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羽田新ルート|港区議会「20年第2回定例会」質疑応答

港区議会の「20年第1回定例会」本会議代表・一般質問(6月25日、26日)で、羽田新ルートに関して、5名の質疑応答があった。

議会中継(録画)をもとに、全文テキスト化(約7千300文字)しておいた。

※以下長文。時間のない方は「質疑応答のポイント」と「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

なかまえ由紀議員(みなと政策会議)【代表質問】

なかまえ由紀議員(みなと政策会議)
なかまえ由紀議員(みなと政策会議、区議5期、東北大学教育学部卒、46歳)

なかまえ:新飛行ルートの撤回に向け、一歩踏み込んだ要請を

次に、羽田空港新飛行ルートについてです。

区長は、羽田空港新飛行ルート問題に関して昨日の施政方針でも触れられていましたが、区民の大多数の声に応えた内容とは感じませんでした。

定量的に区民の声が把握できていないので、明確な意思表示ができないのかもしれませんが、そうであれば、把握手法を整えるべきですし、具体的数値で出ていなくても反対の声が大多数なのは明らかです。


区長が今まで、国に要望してきたのは、「丁寧な説明」「対策強化「新ルートに限らず、様々な運用の検討を」です。奥歯に物が挟まったような分かりにくい表現だと思います。


固定化回避の意見書が、港区・渋谷区・品川区の区議会から出されています。住民の声に動かされ、議会の意思も反対が優勢になってきています。多数の住民が困っているので、それを代弁するのに遠慮はいらないと思います。


当選後の会見で、区長は「羽田に関し、国にモノを申していく」と仰ったと聞き、心強く感じています。新飛行ルートの撤回に向け、一歩踏み込んだ要請を区長からも国に上げていただきたいです。ご見解をお伺いします。

騒音等の苦情を支所に電話をした区民から「国交省を案内されて終わった」という話を聞きました。事業実施主体は国ですが、やはり区は区で区内の状況を聞き取り、自分のところで集約し国に上げる姿勢が大切です。独自調査に力を入れていただきたいです。区長の見解をお伺いします。

区長:不安の声や区独自騒音測定結果、検討に活用するよう国に強く求めてまいります

武井雅昭 港区長
武井雅昭 港区長(無所属、4期、元港区民生活部長、早大政経学部卒、67歳)

次に、羽田空港新飛行ルートについてのお尋ねです。

まず、新飛行ルートの撤回を国に要請することについてです。


私は先月29日、国土交通大臣に対し、区民への丁寧な説明や新ルートに限らず飛行経路に係る様々な運用を検討することなど、十分な対応を行うよう強く要請をいたしました。

国はこうした要請や区民の不安の声等を受け、新ルートの固定化回避に向けた検討会を設置するとしております。


区は、引き続き区民の騒音や落下物に対する不安の声や区が独自に行っている騒音測定の結果を国に示し、検討に活用するよう国に強く求めてまいります


次に、区の独自調査についてのお尋ねです。

区は新飛行ルートの運用に伴い区民の騒音に対する不安を解消するため、5月25日から1か月間、本村小学校および高陵中学校において区独自の騒音測定を実施し、国に測定結果を伝えるとともに、現在詳細な分析を進めているところです。


今後は国に対し、騒音測定の分析結果に基づき必要な対策を求めるとともに、引き続き、区独自に騒音測定等の調査を実施してまいります。

杉本とよひろ議員(公明)【代表質問】

杉本とよひろ議員(公明)
杉本とよひろ議員(公明党、区議5期、東京デザイナー学院中退、66歳)

杉本:国の取り組み、区長の見解を

次に、羽田新飛行ルート固定化回避に向けた取り組みについて、お伺いをいたします。

国土交通省は本年3月29日より羽田空港の新飛行ルートの本格運用を開始しましたが、新型コロナウイルスによる世界的なパンデミックで出入国制限による海外旅行の自粛や東京2020大会の延期により状況は一変しました。現在のところ、羽田空港の国際線、国内線は大幅に減便されており、想定の2割から3割の運用に止まっています。

しかしながら、大幅に減便している状況下でさえ、自宅の真上を低空で飛行する飛行機の騒音で運用をこのまま継続することへの疑念や不安、コロナ禍において、感染予防のために窓を開けると会話やテレビの視聴に支障が出るため換気ができないことへの苦情の声が多く寄せられています


これまでは国土交通省には5月末までに2,548件の苦情が寄せられてるほか、自治体からも国土交通省に対応を求める要望も出されています。


私ども公明党は2014年6月、新飛行ルートの説明を受けてから、区民の安全・安心を最優先に考え、繰り返し、国土交通省に対して申し入れを行ってまいりました。

最近では5月28日、品川区、目黒区、港区3区の公明党の都議会議員、区議会議員が直接、国会にて赤羽国土交通大臣に面談を求め、羽田空港新飛行ルートの再考および固定化を回避する取り組みを早急かつ具体的に検討するよう緊急申し入れを行い、区民の皆様の切実な声を届けてまいりました。


昨日の施政方針でも区長は述べられておりました。翌日の29日、武井区長は、羽田空港新飛行経路の運用について新ルートに限らず、様々な運用を検討することなど強く要請されたことは承知をしております。


6月3日に行われました衆議院国土交通委員会で、公明党の岡本三成衆議院議員は地元地域からの要望を受け、飛行経路の再考や固定化を避ける取り組みについて大臣に対応を求めました。

それに対して国土交通大臣は新経路の固定化を回避するための方策を早急に検討するため、有識者および専門家による検討会を今月中にも立ち上げると表明。さらに今年度中に様々な選択肢のメリット、デメリットを整理し、新飛行ルートの固定化の回避、また新たな選択肢を生むことを期待するなど、これまでになく、一歩前進した答弁をされたと受け止めております。


そこで質問は、区としても、これまでも国土交通省に対して6回にわたって要請を行ってまいりましたが、今回の国の取り組みについてどのように受け止め、今後どのように対応しているお考えなのか、区長の見解をお伺いいたします。

区長:(※なかまえ議員への回答と同じ)

武井雅昭 港区長
武井雅昭 港区長

次に、羽田空港新飛行ルートの固定化回避に向けた取り組みについてのお尋ねです。

私は先月29日、国土交通大臣に対し、区民への丁寧な説明や新ルートに限らず飛行経路に係る様々な運用を検討することなど、十分な対応を行うよう強く要請をいたしました。


国は、こうした要請や区民の騒音等に対する不安の声等を真摯に受け止め、新ルートの固定化回避に向けた検討会を設置する見解を示したものと考えております。


区は、引き続き区民の騒音や落下物に対する不安の声や区が独自に行っている騒音測定の結果を国に示し、飛行経路の様々な運用等の検討等に活用するよう国に強く求めてまいります

福島宏子議員(共産)【代表質問】

福島宏子議員(共産)

福島宏子議員(共産党、区議1期、聖徳学園保育士専門学校卒、保育士、53歳)

福島:中止・撤回を国に求めること

次に、「低空飛行ルートは撤回をキッパリと国に求める区政への転換について」です。

3月29日コロナ禍の真っ只中、新飛行ルートは運用を開始しました。オリンピックの延期が決まり、海外からの国際便は90%以上飛んでいないのが現状です。当初の目的のインバウンド4千万人などほど遠い状況のなか、不要不急の新ルートは必要ありません


新型コロナ感染症拡大防止のため、在宅ワークや自粛が要請されるなかで、午後3時になると轟音が鳴り響きます。航路下の区民にどれだけの苦痛を与えていることでしょう。


区長選の街頭演説の時にも、頭上を飛行機が飛び、マイクの音もかき消されるほどでした。区長が変われば飛行機を止められるのか。新ルート撤回の区長を選びたいと、たくさんの怒りの声が寄せられました。


6月12日には港区を含む航路下の住民29名が新飛行ルートについて、生命や健康を脅かす恐れがあり違法だとして、国を相手取り、ルートを認めた処分の取り消しを求める行政訴訟を東京地裁に起こしました。


そして市民と野党の力が政治を動かし、とうとう国交省はルート見直しをする検討会を設置し、初会合を今月30日に開くと明らかにしました。検討会は、管制システムや技術的な課題を年度内に整理したうえで、新ルート直下の自治体の意見を聞くとしています。


区長がずっと言い続けている「国の責任で説明を」ではなく、今こそ区民の命を守る立場でうるさい、危ない低空飛行はキッパリ中止・撤回を国に求めること。答弁を求めます。

区長:(※なかまえ議員への回答と同じ)

武井雅昭 港区長
武井雅昭 港区長

次に、羽田空港新飛行ルートの撤回等を国に求めることについてのお尋ねです。

私は先月29日国土交通大臣に対し、区民への丁寧な説明や新ルートに限らず飛行経路に係る様々な運用を検討することなど、十分な対応を行うよう強く要請をいたしました。

国はこうした要請や区民の不安の声等を受け、新ルートの固定化回避に向けた検討会を設置するとしております。


区は、引き続き区民の騒音や落下物に対する不安の声や区が独自に行っている騒音測定の結果を国に示し、飛行経路の様々な運用の検討等に活用するように強く求めてまいります。

清原和幸議員(自民)【一般質問】

清原和幸議員(自民)
清原和幸議員(自民党、区議4期、日大理工卒、60歳)

清原:騒音負担の平準化について真剣に議論を交わすべき

次に、羽田空港新飛行経路の運用についてお伺いいたします。

区長は施政方針演説で、「羽田空港新飛行経路の運用に伴い、区民から落下物や騒音等に対する不安の声が寄せられています。私は5月29日、国土交通大臣に対し、区に寄せられた意見や区独自で行った騒音測定結果の情報を伝えると共に、区民への丁寧な説明や新ルートに限らず、様々な運用を検討することなど、十分な対応を行うよう強く要請しました。引き続き、騒音対策や安全対策と合わせて、区民の不安や疑問の払拭に向けた住民説明会の開催や飛行経路の様々な運用の検討について積極的に取り組むよう国に対して強く求めてまいりますと述べられました。


国土交通省は6月16日に羽田空港の新経路については、首都圏空港の機能強化、首都圏における騒音負担の平準化の観点から導入し、本年3月29日より運用を開始しました。他方で関係自治体などから新経路の固定化回避などに関する要望を頂いております。よって羽田新経路の固定化を回避のための方策について、最近の航空管制や航空機器の技術革新を踏まえ、技術的観点から検討を行うため、6月30日に検討会を開催すると発表しました


新飛行経路については、区民の皆様からかねてより、私の所へ様々な意見や要望が寄せられております。実機飛行が行われる前の主な意見や要望は、新飛行経路の見直し、落下物に対する不安、騒音の軽減策などです。

「実機飛行回数は80dBを超える騒音が健康面に与える影響、機影を見て恐怖を感じた」「思った以上にうるさい」「便数が多すぎる」「資産価値への影響」「新飛行経路は常軌を逸している」。また、2航路の間にお住まいの方からは「騒音で家が揺れる」「ギアダウンによる落下物が心配」。計画を延期・見直しや撤回など、多くの区民の皆様、地域の皆様から叱責を受けています。


(住民の皆様には)その都度、港区議会が全会派一致で意見書を国土交通大臣宛に提出していること、私が今までに予算・決算委員会などで訴えていること、平成30年7月18日に国土交通省航空局長に自民党議員団の要望書を提出に行ったことを話しております。


首都圏における騒音負担の平準化の観点ですが、27年の国勢調査によりますと東京都の特別区の人口の密度は1平方キロメートルあたり6,169人で、周辺の県の平均値と比較して約4倍です。港区の昼間人口は約94万人で、人口密度は1平方キロメートルあたり47,619人で、周辺県の人口密度の平均値の約26.9倍になります。

東京都への通勤者数は、隣接県の千葉県が約65万人、埼玉県が約8万人、山梨県が7千人、神奈川県が94万人で合わせると168万人、通学者数は千葉県が6万1千人、埼玉県が10万人、山梨県が3千人、神奈川県が12万6千人で、合わせると29万人です。


人口密度や人口流入等も加味して考慮して、騒音負担の平準化について真剣に議論を交わすべきだと思います。これらのことも、国土交通省に申し述べていただきたいと思います。区長のご所見をお願いいたします。

区長:飛行経路にかかる様々な運用を検討するよう国に求めております

武井雅昭 港区長
武井雅昭 港区長

最後に、羽田空港新飛行経路における騒音負担の平準化を国に申し入れることについてのお尋ねです。

国は新飛行経路の運用に伴い、羽田空港を離着陸する航空機の騒音について、首都圏全体での平準化が図られるとしています。


区は現在、平準化について、地方空港のさらなる活用等、新ルートに限らず、羽田空港の飛行経路にかかる様々な運用を検討するよう国に求めております

今後、ご質問にありました人口密度や人口流入等も考慮して検討すべきというご意見をはじめ、地域や区民の声を国へ伝え、検討に反映させるよう要請してまいります。よろしくご理解の程お願いをいたします。

清家あい議員(みなと政策会議)【一般質問】

清家あい議員(みなと政策会議)
清家あい議員(みなと政策会議、区議3期、青学国際政治経済学部卒、元産経新聞社会部記者、45歳)

清家:区長の施政方針「様々な運用の検討」とは具体的に?

最後に、羽田空港新ルートについてです。今年1月30日から2月12日に羽田空港新ルートの試験飛行が始まり、3月29日から本格飛行が開始しました。


私は西麻布の交差点にあるマンションの10階に住んでいますが、信じられないぐらい飛行機の騒音がうるさいです

休む間もなくひっきりなしに飛んできます。時には2台、並行して目の前のビルに突っ込むぐらいの低さで飛んで行きます。


新型コロナウイルスの感染拡大で外出・自粛要請が出てからは、我が家も含めて、近隣のマンション住民が一様に窓を開けて換気をし、一日中家にいて、ベランダや屋上で家族で過ごしてる様子が見られました。今までそんなに窓を開けることもなかったし、同様に窓を開けて外に出ている近隣の人たちの姿を見たこともなかったので、初めて目にする光景でした。

そして、その上をものすごい騒音で飛行機がひっきりなしに飛んでいくのが本当にうるさくて耐え難かったです


新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、飛行機は、国際線で95%、国内線で70%が減便されているにもかかわらず、これだけうるさいのだから、予定通り運行されていたとしたら、夏場は毎日南風で、この何倍も飛行機が飛ぶのかと思ったら、とても住んでいられないと思いました。


今定例会に西麻布や南麻布の高陵中地区の新ルート直下の11町会が連名で、飛行機の新経路の固定化回避を求める請願を出しています。町会の集まりに行っても、即時中止ししてほしい、耐えられないという声が圧倒的でした


実際に国土交通省が事前に説明してきた麻布、恵比寿、渋谷付近の最大騒音レベルは約68dBから74 dBでしたが、それよりも、港区内の実際の最大騒音数値は、広尾中学で70から79dB、高輪台小学校で71から81dBと上回っいました


区民の安全・安心はいかなる時も区政の最優先事項と仰るのであれば、今回の新飛行経路が港区上空を超低空で飛ぶようになるという、これ以上の区民の安全・安心が損なわれるような事象はあり得ないので、区長には全力で撤回を訴えて、私たちの生活を守っていただきたいです


また、施政方針の中で仰っている「区民への丁寧な説明」というものが何を言ってるのか分からないぐらい現実は暴力的にうるさかったし、丁寧に説明されて、何を納得すればいいのか分かりません。静かな生活環境を返してもらいたいです。


区長の施政方針の中に「新ルートに限らず、様々な運用を検討することなど、十分な対応を行うよう強く要請しました。飛行経路の様々な運用の検討について積極的に取り組むように、国に対して強く求めてまいります」といった表現がありますが、これは具体的に何をどうすることを求めているのでしょうか。区長の見解をお伺いします。質問は以上です。

区長:飛行ルートの分散化、海上ルートの活用、・・・

武井雅昭 港区長
武井雅昭 港区長

最後に、羽田空港飛行経路における様々な運用の具体的内容についてのお尋ねです。

区は、運用の実例として地方空港のさらなる活用等による飛行ルートの分散化、海上ルートの活用、今後の航空管制や航空技術の進展に伴う滑走路の使用方法の見直しなどを想定をしております


今後も国に対して騒音軽減や落下物防止対策、羽田空港の飛行経路における様々な運用等を積極的に検討するよう求めてまいります。よろしくご理解の程お願をいいたします。

雑感

なかまえ由紀議員(みなと)

可もなく不可もなく。

杉本とよひろ議員(公明)

公明党のPRかと思った。

福島宏子議員(共産)

共産党議員は「撤回」一筋。ブレてない。

清原和幸議員(自民)

だらだらと引用文章が多く、音声で聞いていたのでは、どこまでが本人の主張なのか判別困難であろう。

3分で済みそうな質問なので、時間稼ぎを疑いたくなるほどである。

清家あい議員(みなと)

清原議員(自民)とは対照的に、極めて理解しやすい説明である。元産経新聞社会部記者のキャリアが活かされているのであろう。

武井区長

濱野健 品川区長と違って、自らが答弁に立っていることだけは評価できる。ただ、3人の代表質問に対してコピペ答弁(上記の青書き・朱書き文章)しているのは酷すぎる。

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