来年1月30日から旅客機を使った試験飛行が始まる。
航空評論家 杉江弘氏(JAL元機長)によると、乗客を乗せた旅客機で試験飛行を実施するのだという。
航空券の購入者には飛行検査機であることの事前の承諾を得ているのか。デルタ便の予約状況を調べてみたら……。
乗客乗せて試験飛行、5、6月には決まっていた
乗客を乗せた旅客機で試験飛行することは「すでに5月、6月には出来上がってた」と断言する航空評論家 杉江弘氏(JAL元機長)。
『都心低空飛行問題シンポジウム第2弾』(12月3日開催@大井町)の講演を記録したYouTube動画から、該当か所を書き起こしておいた。
航空評論家 杉江弘氏
私も、一介の航空評論家なんですけども、代議士先生のお計らいによって、この問題を担当している国土交通省の航空局の幹部の皆さんと3回ヒアリングをさせていただきました。
(中略)
もうその話(乗客を乗せた旅客機で試験飛行すること)はすでに5月、6月には出来上がってたんです。
それを証明するような資料が大手の航空会社なんですけれども――大体大手といえばJALとANAですけどね――これを分厚い資料がですね7月25日付で幹部のパイロットに配布されてます。これからすべての機長にこれから配布されていきます。
それでここで、この都心ルートについての飛行方式という、どうやってフライトするんだということが細かく書かれています。その中で1月末にはもう実運用でやるということが書いてあるんですね。
これはちょっと、こういうこと言ってるのに、私たちには、マスコミには11月半ばに発表したというのがちょっと誠実さがないと思います。
デルタ便の予約状況を調べてみた
航空券の購入者には飛行検査機であることの事前の承諾を得ているのだろうか。事前の承諾なしに搭乗させられて、あとで訴訟になることはないのか。飛行検査機への利用者の運賃は値引きするのか。
羽田の増便枠を最も多く獲得したのはデルタ航空。デルタ航空はすでに増便枠の航空券の販売を開始している。そこで、DL69便(ポートランド13:50⇒16:35羽田 A330-200)の予約状況を確認してみた。
デルタ航空のサイトにアクセスし、3月31日・PDX(ポートランド)⇒HND(羽田)で検索する(次図)。
DL69便はすでに予約を受け付けていることが確認できる(次図)。
ただ、試験飛行便であるような注釈はどこにも見当たらない。
乗客を乗せてリスクが高いといわれている降下角3.5度の飛行試験もやろうということになるのか。もしそうだとすれば、安全より経済性を優先させているということにならないのか。
【追記(12月16日)】米国航空会社3社の予約状況
羽田増便に係るデルタ航空以外の米国航空会社3社(アメリカン、ユナイテッド、ハワイアン)についても、各サイトで予約状況(米国発3月31日⇒羽田着)を調べてみた。
唯一ハワイアン(HA863 ホノルル12:30⇒17:10羽田)だけが「このフライトは、政府の承認を必要とします」との吹き出しが表示された(次図)。
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