されています。


日本の航空法が最低安全高度を定め、それよりも高く飛ぶことを規定しているのは事故や故障が生じた際、地上に危険を及ぼさず、不時着するのに必要な高さを保つためです。

だからこそ、1999年の日米合同委員会合においても、この高度基準を在日米軍も採用し、特に人口密集地域などには妥当な考慮を払うことを確認しています。


ところが今回、東京都下で日米合同委員会合意さえ、平気で踏みにじる米軍ヘリによる超低空飛行が繰り返されていることがわかりました。

全国知事会は2018年に日米地位協定を抜本的に見直し、航空法や環境法令などの国内法を原則として米軍にも適用させることや、事件・事故等の自治体職員の迅速かつ円滑な立入の保障などを明記することを求めています。そこで区長に伺います。


米軍低空飛行の危険性について、どのように認識していますか。お答えください。

区長:低空飛行、その(危険性の)度合いは高くなるものと認識

坂本健 板橋区長
坂本健 板橋区長(4期、日大院卒、61歳)

最後のご質問となります。米軍の都心低空飛行の危険性についてのご質問であります。

航空機の運航には危険性が伴うものでありまして、23区や人口集中地域、高層建築物の周辺において低空飛行においては、その度合いは高くなるものと認識しております。


米軍機に対する航空法等の適用除外に関する問題につきましては、日米両政府において行われる協議の動向を注視していきたいと考えています。

五十嵐議員(社民):ズレは300mどころの話ではありません

五十嵐やす子議員(社民)
五十嵐やす子議員(社民党、区議3期、共立女子大院卒、56歳)

羽田新ルート運用が始まり、1年以上が経ちました。当初から心配されていた南風時のAルート、Cルートの騒音だけでなく、羽田から離陸した飛行機がエンジンを吹かしながら板橋区上空を横切っていく音が朝から響いています。


国交省が開催したオープンハウス型説明会ではルートからズレた場合でも左右に150m、300mほどの幅であるとの説明でした。しかし、常盤台駅上空を飛ぶCルートの飛行機は大山の上空や上板橋駅に近いところを飛んでいたりと、そのズレは300mどころの話ではありません


影響があるからとルート下の地域で説明会を行いましたが、ルート下ではないとされ、説明を受けていない方達も生活に影響を受けています

この2つに対して区はどのようにお考えでしょうか。


当初示されていたルートから外れている地域の賃貸契約にも羽田新ルートに伴う騒音などについての特約事項が書き込まれています。区内の環境、個人の財産への影響が出ていることに対して、区はどのようにお考えでしょうか。

また、騒音の問題に付随して落下物などの危険性も否定できません。板橋区の見解をお伺いいたします


国交省が作った「羽田空港のこれから」ご意見募集係への「専用ハガキ」が都市計画課、環境政策課の窓口に置いてあります。しかしこの存在を知らなければ利用できません。ルート下にある区の施設の窓口にも置き、広く区民の意見を届けられるようにしてほしいと思いますが、いかがでしょうか。

区長:概ね想定の飛行ルート上で運用されている

坂本健 板橋区長

それでは、五十嵐やす子議員の一般質問にお答えいたします。
最初は、羽田新ルートに関連いたしまして、飛行ルートのズレについてのご質問であります。


航空機の飛行ルートにつきましては、気象状況や他の航空機との安全な間隔確保など、管制運用上やむを得ず想定ルートから外れて運航する場合がございます。

これまで国土交通省が公表している資料等から、概ね想定の飛行ルート上で運用されていることを認識をしておりますが、今後も飛行状況や影響等について注視をしていきたいと考えています。


次は、羽田新ルートの運用に伴う騒音や落下物の危険性についてのご質問であります。

区はこれまで、国土交通省による騒音・落下物対策や説明会開催、情報提供等に対し、一定の理解を示した上で、さらなる対策や区民への丁寧な説明を要望してまいりました。


引き続き区民の不安や疑問の声を真摯に受け止める総合窓口として対応し、寄せられた区民の声を伝えていくと共に、国土交通省に対して適宜改善を要望していきたいと考えています。


次は、ハガキの設置場所についてのご質問になります。

国は、羽田空港の機能強化に関する資料、国や区のホームページ、定期的な広報紙に掲載して周知を図るとともに、住民の意見や要望等の募集を行っております。

ご指摘の意見募集のハガキがその一つでありまして、現在その件について、問い合わせの対応が可能な職員が在籍する区の担当部署の窓口に備えております。

今後、意見や要望等の件数、動向を踏まえつつ、広報活動のなかにおいて、区民の意見等を国に伝える工夫を考えてまいりたいと思います。

雑感

これまで板橋区議会の定例会本会議一般質問で、羽田新ルート問題はあまり取り上げられてこなかった。18年以降取り上げたのは、今回を含め4人。

19年第3回定例会(9月25日)で荒川なお議員(共産)がチョコっと取り上げたあと、20年第3回定例会(9月23日)で石川すみえ議員(共産)がチョコっと。そして今回、再び石川すみえ議員(共産)が8項目の質問の最後にチョコっと質問(しかも、米軍ヘリ問題として)。五十嵐やす子議員(社民)は3項目の質問(羽田新ルート、コロナ禍支援、憲法)の最初に羽田新ルートを持ってきたことを評価すべきか……。

 

筆者の独自調査によれば、羽田新ルートの騒音の影響を受ける可能性があるのは板橋区民の3割(17万人)。板橋区議会においては、羽田新ルートの議論はもっと盛んに行われてもいいのでは。

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2021年6月1日、このブログ開設から17周年を迎えました (^_^)/
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