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羽田新ルート|港区議会「19年第4回定例会」質疑応答

港区議会の「19年第4回定例会」本会議一般質問(11月27日)で、羽田新ルートに関して、清家あい議員(みなと政策会議)、熊田ちづ子議員(共産)の質疑応答があった。

議会中継(録画)をもとに、全文テキスト化(約3千文字)しておいた。

※以下長文なので、時間のない方は「質疑応答のポイント」と「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

清家あい議員(みなと政策会議)

清家あい議員(みなと政策会議)
清家あい議員(みなと政策会議、区議3期、青学国際政治経済学部卒、元産経新聞社会部記者、45歳)

清家:不動産価格への影響、区独自で調査を行って検証をするべき

最後に、羽田空港新ルートに関する区独自の調査についてお伺いします。
羽田空港新ルートに関して、前回の港区議会第3回定例会で、区議会として、ルートの固定化に反対する意見書を提出しました。港区としても「新ルートを容認したわけではない」と明言されています。


先日、国は、11月18日からスタートする第6フェーズの住民説明会について予定を公表し、配布資料についてもプレスリリースを行っています。その中で、飛行経路下の不動産価格への影響について、成田、伊丹、福岡の3空港を対象に調査を行っていますが、飛行経路が地価の下落につながることを示す因果関係を見出すことはできなかったと結論づけています。


しかし、港区などの都心とは、また状況が違うと思います。区民の不安とは反対の調査結果が出ているわけですが、こうしたケースについては港区も区民の安全・安心を守る義務のある基礎自治体として、区も独自で調査を行って検証をするべきではないかと考えますが、見解をお伺いします。

区長:引き続き国へ要請をしてまいります

武井雅昭 港区長
武井雅昭 港区長(無所属、4期、元港区民生活部長、早大政経学部卒、66歳)

最後に、羽田空港新飛行経路の運用に関する区の独自調査等の実施についてのお尋ねです。区はこれまで区民から寄せられた不安等の声を受け、国に対し様々な対策や調査等について要請をしてきた結果、国は不動産価格の調査を実施をいたしました。


これらの調査や検証結果等について、区は今後の住民説明会の際に、区民の皆さんに丁寧で具体的な説明を行うよう求めております。


区は今後も積極的に羽田空港機能強化に係る情報収集に努めるとともに、区民の安全・安心や生活環境を守る対策や調査、検証については、引き続き国へ要請をしてまいります。よろしくご理解のほどお願をいたします。

熊田ちづ子議員(共産)

熊田ちづ子議員(共産)
熊田ちづ子議員(共産党、区議7期、東京専売病院高等看護学校卒、67歳)

熊田:低空飛行計画の見直しを国に求めるべき

羽田低空飛行計画の見直しについてです。10月29日に新宿文化センターで国交省が提案している羽田空港の制限表面に関する公聴会が開かれました。当日は、55名の公述人が意見を述べました。反対意見は26名、賛成意見は29名でした。


反対意見の中には視覚障害者の方が介助者と共に登壇され、「毎日の生活は街の音を頼りに生活している。横断歩道を渡る際も車の音を聞きながら渡っている。飛行機の騒音によって音がかき消され、安全が守れない」と切実に訴えました。

 

風見区議(共産)も意見を述べ、「国際便を増やすため、住民の安全・安心に暮らしたいという願いを踏みにじるものであり、都心上空を飛ぶ限り、事故が起きる可能性があり、事故を起こさないための最大の保障は飛ばないことだ」と住民の思いを発言しました。


驚いたことに、賛成の意見を述べた方は、ほとんどが、国際航空ターミナル株式会社企画部部長、ホテルや旅館の組合や協会代表、全日空、日本航空、ソラシドエアなど、企業の代表者です。増便により会社の利益になるとの意見です。

傍聴者から、「航路下で生活している人のことを考えているのか!」といった怒りの声が上がりました。反対の意見を述べた方たちが、持ち時間いっぱい使って切実な意見を述べたのに対し、賛成者はわずか数分のみ。自分の番が終わると会場を後にする方が多く見られました。


国土交通省が低空飛行に向けた準備を進めている今こそ、区長は区民の代表として、羽田増便による低空飛行計画の見直しを国に求めるべきです。教室型説明会を行うよう国に申し入れること。答弁を求めます。

区長:計画の見直しを国に求めることは考えておりません

武井雅昭 港区長
武井雅昭 港区長

最初に、羽田空港新飛行経路についてのお尋ねです。まず、計画の見直しを国に求めることについてです。

新飛行経路の運用につきましては、国の航空政策として、国の責任において、区民の理解を得て進めるべきものと考えております。

このため、区は計画の見直しを国に求めることは考えておりませんが、区民の安全と生活環境を守る立場から、国に対し、騒音や落下物の新たな追加対策や不動産価値の調査結果などを区民のみなさんに丁寧に説明するとともに、さらなる安全対策や騒音対策等に積極的に取り組むよう引き続き要請をしてまいります。


次に、教室型説明会の開催を国に申し入れることについてのお尋ねです。教室型説明会の開催については、地域からの要望等を踏まえ国に要望してまいりましたが、改めて航路下の小学校区など区内全域で教室型説明会を開催するよう国に要請をしてまいります

熊田:見直しを求めていただきたい

再質問を行います。1つは羽田の問題です。
国は「地元の理解を得て進める」という約束をしておりましたが、都心上空を飛行するこの整備をどんどん今、進めています。しかし、住民の理解は得られていません


提出されている請願でも本日、航路下の町会長さんたち、6町会の追加がありました。全部で15町会になりました。区議会でも固定化せず別の選択肢を検討するようと意見書が提出されました。


住民、議会とも理解は得られていません。先ほどもちょっと触れましたけども、公聴会、これ賛成はほとんどが企業なんですよ。なぜ、企業の利益のために住民の安全・安心が脅かされなければならないのでしょうか。


区長は区民の代表です。ですから、ぜひ、区民の代表として、住民の安心・安全を守るために再度見直しを求めていただきたいと思います。


来年1月30日からは、実機を使った「飛行確認」が行う計画です。南風の時、A滑走路で1時間14回、C滑走路で1時間30回というふうになっています。こんな時だからこそ、ぜひ区長、自治体の長として声を上げるべきだと思いますので、この点については再質問、再答弁をお願いしたいと思います。

区長:さらなる対策を強化するよう国に求めてまいります

羽田空港新飛行経路についてのお尋ねです。

これまで、区といたしまして区民の安全と生活環境を守る立場から、区民のきめ細かな情報提供、丁寧な説明を行うとともに、安全対策、騒音対策、あるいは不動産の価値の変動調査などを求めてまいりました。

その求めに応じて国は、今回新たな不動産価値の変動調査などについても行った結果を説明するということとしております。


引き続き区民の皆様に対して、丁寧な説明を行うとともに、引き続き落下物対策、騒音対策などについても、さらなる対策を強化するよう国に求めてまいります。よろしくご理解のほどお願いいたします。

雑感

清家あい議員(みなと政策会議)

清家あい議員から「(飛行経路下の不動産価格への影響)区も独自で調査を行って検証をするべきではないか」と迫られて、区長は「民の安全・安心や生活環境を守る対策や調査、検証については、引き続き国へ要請をしてまいります」と応じている。

区長が国に要請するという「調査、検証」のなかには、不動産価格への影響が含まれているの否か曖昧だ。そもそも区独自で不動産価格への影響調査・検証をするのかどうか応えていない。答えないことで言外に「区独自の調査・検証はしない」ということを示唆しているのであろう。清家議員には再質問でもっと迫ってほしかった。

熊田ちづ子議員(共産)

渋谷区議会の共産党区議と同様、港区議会の共産党区議も「計画の撤回を求めるべき」という主張が中心となっている。

区長からは毎回、以下のように、同じような回答を得るに終わっている。

  • 19年第4回定例会:引き続き区民の皆様に対して、丁寧な説明を行うとともに、引き続き落下物対策、騒音対策などについても、さらなる対策を強化するよう国に求めてまいります

  • 19年第3回定例会:区民の安全、生活環境守る立場から、区民等へのきめ細かな情報提供を行うとともに、(略)引き続き国に要請をしてまいります。

  • 19年第2回定例会:今後とも区民の安全と生活環境守る立場から、区民へのきめ細かな情報提供を行うことなど、引き続き国に要請してまいります。

  • 19年第1回定例会:今後とも区民の安全と生活環境守る立場から、区民へのきめ細かな情報提供行うことなど、引き続き国に要請をしてまいります。

次の一手が待たれる……。

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