国交省が「丁寧で分かりやすい情報提供を行っています」として羽田新ルートが通過する自治体の住民を対象にポスティングしたチラシ（次図）には、国交省に都合のいい情報ばかりが目立つ。
このブログで書いてきた羽田新ルート関連記事のうち、特に練馬区民に係る情報をまとめておいた。
基本情報
到着ルート（都心低空飛行）概念図
- 南風時（年間の約4割）の午後3時から7時のうち3時間、新宿⇒渋谷⇒港⇒目黒と降下。品川上空では、東京タワーよりも低い高度300ｍで飛ぶ。
- 「A滑走路到着ルート」は1時間当たり14回（4分17秒ごと）、「C滑走路到着ルート」は1時間当たり30回（2分ごと）の頻度で、上空から騒音が降り注ぐ。
羽田新ルートが通過する地域（37地域）
羽田新ルートは練馬区内の37地域の上空を通過する（次図）。
- Ａ滑走路到着ルート
（好天時のみ）
田柄5丁目、光が丘2丁目、光が丘4丁目、旭町2丁目
（悪天時のみ）
旭丘1丁目、高松5丁目、光が丘3丁目、光が丘5丁目
（好&悪天時）
豊玉南3丁目、中村1丁目、中村南1丁目、中村北1丁目、中村北2丁目、向山1丁目、向山2丁目、向山4丁目、春日町5丁目、春日町6丁目、高松1丁目、高松4丁 - C滑走路到着ルート（悪天時）
豊玉上1丁目、豊玉上2丁目、豊玉北1丁目、豊玉北2丁目、桜台1丁目、桜台2丁目、桜台4丁目、桜台5丁目、桜台6丁目、早宮1丁目、早宮2丁目、早宮3丁目、早宮4丁目、春日町2丁目、北町6丁目、田柄1丁目、田柄2丁目
「悪天時」に大きな影響を受ける自治体のひとつ
「悪天時」の運用がされると、地域によっては「好天時」よりも低く飛ぶ（すなわち騒音が大きくなる）。「悪天時」は、「好天時」のルートの一部が西側にシフトし、かつ飛行高度が低くなる（次図）。
「好天時」には通過しないが、「悪天時」になると通過するのが、さいたま市の浦和区と桜区、朝霞市、蕨市。あと、練馬区と中野区は、「好天時」の高度は1350⇒1200ｍだが、「悪天時」の高度は900ｍと低くなるので、騒音が大きくなる。
「「悪天時」特に影響する地域 」より
ただ、「悪天時」の運用日数は多いわけではない（次図）。多い月でも3日間（20年6月・7月の実績）。
練馬区民3割（21万人）が騒音の影響を受ける
A滑走路到着ルート約12万人、C滑走路到着ルート約9万人。
練馬区民72万人のうち、3割（21万人）が羽田新ルートの騒音の影響を受ける（次表）。
航空機騒音の測定
練馬区（独自測定なし）
練馬区は、品川・港・豊島・北区などと違って、区独自の騒音測定を実施していない。
東京都（向山小）
東京都が羽田新ルート周辺で騒音をモニタリングしている測定局は5か所。うち練馬区内は1か所（向山小学校：A滑走路到着ルート直下）。
向山小学校の最大騒音レベルの最大値は65～70dB。騒音発生回数は、南風運用があった日を対象に1日あたり20回程度（次図）。
※詳細および最新情報は「東京都の騒音測定結果を可視化※随時更新」
国交省（練馬区職員研修所）
国交省が騒音データを公表している測定局は19か所。うち練馬区内では練馬区職員研修所に設置されている。
- A滑走路到着ルート側方約700ｍ。
- 飛行高度：好天時1,350⇒1,200ｍ、悪天時約900ｍ
練馬区職員研修所の騒音レベルの最大値の月平均は概ね65dB。騒音発生回数は、南風運用があった日を対象に1日あたり55～65回とバラついている（次図）。
※東京都が測定している向山小学校（A滑走路到着ルート直下）の騒音レベル（65～70dB）よりも、練馬区職員研修所（A滑走路到着ルート側方約700ｍ）のほうが騒音レベルは小さい。
※詳細および最新情報は「国交省の騒音測定データを可視化※随時更新」
反対運動
STOP!羽田新ルート・練馬の会 (@STOP76325740) | Twitter
練馬区議会
練馬区議会の定例会本会議での代表・一般質疑応答（まとめ）
練馬区議会では羽田新ルート問題はあまり取り上げられていない。
羽田新ルートに係る請願・陳情の採決状況（19～20年）
- 不採択2件
練馬区議会のパワーバランス
19年4月21日の統一地方選挙後、練馬区議会では、羽田新ルート推進派は60%（次図）。羽田新ルートが通過する13の区のうち、3番目に推進派の割合が多い。
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