「みなとの空を守る会」は11月21日、羽田新ルート下の住民を対象に実施したアンケート結果を発表。8割が「中止」を求めていることが分かった。
羽田新ルート港区住民アンケート、8割「中止して」(朝日)
「みなとの空を守る会」は11月21日、羽田新ルート下の住民を対象に実施したアンケート結果を発表。8割が「中止」を求めていることが分かった。
低空ルート、8割「中止して」
羽田増便巡る住民アンケート羽田空港の国際線発着枠を増やすため、都心上空を低空で飛ぶ新ルートを国土交通省が計画していることについて、港区の市民グループ「みなとの空を守る会」が予定航路下の住民にアンケートを行い、21日、結果を発表した。
会は予定航路下の世帯は約9万戸と試算し、予算の関係でその4割、約3万8千戸に9月1日から10月28日、アンケートを配布、1344通を回収した。(中略)
会は来月5日に同省に集計結果とこれらの意見とともに、計画反対の意向を伝えるという。(朝日新聞 11月22日)
都心低空飛行計画アンケート結果発表記者会見 - YouTube
アンケート結果
「みなとの空を守る会」によるアンケートは9月1日から10月28日にかけて、C滑走路到着ルート両脇1km幅に住む約9万世帯のうち、37,800世帯(42%)に配布され、1,344通(回収率3.56%)回収。
主なアンケート結果を以下に可視化した。
この計画に対してどう思いますか?
「内容を含めて知っていた」のは4割にも満たないという衝撃的な結果だ。羽田新ルート周辺に住む世帯、つまり2年以内に航空機騒音に汚染される住民の6割以上が正確な情報を把握していないのである。
- 内容を含めて知っていた(37.20%)
- 聞いたことはあるが内容はよく知らなかった(43.68%)
- 全く知らなかった(17.93%)
- 未回答(1.19%)
この計画に対してどう思いますか?
アンケートに回答した8割を超える住民が「中止してほしい」と回答。「賛成」と答えたのは1.34%に過ぎない。
- 中止してほしい(84.60%)
- 不安(34.30%)
- 賛成(1.34%)
- いずれともいえない(1.71%)
雑感(本来国交省がやるべき調査)
猛暑の時期を含め、ボランティアらとアンケート用紙を配布した「みなとの空を守る会」の方々には頭が下がるばかりだ。アンケートの印刷費用や回答郵送代など、募金で賄おうという計画が目標140万円に対して、67万円が集まったという(目標金額未達)。
羽田新ルート計画がどのくらい市民に浸透しているのかを調査・分析することは、本来国交省がやるべき最重要タスクではないのか。
来月から第5フェーズの住民説明会が始まるが、国交省は相変わらず問題共有型の「教室型説明会」ではなく、情報共有化を妨げる「オープンハウス型」で、「丁寧な情報提供を実施していますよ」という実績作りを重ねている……。