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羽田新ルート|港区議会「19年第2回定例会」質疑応答

港区議会の「19年第2回定例会」本会議で代表・一般質問(6月20日)で、羽田新ルートに関して、うかい雅彦議員(自民党)、福島宏子議員(共産党)の質疑応答があった。

議会中継(録画)をもとに、全文テキスト化(約4千300文字)しておいた。

※以下長文なので、時間のない方は「質疑応答のポイント」と「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

うかい雅彦議員(自民)

うかい雅彦議員(自民)
うかい雅彦議員(自民党、区議4期、専修大学経済学部卒、60歳)

うかい:5月26日港区上空を飛ぶ旅客機を私は見ました

はじめに、羽田空港の機能強化についてお伺いいたします。

試験飛行について
まず、試験飛行についてです。
今回の港区議会議員選挙において、羽田空港の機能強化については、私の選挙事務所にまで問い合わせがあり、今回の選挙の争点の1つとされたと言えると思います。

そういった皆さんの意を受け、山田美樹衆議院議員(自民、3期)にお願いして、5月13日に衆議院第2会館において、国交省の担当者と高輪地区の町会長、自治会長との意見交換を行いました。会長だけではなく、各会の羽田に関して動かれている方々を含め16名が出席をして、まず国交省の説明を聞き、その後、質疑が行われました。

その中での住民の声を聞けば、「1度、試験飛行を行えないのか」との声が強く、「実際に飛ばせないものなのか」と国交省に対して質問が出ましたが、国交省からは「羽田の管制システムが完成しないと難しい」との回答でありました。

そこでお伺いしたのですが、本年5月26日の18時45分ごろに、港区上空を飛ぶ旅客機を私は見ましたしっかりと機影が見えましたが、音は遠くで雷が鳴っている程度に聞こえましたが、高度はどのくらいであったのでしょうか。
このフライトについての状況を教えていただきたいことと、1つの参考事例として、このことを区民に公開すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。

日本の航空政策について

次に、今後の日本の航空政策についてお伺いいたします。
今回の意見交換の中でも、来年のオリンピック・パラリンピックまでの間の増便ということであるならば、まだ受け入れられるとの区民の声が多いわけであります。

それ以降も観光客の増加を目指していくのであるならば、羽田の滑走路の延長や空港の再整備が求められるわけであります。

また、ふるさと納税における我が区への影響がなる大きくなるなかで、本来の地方の活性化を考えるのであるならば、地方空港への発着枠を増やし、もっと多くの観光客が地方を訪れる施策を国が考えるべきではないかと考えます。

ふるさと納税による流出額が40億を超えると見込まれる我が区として、本来あるべき地方活性化について、国に対して要請していくべきであると考えますが、区のお考えはいかがでしょうか。

私たち自民党議員団は国政与党会派として、この羽田空港機能強化については、区民の皆様の声をしっかりと受け止め、これからも国交省へ働きかけてまいります。

区長:着陸をやり直すため、港区南西部の上空を約900mの高度で北西方向に飛行

武井雅昭 港区長
武井雅昭 港区長(無所属、4期、元港区民生活部長、早大政経学部卒、66歳)

最初に、羽田空港機能強化についてのお尋ねです。
まず、「港区上空を飛行した飛行機の状況と区民への公開について」です。

本年5月26日の夕方の旅客機について、国土交通省に確認したところ、「着陸やり直しのため、区内上空を飛行した」とのことです。当該機は空港内の滑走路点検のため臨時の滑走路閉鎖を行ったことから、着陸をやり直すため、港区南西部の上空を約900メートルの高度で北西方向に飛行しました。

着陸やり直しなどの情報について、国は区民からの問い合わせには対応しておりますが、広く公開するよう要請をしてまいります。

次に、「地方の活性化につながる航空政策を国に要請することについて」のお尋ねです。
国は地方空港への国際線の就航については、収益性の点などで課題があるとすると一方で、地方の主要空港でも訪日外国人の空港利用者数が伸びており、今後これらを活用しながら航空ネットワーク全体で効率よく訪日外国人増加に対応していくとしています。

地方空港のさらなる活用など、多くの観光客が地方に訪れる施策や、地方の発展に寄与する航空政策の検討について、様々な機会をとらえて国に対し要請をしてまいります。

福島宏子議員(共産)

福島宏子議員(共産)
福島宏子議員(共産党、区議1期、聖徳学園保育士専門学校卒、保育士、52歳)

福島:港区として試験飛行の実施を国に求めること

最後に、羽田低空飛行計画の撤回を求め、区長に改めて質問をいたします。

羽田空港の機能強化をめぐり、区民の命と暮らしは危機に直面しています。この計画は、これまでの羽田空港のあり方を180度転換し、原則として行えなかった都心の低空飛行を解禁するわけですから、すべての区民に納得が得られるまでの十分な説明が必要だと考えます。

今年2月に区内5か所で説明会が開催されました。どの会場でも、計画撤回を求める区民の声ばかりが聞かれ、賛成の声はありませんでした

麻布地区では六本木の米軍ヘリ基地を使うヘリコプターとのニアミスの危険を危惧する声が上がり、芝地区では着陸態勢に入る際、飛行機の脚を出す作業を港区上空で行うと明らかになりました。

また、すべての会場で、「試験飛行を実施すべき」の声が多く上がりました

参加人数の最も多かった高輪地区では、質問希望者を多く残したまま時間切れで打ち切られました。国交省は改めて正しい情報を区民に知らせる義務があります。

港区の住民などで構成する「みなとの空を守る会」のアンケート調査では、「計画を中止してほしい」が85%です。4月6日、「高松桜まつり」で同会が取り組んだシール投票では、「低空飛行計画反対」が470票。「賛成」はわずか2票。「どちらとも言えない」が5票でした。これで「住民の理解を得た」といえるのでしょうか。

住民無視で計画が強行されれば、それは民主主義に反する暴挙です。何かあってからでは遅いのです。

説明会で港区は「国に対し、騒音や落下物防止対策、不動産価値変動調査、試験飛行の早期実施を要請している」と答えました。
区長も「国に対し、情報提供や安全・安心、生活環境を守る対策等について、積極的に取り組むよう強く要請している」と答え、先日の臨時会では、「誰もが安全・安心に夢と希望を持って暮らせる、躍動感に満ちた活力ある港区の実現を目指す」と述べられました。

この計画は安全・安心であるとお考えですか。

国交省の騒音の推計値は、高度900メートルで70dBとあります。しかし、この数値が設定された条件は、晴れの日、気温25度、無風、大気圧1だったのです。
天候の悪い時は同じく高度900メートルでの最大騒音レベルは78.1dBと、国が示した値より8dB上回る結果です。東京都環境局は、「8dBの音の差は、音の大きさだと6.4倍になる」といいます。

港区上空は高度450メートルから600メートルで、国交省の推計値では75dBとあります。悪天候の時は80dBを大きく上回ることになります。なぜ、最大瞬間騒音値が問題かというと、健康に悪影響を及ぼすからです。

騒音研究の第一人者、北海道大学の松井利仁教授は、「大きな音こそ睡眠を妨げ、睡眠障害を引き起こし、心筋梗塞や脳卒中を引き起こす要因になる。また、乳幼児はお昼寝が欠かせず、寝てから90分の間に成長ホルモンが出るが、この時に睡眠を妨害されると、その後いくら寝ても成長ホルモンが出ない。騒音により乳幼児の発育に影響が出てもおかしくない」と指摘します。

騒音による健康被害は世界でも研究が進められ、WHOも是正勧告を出しています。

質問です。

  • 区長は国際競争力の強化と区民の暮らし、安全、命を守ることのどちらが大切だとお考えですか。
  • 2、区長から国土交通省に計画撤回を求めること
  • 3、港区として試験飛行の実施を国に求めること
  • 4、教室型説明会を再度全地区で行うこと。昼夜の時間帯で行い、多くの区民に参加を促すこと

それぞれ答弁を求めます。

区民の民意は、低空飛行計画の撤回です。都内12の自治体で、羽田低空飛行計画の撤回を求める住民の会が発足しています。

今年3月には、品川区議会で羽田新ルートを容認できないとの決議が全会一致で可決され、渋谷区議会でも計画見直しを求める意見書が上がりました。

私はどうしてもこの計画を許すわけにはいきません。最後の最後まで諦めず、計画を撤回に追い込むまで、区民の皆さんと力合わせて頑張り抜きます。
答弁によっては再質問することを申し述べて、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

区長:本年1月に区から文書で国土交通省へ要請をいたしました

武井雅昭 港区長
武井雅昭 港区長

次に、羽田空港への新飛行経路案についてのお尋ねです。
まず、「国際競争力の強化と区民の暮らしや安全、命を守ることについて」です。
国は国際競争力の強化は首都圏や地方の成長発展への大事な役割を果たすとしており、都心から近い羽田空港の強みを生かし、ビジネスや観光がよりしやすくなるとしております。

これに対し区は、区民の安全・安心と生活環境を守る立場で対応してまいります。区はこれまでも、国の責任において騒音や落下物等の対策に真摯に取り組むよう、国に強く要請してまいりましたが、引き続き、区民の安全・安心や生活環境を守る取り組み等を求めてまいります。

次に、「計画の撤回を国に求めることについて」のお尋ねです。
羽田空港の機能強化に関する計画については、国の責任において、区民等に丁寧な説明を行い、十分な理解を得て検討を進めるべきものと考えております。
区は計画の撤回を国に申し入れることは考えておりませんが、今後とも区民の安全と生活環境守る立場から、区民へのきめ細かな情報提供を行うことなど、引き続き国に要請してまいります。

次に、「試験飛行の実施を国に求めることについて」のお尋ねです。
旅客機による試験飛行の実施については、区民からの要望等が多く寄せられていることから、本年1月に区から文書で国土交通省へ要請をいたしました。

国からの回答は、「試験飛行について、航空保安施設の整備等が終了しなければ実施できないため、試験飛行の要否については当該整備の状況、飛行検査の時期及び地方公共団体等からの要望等を勘案して慎重に判断することとしたい」としております。
試験飛行の実施については、引き続き国に要請をしてまいります。

最後に、「教室型説明会を再度各地区で開催し、多くの区民が参加できるようにすることについて」のお尋ねです。
教室型説明会の開催については、地域からの要望を踏まえ、国に要請をしておりますが、改めて各地区で説明会を開催することや、多くの区民が参加しやすい時間帯で開催するよう国に要請してまいります。よろしくご理解のほどお願いをいたします。

雑感

うかい議員(自民)、試験飛行の質問!?

冒頭で「試験飛行についてです」と言っておきながら、区長への質問は、議員本人が5月26日18時45分ごろに現認した港区上空を飛んだ旅客機のフライト情報の確認と、このようなフライト情報の区民への公開を求めることにとどまっている。けっして国に試験飛行を要請しているわけではない。

そして、話は抽象的な日本の航空政策に移る……。
共産党議員団、次の一手は…

前々回の定例会で大滝実議員(共産)は「予定航路下の住民に対しては小学校区ごとに説明会を開くこと」を提案し、2月の港区内5か所での教室型説明会の実現につながった(港区議会「18年第4回定例会」質疑応答)。

前回の定例会で、風見利男議員(共産)は、3つ提案し(説明会の民主的運用、地方航空の活用、新ルート撤回)、区長からは新ルート撤回以外は対応する旨の答弁を引き出した(港区議会「19年第1回定例会」質疑応答 )。

今回、福島宏子議員(共産)は、3つ提案し(新ルート計画撤回、試験飛行実施、教室型説明会の再度実施)、区長からは新ルート計画撤回以外は対応する旨の答弁を引き出した。ただ、仮に試験飛行と教室型説明会が実施されることになったとしても、羽田新ルート計画の撤回はもとより、見直される可能性は高まらないのではないか

次の一手が待たれる。 

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