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羽田新ルート|港区議会「20年第3回定例会」質疑応答

港区議会の「20年第2回定例会」本会議一般質問(9月10日、11日)で、羽田新ルートに関して、3名の質疑応答があった。

議会中継(録画)をもとに、全文テキスト化(約5千700文字)しておいた。

※以下長文。時間のない方は「質疑応答のポイント」と「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

池田こうじ議員(自民)

池田こうじ議員(自民)
池田こうじ議員(自民、区議4期、社会福祉法人理事長、慶應院卒、55歳)

問1:固定化回避に向けた国への要請、どのように受け止め?

続きまして、区民の安全と安心についてであります。まず、「羽田新飛行経路に関する国への申し入れについて」であります。


羽田新飛行経路の運用が開始され、区民からは騒音や落下物等に対する不安の声が増して寄せられております。

第2回定例会では、麻布地区からも、羽田空港新飛行経路の運用に関する請願が出され、港区の新飛行経路下の状況を港区として詳しく調査分析をし国に報告すること、また新飛行経路の固定化回避に向けて新たな選択肢など再考するよう国に求める訴えが採択されました。

まず、この請願を区長としてどのように受け止めているのか、伺いしたいと思います。

問2:固定化しないなど、厳しい姿勢で国に訴えていくべき

港区は独自調査ポイントを順次増やし、請願の当該地区の測定調査も、地元からの要望で実現していただいたことは感謝申し上げますが、調査結果を分析したところ国の事前説明と相違する部分も明らかになっています。安全と安心に満ちた区民生活の実現は地方自治体である港区の責務であります。


9月9日、一昨日のことでありますが、この区民の思いを受けて区長が国に対して羽田空港の機能強化に関わる要請文を提出いたしましたことは評価をしたいと思います。

そこで新たに国に設置された「羽田新飛行路の固定化回避に係る技術的方策検討会」は、我が会派も期待するとこでありますが、この委員会への訴求も含め、騒音、安全、運用を固定化しないなどに集約される区民の声、区の独自調査の結果を厳しい姿勢で国に訴えていくべきだと思いますが、どのように臨むのか、お伺いします。

武井雅昭 港区長
武井雅昭 港区長(無所属、5期、元港区民生活部長、早大政経学部卒、67歳)

答1:固定化回避に向けて再考することを国に求めてほしいと受け止め

次に、区民の安全と安心についてのお尋ねです。まず第2回定例会で採択された羽田空港新飛行経路の運用に関する請願についてです。

採択された請願は、独自で区内の状況調査・分析するとともに、新飛行経路の固定化回避に向けて再考することを国に求めてほしいという趣旨であると受け止めております

答2:飛行経路の様々な運用を検討するよう強く求めてまいります

次に、羽田空港新飛行経路の固定化回避に向けた国への要請についてのお尋ねです。

区が独自に本年5月25日から6月23日に実施した騒音測定の詳細な分析の結果が今月9月9日に提出を受けました。その結果では多くの機体で最大騒音レベルの実測平均値が国の推計平均値を超えていることが確認できました。このため区は同日、直ちに国に対して区が独自に実施した騒音測定の分析結果を示し、飛行経路の様々な運用等の検討に活用するとともに、さらなる騒音、安全対策等に積極的に取り組むよう要請をいたしました


区は引き続き区民の騒音や落下物に対する不安の声や現在実施している今年度2回目の区独自の騒音測定結果を国に示し、新ルートに限らず、飛行経路の様々な運用を検討するよう強く求めてまいります

山野井つよし議員(みなと)

山野井つよし議員(みなと)
山野井つよし議員(みなと政策会議、区議2期、元塾講師、成蹊大法学部政治学科卒、42歳)

問1:品川区、渋谷区などと連携を

次に、羽田空港新ルートの固定化回避について、お伺いをいたします。まず近隣自治体との連携についてです。


羽田空港新ルート飛行ルートは今年の1月30日から2月12日にかけて試験飛行を、3月29日から本格飛行の運用を開始をいたしました。新型コロナウイルスの世界的感染拡大や2020東京オリンピック・パラリンピック大会の開催延期で大幅な減便状態が続いているにも関わらず、新飛行ルートでの運用が継続をされています。

飛行時の騒音は国の想定を超えることも明らかとなるとともに、新型コロナウイルス対策により家の換気を行うため、これまで以上に窓を開けるようになったことも影響し、受忍限度を超える騒音だとの声が数多く寄せられています。第2回定例会においても、麻布地域の町会長の連名で、そして「みなとの空を守る会」からも同様の請願が提出をされています。

区長も今年の5月29日、国土交通大臣に対し、新ルートに限らず新飛行経路に係る様々な運用を検討することなどを強く要請をしています。

国は、こうした要請や区民の不安の声等を受け、ついに国土交通大臣は新飛行経路の固定化を回避するための方策を早急に検討するための有識者および専門家による検討会を設置を致しました。これを固定化回避の一つの好機と捉え、この機会を是非逃さないでいただきたいと思います。


子供のころ、戦争を経験をした私の母は港区上空を低空で飛ぶ飛行機を家の窓から見ると、戦時中の米軍による空襲を思い出すと言います。高度成長期、交通事故の発生件数が著しく増加した際、これは交通戦争だと言われましたが、都内随一の約94万人もの昼間人口を要する港区上空を連日、爆音を立てながら飛来し多くの人々の静謐に暮らす権利を侵害をする今日の状況はある種の戦争状態と言えるかもしれません。

騒音は確かに健康な人はその環境に順応することができるかもしれません。ですが、このコロナ禍の中でなかなか外出ができていない高齢者、乳幼児、そして心の病と闘う方々にとって、それを克服をすることは困難です。こうした状況は請願書の方も、交通・環境等対策特別委員会の中で訴えておられました。高齢者、乳幼児など社会的に弱い人々にしわ寄せが行くこの構図は、まさに戦争に酷似をしています。


近隣の品川区、渋谷区などでも運用開始に伴い、新飛行経路下での騒音など同様の被害にさらされ、反対の声が集まっています。品川区、渋谷区などと連携をして国に新飛行経路の固定化回避を働きかけていただきたいと思いますが、区のお考えをお聞かせください。

問2:特別区長会を通じて国に新飛行経路の固定化回避を働きかけ

次に、特別区長会を通じて国に要請することについてです。

新飛行経路の運用開始前から、武井区長は区民の不安や疑問の払拭に向け、きめ細やかな情報提供や丁寧な説明を行うとともに、さらなる安全対策や騒音対策等に積極的に取り組む必要があるとの立場であったにも関わらず特別区長会を代表する山崎江東区長が「首都圏空港機能強化の具体化に向けた協議会」において、「羽田の機能強化の必要性をほとんどの区長が理解をしている」と述べたことなどを受け、国土交通大臣は、港区も含め、「関係自治体からは、羽田空港の機能強化の必要性について理解が得られた」として、新飛行経路の運用に着手をしていく過程については平成30年度の決算特別委員会で私が述べさせていただきました。


国は港区も含め、特別区を地方公共団体としてはまともに見てくれていないのではないかとの疑問を禁じざるを得ないという話もさせていただきました。もしそうであるならば、国が一目置いている特別区長会の意見というものには相当の力があるということになります。

また23区中、過半数の13区が新飛行経路下にあります。


そこでお伺いをいたします。特別区長会において、港区の新飛行経路下の住民がどのような状況に置かれているのかをつぶさにお話をいただくとともに、特別区長会を通じて国に新飛行経路の固定化回避を働きかけていただきたいと思いますが、区のお考えをお聞かせください。

武井雅昭 港区長
武井雅昭 港区長

答1:引き続き近隣区との情報共有や連携を図る

次に、羽田空港新飛行ルートの固定化回避についてのお尋ねです。まず、近隣自治体との連携による固定化回避に向けた取り組みについてです。

区はこれまでも航路下の近隣区と各区における騒音測定や説明会の開催状況など、羽田空港の機能強化に係る情報を共有をしてまいりました。区は引き続き近隣区との情報共有や連携を図るとともに、国に対して区民への丁寧な説明や飛行経路に係る様々な運用を検討するよう求めてまいります

答2:引き続き、特別区長会を通じて働きかけてまいります

次に、特別区長会を通じて国に新飛行ルートの固定化回避を要請することについてのお尋ねです。

本年8月に特別区長会を通じて国に対して、騒音影響や落下物対策等の安全管理などの課題に対し、住民が納得することができる取り組み、丁寧な説明および情報提供を行うよう要望いたしました。

今後とも区民の安全・安心と生活環境を守る立場から引き続き国に対して区民への丁寧な説明、騒音対策や安全対策等を検討するよう特別区長会を通じて働きかけてまいります。

風見利男議員(共産)

風見利男議員(共産)

風見利男議員(共産、区議9期、都立墨田工業高卒、75歳)

問1:都心低空飛行ルートの中止を国に求めること

最初に、都心低空飛行ルートの中止を国に求めることについてです。

8月22日、「みなとの空を守る会」が高輪警察前で、都心低空飛行ルート中止を求める宣伝行動を行いました。

地元の町会長は、「町会として新飛行ルート撤回まで頑張る」と力強い発言。通りかかった住民は「隣のスーパーの上に住んでいるが、手を伸ばせば飛行機に届きそう。本当に怖い」との切実な訴え。国土交通大臣宛の低空飛行中止を求める署名を集めていると、「自分の周りの人にも訴えたい」と署名用紙を50枚持ち帰る人もいました。航路下の住民の怒りは我慢の限界です。


ジェット燃料を使用する航空機の排出ガスが人体に及ぼす影響について訴えがあり、大型機1機分の排出ガスは、乗用車2500台分に相当する。航空機の排ガスは粒子が細かく肺や気管支に入りやすいというショッキングなものでした。

アメリカのマサチューセッツ工科大学の研究でも明らかで、航空機の排ガスは、二酸化硫黄や窒素酸化物といった汚染物質を何種類も含んでおり、特に小さい粒子状物質が人体に悪影響を及ぼす。肺の奥深くまで入り込み、血流まで到達するというものです。WHOによると、大気汚染による最も一般的な死因が肺がんなど呼吸器や心臓血管の疾患だと言われています。だからこそ人が暮らす街の上空に飛行機を飛ばしてはならないのです。


区民の命を守るべき区長として都心低空飛行ルートの中止を国に求めること、答弁を求めます。

問2:今後も港区独自で騒音測定を継続すること

港区独自で5月25日から6月23日まで、本村小学校と高陵中学校で騒音測定を実施した結果を見ると、最高値は77.5㏈(※1)です。

換気のために窓を開けることが当たり前となり、自宅でのテレワークが増えているなか、航路下では、キーンという金属音が耳から離れずノイローゼになりそうだと健康被害の一歩手前で深刻な現状です。この間、港区には214件もの苦情や問い合わせが来ています。

国土交通省が高輪台小学校の屋上に騒音計を設置し、騒音測定をしていますが、公表は2か月に1回、2か月遅れのうえに、平均値しか発表しません

1、今後も港区独自で騒音測定を継続すること。

※1:「最高値は77.5㏈」ではなく、79.3㏈(6月14日@高陵中学校)が正解(次図)。

最大騒音レベル(南風時)港区測定データ

問3:高輪台小学校の騒音測定の結果、最大値を公表するよう要請

2、国に対して高輪台小学校の騒音測定の結果の公表をタイムラグなく直ちに行うこと、平均値のみではなく、最大値を公表するよう要請すること。それぞれ答弁を求めます。 

武井雅昭 港区長
武井雅昭 港区長

答1:飛行経路の様々な運用を検討するよう国に強く求めてまいります

ただいまの共産党議員団の風見利男議員の御質問に順次お答えをいたします。最初に羽田空港新飛行ルートについてのお尋ねです。

まず、羽田空港新飛行ルートの中止を国に求めることについてです。
区はこれまでも国に対して、騒音対策や安全対策等を要請してきました。今月9日にも国に対して、地方空港のさらなる活用等による飛行ルートの分散化、今後の航空技術等の進展に伴う飛行経路に関わる様々な運用などの検討を要請をいたしました。

引き続き新ルートに限らず、飛行経路の様々な運用を検討するよう国に強く求めてまいります

答2:引き続き区独自の騒音測定を継続的に実施をしてまいります

次に、港区独自の騒音測定を継続することについてのお尋ねです。

区は新飛行ルートの運用に伴い、5月25日から1か月間、本村小学校および高陵中学校において区独自の騒音測定を実施をいたしました。その結果、多くの機体で機体サイズ別の騒音の平均値が住民説明会で示されていた推計平均値を超えていることが確認できるなどの結果を今月9日に受領したものでございます。

その結果も添えまして、国に要望をしたものでございます。区では今月10日から2回目として1か月間、区内5か所で騒音測定を実施をしております。

区は今後も引き続き区独自の騒音測定を継続的に実施をしてまいります

答3:より詳細な騒音測定結果を公表するよう国に求めてまいります

次に、詳細な測定結果を速やかに公表するよう国に要請することについてのお尋ねです。

区は国に対し、国が高輪台小学校で実施している騒音測定結果について詳細な最大値等の情報を速やかに公表するよう求めてまいりました。

その結果、国は騒音測定結果等の速報値を測定月の翌月末に公表するなど、羽田空港の新ルートの運用報告を定期的にホームページで公表しましたが、詳細な最大値等の情報は公表されておりません。

改めてできる限り速やかに最大値等のより詳細な騒音測定結果を公表するよう国に求めてまいります

雑感

池田こうじ議員(自民)

自民党は羽田新ルート推進派であるが、港区の自民党議員団としては固定化回避を訴えざるを得ない状況なのか。

山野井つよし議員(みなと)

品川・渋谷区との連携、特別区長会を通じての国への働きかけ提案は、いずれも陳腐。現在の新たな争点は「騒音分散化(騒音負担共有論)」と「短期測定(国による連続7日間の追加測定)」だと思う。

風見利男議員(共産)

共産党議員は「撤回」一筋。ブレてない。

武井区長

濱野健 品川区長と違って、自らが答弁に立っていることだけは評価できる。ただ、答弁内容はそっけない。役人が準備した原稿の棒読み。

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