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羽田新ルート|質問主意書(着陸機の降下角度・降下率)

第200回国会(19年10月4日~12月9日)の衆議院の質問主意書186件のなかに、松原仁 衆議院議員(無所属)が投じた、似たような質問主意書が2件。

政府答弁書が12月16日に公開されたので、2件まとめて整理しておいた。

読みやすいように、一問一答形式に再構成。
※以下長文。時間のない方は、「質疑応答のポイント」と文末の「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

松原仁衆議院議員
松原仁 衆議院議員(7期、民進→希望→無所属、早大商卒、63歳)

1.羽田空港への着陸機の降下角度について

羽田空港の新飛行ルートに関して、国土交通省の資料によると、南風15時~19時ルートにおける着陸時の進入角度は3.45度とされている。これは世界の大空港では例を見ない特殊な急降下での進入であり、大きな危険を伴うのではないかとの指摘がある。


本計画は、羽田空港に世界中の航空会社の航空機が乗り入れることを想定しており、飛行経験の少ない外国航空会社の操縦士によるアプローチも多数実施されると考えられる。

問1:操縦士の訓練を要請する計画はあるか?

羽田空港に乗り入れる日本及び外国の航空会社に対し、実機又はシミュレータによる操縦士の訓練を要請する計画はあるか。

答1:必要はないと判断しており、お尋ねのような計画はない

東京国際空港における新たな飛行経路のうち南風好天時に運用される進入経路においては、降下角を3.5度に引き上げることとしている。


当該降下角は我が国及び諸外国の複数の空港の飛行方式において採用されていることから、当該進入経路の飛行方式は御指摘の「特殊な急降下での進入」であるとは考えておらず、当該進入経路の運用に当たっては「実機又はシミュレータによる操縦士の訓練を要請する」必要はないと判断しており、お尋ねのような計画はない

2.羽田空港へ着陸する航空機の降下率について

来年3月より実運用が予定されている羽田空港の新飛行ルートに関して、専門家から、着陸時の降下率が対地高度千フィート以下のエリアでは毎分千フィートを超えないという、所謂スタビライズドアプローチの最重要原則に反した運用をせざるを得ないのではないかとの疑義が呈されている。

問2-1:スタビライズドアプローチと整合性は取れているか?

新飛行ルートの実運用で想定されるRNAV(広域航法)進入下での降下率は、想定される大型機の最大着陸重量では無風下で毎分千フィートを超えるという専門家からの指摘もある。

新飛行ルートの運用に関して、スタビライズドアプローチと整合性は取れているか。

問2-2:マニュアルの修正を想定しているか?

わが国の各航空会社の操縦マニュアル等は、スタビライズドアプローチの理念に沿って作成されているが、こうしたマニュアルの修正を想定しているか。

答2-1&2-2:現時点において、(略)届出はなされていない

Stabilized Approachについては、航空法(昭和27年法律第231号)第104条第1項の規定に基づき本邦航空運送事業者(以下「事業者」という。)が定める運航規程(以下「運航規程」という。)の中に位置付けることとなっており、事業者は国土交通大臣の認可を受けた運航規程に従って航空機を運航しているところ、御指摘の「新飛行ルートの運用」と運航規程との「整合性」については、まずは各事業者が確認するものと認識している。

なお、現時点において、事業者から国土交通省に対しStabilized Approachについての運航規程の変更に係る認可申請又は届出はなされていない

雑感

質問書(約700文字)と答弁書(約800文字)は別々の文書なので、上記のように一問一答形式に再構成しないと、内容を的確に把握することはできない。

2件の質問書のキーワードは、降下角度とStabilized Approach。だた、一般の人は何のことなんか、さっぱり分からないだろう。松原仁議員はこれらの質問主意書を作成するにあたり、航空評論家 杉江弘氏(JAL元機長)に事前相談したという(12月3日開催『都心低空飛行問題シンポジウム第2弾』松原議員の国政報告より)。

極めて簡単にいえば、論点は2つ。

論点1:降下角度3.5度問題

一つ目は、羽田空港への着陸機の降下角度を3度から3.5度に引き上げたことによって、特に飛行経験の少ない外国航空会社のパイロットにとって、着陸操作が難しくなり、事故の危険が増すということ。

国交省は、降下角度3.5度は「我が国及び諸外国の複数の空港の飛行方式において採用されている」から問題ないとして、「実機又はシミュレータによる操縦士の訓練を要請する」必要はないと判断している。

ただ、国交省のいう降下角度3.5度の例とは、稚内空港と米国サンディエゴ空港の特異なケースを指している。

国交省は稚内空港と米国サンディエゴ空港に3.5度の例があるといいますが、稚内空港は東に山があるための設定で航路に住宅は少なく、サンディエゴ空港には大型機はほとんど来ず、航路に人口密集地はありません。しかも、実際は有視界飛行で、降下角を下げて進入しています。

新宿区議会「19年第4回定例会」川村議員質疑応答より)

論点2:安全ポリシーと矛盾する国交省案

二つ目は、安全ポリシーであるStabilized Approach(安定的な進入着陸方式)と国交省案の降下率が整合が取れていないこと。

この問題を指摘する質問主意書に対して、国交省は、「整合性」については、まずは各事業者が確認するものと言い放ち、「事業者から国土交通省に対しStabilized Approachについての運航規程の変更に係る認可申請又は届出はなされていない」と問題を先送りにしている。

※Stabilized Approachについては、「羽田新ルート|国交省の高度引き上げ策、元日本航空機長の指摘」参照。 

あわせて読みたい(松原議員の質問主意書)

これまでに松原仁議員が提出した、羽田新ルートに係る質問主意書関連の記事:

※日付は本ブログで記事化した日

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