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羽田新ルート|質問主意書(低空飛行ルートの採用方法)

第198回国会(19年1月28日~6月26日)の衆議院の質問主意書182件(5月23日現在)のなかに、160番目として「羽田空港への低空飛行ルートの採用方法に関する質問主意書」が埋もれている。

松原仁 衆議院議員(民進→希望→無所属)が5月7日に提出した質問主意書に対する答弁書が5月23日に公開されたのでひも解いてみた。

読みやすいように、一問一答形式に再構成し、各回答のあとに筆者のコメントを朱書きしておいた。
※以下長文。時間のない方は、「質疑応答のポイント」と文末の「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

松原仁衆議院議員
松原仁 衆議院議員(7期、民進→希望→無所属、早大商卒、62歳)

私が先般提出した「羽田空港への低空飛行問題に関する質問主意書」(平成31年2月8日提出、質問第29号)に対し、「衆議院議員松原仁君提出羽田空港への低空飛行問題に関する質問に対する答弁書」(平成31年2月19日受領、答弁第29号)を受領した。

これらを踏まえると、「新飛行経路」(以下、低空飛行ルート)案の正式採用のために「幅広い理解」を得るべき主体とは、関係地域の「地方公共団体等」であり、その中には「町会・自治会、企業」も含まれるということが示された。

他方で、低空飛行ルートの直下にある品川区及び渋谷区の区議会においては、「品川上空を飛行する羽田新飛行ルート計画に関する決議」「羽田空港増便による都心低空飛行計画の見直し等を国に求める意見書」がそれぞれ全会一致で可決された。

どちらも現時点で低空飛行ルート案への区民の理解が進んでおらず、計画の見直しを求めるという内容である。このような状況下で、現在、低空飛行ルート案は「地方公共団体等」からの「幅広い理解」を得られているのか

まだ得られていないとすれば、どのような方策をもって「幅広い理解」を得られたと言えるのかという観点から質問する。

質問1:いつ、どのようにして「地元の理解」を得た、と判断?

答弁第29号1の2及び3についての中で「地方公共団体をはじめとする関係者からの御意見を参考に検討することとしたい」としている。

しかし、判断基準・方法が余りにも不明確なため、区民や区議会にとっては不信感が募る状況なのではないか。

まぎれもなく関係地域の地方公共団体である、品川区と渋谷区では、区民を代表する機関である区議会が低空飛行ルートを「容認できない」ので「見直し」をせよ、と全会一致で決議していることは大変重く、少なくとも、現在、この2区では区民の理解を得られているとは到底言えない状況である。

オリンピック・パラリンピックまでの低空飛行ルート実行のためには、「丁寧な説明」に残された期間は1年を切った状況であり、品川区民、区議会等の「地元の理解」を得られる状況だとは考えにくい。

質問第29号1の2でも質問したが、改めて、いつ、どのようにして「地元の理解」を得た、と判断するのかお答えいただきたい。

質問2:品川・渋谷区での容認決議が必要では?

現在、品川区、渋谷区の議会の容認できないという決議が有効である以上、関係地域の地方公共団体等の幅広い理解を得ることが条件となっている低空飛行ルートを実行するには、両区議会において「羽田新飛行ルートを容認する」趣旨の決議が可決される必要があると、理論上、考えざるを得ない。この点について政府の認識を伺いたい。

回答1&2:関係者からの御意見を参考に検討する

先の答弁書(平成31年2月19日内閣衆質198第29号)1の2及びに3ついてでお答えしたとおり、政府としては、東京国際空港における新たな飛行経路案について、関係地域の地方公共団体及び住民の方々(以下「地方公共団体等」という。)に説明を行っているところであるが、今後も引き続き丁寧な情報提供を行い、幅広い理解を得た上で、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会までに運用できるようにしたいと考えている。

今後、どのような形で地方公共団体等から理解を得たと判断するかについては、地方公共団体をはじめとする関係者からの御意見を参考に検討することとしたい。

※いつ、どのようにして「地元の理解」を得た、と判断するのか? 「地方公共団体をはじめとする関係者からの御意見を参考に検討する」というのが政府の回答。

品川・渋谷区の議会や区民などの理解が得られておらず、数々の反対意見が噴出しているのが現状だ。これらの反対意見を「関係者からの御意見」として、「参考に検討する」ものの、結果としては「2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会までに運用できるよう」進めていくということなのではないか。

質問3:2020年以降、更なる増便を検討しているか?

関係地域の個人、団体の中には、時間や天候によって低空飛行が限定された本計画に対し消極的な賛成をしている場合も極めて多いと認識している。

政府として現在の計画を超えて、2020年以降に羽田空港に関する更なる増便を検討しているか。もししている場合、何年度を目途に何便程度を想定しているかご答弁いただきたい。

回答3:更なる増便、検討していない

政府としては、現時点において、御指摘の「現在の計画を超えて」「羽田空港に関する更なる増便」を行うことを検討していない

※<「羽田空港に関する更なる増便」を行うことを検討していない>というのが政府の回答。なんだこれ以上増便しないのか、と思ったあなたは甘い。

現時点において、「検討していない」だけであって、「将来増便しない」とは一言も言っていないのである。

どうせ質問するのであれば、「更なる増便を検討しているか」ではなく、「更なる増便はあり得るのか」と質問すべきであった。

雑感

質問書(約1千200文字)と答弁書(約350文字)は別々の文書なので、上記のように一問一答形式に再構成しないと、内容を的確に把握することはできない。

再構成して見えてきたのは、羽田新ルート推進に突き進む政府のかたくなな姿勢ではないか。

松原議員には、さらに鋭い質問を期待したい。

せっかくの質問主意書・答弁書もマスメディアが取り上げなければ、記録文書の肥しとなるだけだ。弱小なこのブログメディアによる情報が少しでもお役に立てば幸甚。

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