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羽田新ルート|2020都知事選の結果を可視化(12区まとめ)

2020年7月の都知事選挙は小池氏の圧勝だった。

羽田新ルートは区民の投票率にどの程度影響を与えたのか。これまで南風時に都心上空を通過して羽田に到着するルートが通過する11の区と、区境が同ルートから500mほどの距離にある杉並区につき、分析してきた。

これら12区のデータを合体し、羽田新ルートの2020年の都知事選への影響を俯瞰する。

※区境が同ルートから1.5kmほどの距離にある世田谷区についても分析対象に加えたかったのだが、同区選管はまだ関連資料を公開できないということだったので断念した。

羽田新ルート概念図
(羽田新ルート概念図 ※ピンク色は、分析対象区を示す)


もくじ

2020年都知事選挙

町丁目別の投票率ランキング

投票所ごとのデータを町丁目ごとに集計し、20年都知事選挙の投票率を算出した。
12区の全1,511町丁目(無人区を除く)の投票率ランキングのうちベスト10・ワースト10を以下に示す。

※23区の20年都知事選挙の平均投票率は54.91%。

ベスト10

光が丘3丁目の投票率がダントツ。

  • 1位:光が丘3丁目(練馬)66.86%
  • 2位:赤羽台2丁目(北)66.15%
  • 3位:光が丘7丁目(練馬)64.96%
  • 4位:市谷田町2丁目(新宿)64.11%
  • 4位:市谷田町3丁目(新宿)64.11%
  • 4位:市谷船河原町(新宿)64.11%
  • 4位:市谷砂土原町3丁目(新宿)64.11%
  • 4位:払方町(新宿)64.11%
  • 4位:南町(新宿)64.11%
  • 4位:中町(新宿)64.11%
  • 4位:北町(新宿)64.11%

ワースト10

ワースト(いずれも投票区27:新宿区役所第一分庁舎)は投票率30%に迫る低さ。歌舞伎町2丁目以外は日本人の人口が少ないので、有権者の一人ひとりの投票行動が敏感に影響する。(住民基本台帳日本人のみ20年7月1日現在:新宿3丁目127人、新宿4丁目269人、歌舞伎町1丁目183人、歌舞伎町2丁目1801人)

  • 1位:新宿3丁目(新宿)30.69%
  • 1位:新宿4丁目(新宿)30.69%
  • 1位:歌舞伎町1丁目(新宿)30.69%
  • 1位:歌舞伎町2丁目(新宿)30.69%
  • 5位:新宿5丁目(新宿)38.90%
  • 6位:羽田旭町(大田)39.47%
  • 6位:東糀谷3丁目(大田)39.47%
  • 8位:六本木4丁目(港)40.23%
  • 8位:六本木7丁目(港)40.23%
  • 10位:大久保1丁目(新宿)41.01%

【注記】

  • 投票所(=投票区)ごとのデータを町丁目ごとに集計する際に、複数の町丁目にまたがって投票所が設定されている場合には、複数の投票所の当日有権者数と投票者数を合わせて、投票率を算出した。
    たとえば、A1丁目のうち、1~8番地の住民の投票所がa小学校、9~49番地の住民の投票所がa幼稚園だった場合、A1丁目の投票率としては、2か所の投票所の当日有権者数と投票者数を合わせて、投票率を算出した。
  • ランキングに同順位が多く見られるのは、たまたまそうであった場合のほか、次の理由による。
    1つの投票所(=投票区)に複数の投票区域(=町丁目)が設定されている場合には、当該投票区域の投票率は同じになる。
投票率の分布図

20年都知事選挙につき、12区に係る町丁目別の投票率データを地図に落としたのが次図。

羽田新ルートの騒音影響が大きい区であるにもかかわらず、新宿・港・大田区の相対的な投票率の低さが目立つ。

都知事選の投票率(20年)

投票率の変化(20年-16年)

町丁目別の投票率ランキング

投票率の変化(前回16年との差)につき、ベスト10・ワースト10を以下に示す。

ベスト10

小池知事の圧勝が予想されていたこともあり、ほとんどの地区で前回よりも投票率が低下した。

低下しなかったのは1,511町丁目のうち16町丁目(1.1%)。1位の東池袋1丁目(豊島)は投票率が1.61%(=51.26%-49.65 %)まで上昇。極めて異質。

  • 1位:東池袋1丁目(豊島)1.61%
  • 2位:大和町1丁目(中野)1.39%
  • 3位:高円寺南2丁目(杉並)1.37%
  • 4位:宇田川町(渋谷)0.84%
  • 5位:神南1丁目(渋谷)0.84%
  • 6位:神南2丁目(渋谷)0.84%
  • 7位:高円寺北2丁目(杉並)0.79%
  • 8位:高円寺南4丁目(杉並)0.79%
  • 9位:榎町(新宿)0.65%
  • 10位:元代々木町(渋谷)0.55%

ワースト10

ワースト10のほとんどを港区が占めている。

1位は(いずれも投票区34:青山小学校)は、前回よりも10%以上投投票率が低下。

  • 1位:南青山2丁目(港)-10.71%
  • 1位:北青山1丁目(港)-10.71%
  • 1位:北青山2丁目(港)-10.31%
  • 1位:三田1丁目(港)-10.16%
  • 5位:広尾4丁目(渋谷)-9.98%
  • 6位:三田2丁目(港)-9.71%
  • 7位:三田5丁目(港)-9.52%
  • 8位:海岸2丁目(港)-9.24%
  • 8位:芝1丁目(港)-9.24%
  • 8位:虎ノ門1丁目(港)-9.24%
  • 8位:虎ノ門2丁目(港)-9.24%
  • 8位:虎ノ門3丁目(港)-9.24%
  • 8位:虎ノ門4丁目(港)-9.24%
  • 8位:虎ノ門5丁目(港)-9.24%
投票率の分布図

投票率の変化(前回16年との差)を地図に落としたのが次図。

港区の投票率の低下が際立つ一方で、羽田新ルートの騒音影響が大きい中野・新宿・渋谷・品川区の投票率の低下の幅が小さいように見えないだろか。

都知事選の投票率(20年-16年)

まとめ

投票率の変化(前回16年との差)を可視化した分布図から、港区の投票率の低下が際立つ一方で、羽田新ルートの騒音影響が大きい中野・新宿・渋谷・品川区の投票率の低下の幅が小さいように見えないだろか(上図)。

あわせて読みたい

12区の全1,511町丁目(無人区を除く)の町丁目別の投票率をnoteに公開(一部有料)。

投票区域ごとの投票率を掲載するために、一部の区の選挙管理事務所事務局から必要なデータを入手するなど、けっこうな時間と経費をかけた。皆様からの温かいカンパを賜れば幸甚。

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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