港区議会の「21年第1回定例会」本会議一般質問(2月18日)で、羽田新ルートに関して、福島宏子議員(共産党)の質疑応答があった。
議会中継(録画)をもとに、全文テキスト化(約900文字)しておいた。
※時間のない方は「質疑応答のポイント」と「雑感」をお読みいただければと。
福島議員(共産):運用中止をキッパリと国に求めるべき
福島宏子議員(共産党、区議1期、聖徳学園保育士専門学校卒、保育士、54歳)
羽田新飛行ルートの中止を国に求めることについてです。
去年の2月に初めて試験飛行が行われて1年が経過します。私の勤めていた「みつばち保育園」の子供たちは、ちょうど節分の時期と重なったこともあり、低空飛行の飛行機の音を聞いて、「空から鬼が来た」と泣き出しました。
現在、作成中の「港区基本計画」や「環境基本計画」に対する区民意見でも、「飛行機の住宅上空飛行の中止要請を盛り込んでほしい」「閑静な住宅街の死守、安全な暮らしの確保を最優先の施策として位置づけてほしい」「絶え間なく続く騒音、飛行機からの落下物・墜落への不安など、低空飛行によって直接影響・被害を受けるのは、多くの区民であり、区内に働き・学ぶ人たち。従来の海上ルートに戻すべき」など、多くの区民が中止要請を求めています。国に対する港区の姿勢が問われています。
「羽田新経路の固定化会議に係る技術的方策検討会」がこれまでに2回開かれましたが、固定化回避については何も触れられていません。また、国交省が出したパンフレットには「降下角の引き上げが騒音軽減効果をもたらした」「パイロットへのヒアリングでは、安全上問題ない」とありますが、事実と異なり、区民の声は全く無視され続けています。
区長がこれまでも「国に強く求めてまいります」と答弁しており、所信表明では「誰もが住みやすく、地域に愛着と誇りを持てるまち・港区をつくり上げる」と謳っています。羽田新飛行経路の運用中止をキッパリと国に求めるべきです。答弁を求めます。
区長:飛行経路の様々な運用などを検討するよう国に強く求めてまいります
武井雅昭 港区長(無所属、5期、元港区民生活部長、早大政経学部卒、68歳)
羽田空港新飛行経路の運用中止を国に求めることについてのお尋ねです。
区は新飛行経路の運用に伴い、区独自の騒音測定を区内複数か所で2回実施いたしました。
また、昨年の5月および9月には、区民の不安の声や騒音測定の分析結果を国に示し、騒音対策や安全対策、飛行経路の様々な運用等の検討を要請をいたしました。
国はこうした区の要請や区民の不安の声等を受け、現在、「羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会」を設置し、固定化回避に向けた検討を進めています。
区は引き続きさらなる騒音対策や安全対策、新ルートに限らず、飛行経路の様々な運用などを検討するよう国に強く求めてまいります。
雑感(港区共産党議員団はブレていない)
他の区議会本会議では共産党も含めて、代表・一般質問で羽田新ルート問題を取り上げる議員が減ってきている。
そんななか、港区共産党議員団(3名)は「撤回」一筋。ブレてないことだけは高く評価できる。
- 20年定例会
第4回:福島議員「都心低空飛行を直ちに中止するよう国に声を上げること」
第3回:風見議員「都心低空飛行ルートの中止を国に求めること」
第2回:福島議員「中止・撤回を国に求めること」
第1回:風見議員「都心上空の飛行計画の撤回を国に要請すること」 - 19年定例会
第4回:熊田議員「低空飛行計画の見直しを国に求めるべき」
第3回:福島議員「新ルートの運用開始決定を撤回するよう国に求める」
第2回:福島議員「計画撤回を求めること」
第1回:風見議員「計画の徹底を申し入れること」
ただし、武井区長も「国に強く求めてまいります」と、役人が準備した原稿の棒読みに徹している姿勢はブレていない。
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