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羽田新ルート|松原衆院議員、さらなる質問主意書を!

松原仁 衆議院議員は、今国会で羽田新ルートに係る質問主意書を連発。さらなる質問主意書を期待したい。


もくじ

松原衆議院議員、羽田新ルートに係る質問主意書7件

松原仁衆議院議員

松原仁 衆議院議員(7期、62歳、民進→希望→無所属→社会保障を立て直す国民会議)は、今国会で羽田新ルートに係る質問主意書を連発。その数7件。前国会でも1件。

※下記の日付は質問主意書の提出日を示す。

松原衆議院議員の羽田新ルートに係るスタンスは?

これほど羽田新ルートに関心を寄せている国会議員は他にいないのではないか。なぜ、同議員は羽田新ルートに係る質問主意書をたくさん提出しているのか?

最大の理由は、品川区と大田区からなる東京3区が選挙区であることではないか(17年10月衆院選では希望の党公認で出馬したが石原宏高氏に敗れ、比例東京ブロックで復活)。もう一つの理由としては、無所属(19年5月7日に「社会保障を立て直す国民会議」に入会)なので、羽田新ルート推進派(自公や希望の党など)と違って、問題点を自由に指摘できる立場にいるからなのではないだろうか。

では、同議員の羽田新ルートに係るスタンスはどうなのか?

これまでの質問主意書8件を読む限り、羽田新ルートの不明点や問題点を問うているものの、撤回を求める姿勢は読み取れないし、反対を示す強い意志も感じられない。

松原議員のスタンスが少し浮かび上がるのは、「羽田空港新飛行ルート案の変更に関する質問主意書」(18年11月30日提出)とその続編「羽田空港への低空飛行問題に関する質問主意書」(19年2月8日提出)においてではないか。

両質問主意書を通じて、羽田発着国内便を成田発着に変更することで羽田増便を避けようとする代案を投げかけているのだが、残念ながら政府からは「関係者等の理解を得ることが困難である」と却下されている。

「羽田空港と成田空港の一体的な運用と、それに伴う羽 田空港発着の国内便を成田空港発着に変更する案」については、その減便を含むことから、羽田空港からの国内線が就航している地域の関係者等の理解を得ることが困難であると考えている。

(羽田空港への低空飛行問題に関する質問に対する答弁書 19年2月19日)

上2件の質問主意書から浮かび上がるのは、単に反対や撤回を求めるのではなく、代案をぶつけることにより羽田新ルート問題の解決策を見出そうとする地道な姿勢である。

さらなる質問主意書を!

今国会の会期は、延長がなければ19年1月28日~6月26日。あと10日ほど残されている。

追加の質問主意書で次の3点を明らかにしていただけないだろうか。

  • 羽田新ルートの影響を受ける区民の数
  • 落下物・墜落事故による被害想定
  • 公聴会の実施

以下、3点につき補足。

羽田新ルートの影響を受ける区民の数

筆者の独自調査によれば、羽田新ルート直下から水平距離500mの範囲に住む区民は100万人を超えている。

国交省に「騒音影響を受ける首都圏民の数は何人くらいか?」と質問すると、「お尋ねの・・・の意味するところが必ずしも明らかではない」ので算出困難といわれそうだ。

そこで、より具体的に、羽田新ルート直下から水平距離500mの範囲に住む区民の数を質問されてはどうだろうか。「水平距離500mの範囲」の算出が困難であれば、新ルートが通過する「丁目」単位の住民の数でもいいだろう。

100万を超える区民が羽田新ルートの影響下にあることが公式に認められることにより、羽田新ルート問題の大きさを世間に知らしめることが期待できる

落下物・墜落事故による被害想定

万が一、羽田新ルート下で落下物・墜落事故が発生した場合、どのような被害が考えられるのか? まさか、国交省は被害想定をしていないということはないだろう(もし、想定外ということであれば、それはそれで問題だ)。

墜落事故や落下物事故が発生する可能性は極めて低いことは理解できるが、事故が発生した場合には悲惨な状況になることが想像される。新宿や渋谷で落下物事故や墜落事故が発生した場合の被害想定(死傷者数、交通機関への影響など)はどうなるのか? 

事故時の補償スキームの妥当性を検証するためにも、被害想定は欠かせない

公聴会の実施

航空法第56条(空港等の特例)と同条の2(利害者配慮、準用規定)を合わせると、航空路としての羽田新ルートの運用に関して、国交大臣には利害関係者への配慮義務と公聴会開催義務があるように読める。

※詳しくは、「羽田新ルート|教室型説明会の次は公聴会!?」参照。

 

この法的解釈が正しいとすれば、公聴会はいつ実施されるのか?

また、公聴会の対象者は、滑走路の延長線15km以内(延長進入表面)が利害関係者で、5区(大田、品川、目黒、港、渋谷)の航路下の住民が対象になるのではないか?

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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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