2020年7月の都知事選挙は小池氏の圧勝だった。
羽田新ルートは目黒区民の投票率にどの程度影響を与えたのか。目黒区選挙管理委員会事務局から入手した投票所別の有権者数・投票者数・投票率データを可視化分析してみた。
※他区の分析結果:港、新宿、品川、大田、渋谷、中野、豊島、北、板橋、練馬
目黒区選管から入手した都知事選挙データ(PDF:309KB)
羽田新ルート通過、26地域に及ぶ
筆者の独自調査によれば、目黒区民の8%(2万人)が騒音の影響を受ける。羽田新ルートが通過する地域は、2地域に及ぶ(次図)。
- A滑走路到着ルート
三田2丁目、目黒1丁目
町丁目別の投票率ランキング(20年)
投票所ごとのデータを町丁目ごとに集計し、20年都知事選挙の投票率を算出した。
全88地域の投票率ランキングのうち上位10地域と下位10地域を下記に示す。
※目黒区の20年都知事選挙の平均投票率は54.62%。
- 1位:碑文谷3丁目(58.17%)
- 1位:碑文谷4丁目(58.17%)
- 3位:碑文谷2丁目(58.11%)
- 4位:原町2丁目(57.58%)
- 4位:南1丁目(57.58%)
- 6位:洗足2丁目(57.35%)
- 7位:洗足1丁目(57.09%)
- 8位:下目黒6丁目(56.76%)
- 9位:中町2丁目(56.73%)
- 10位:碑文谷1丁目(56.68%)
- 省略(11位から77位)
- 78位:青葉台4丁目(51.28%)
- 78位:大橋2丁目(51.28%)
- 80位:下目黒1丁目(51.17%)
- 80位:下目黒2丁目(51.17%)
- 82位:柿の木坂3丁目(51.03%)
- 82位:東が丘1丁目(51.03%)
- 82位:東が丘2丁目(51.03%)
- 85位:青葉台1丁目(49.08%)
- 85位:青葉台2丁目(49.08%)
- 85位:青葉台3丁目(49.08%)
- 85位:大橋1丁目(49.08%)
【注記】
投票所ごとのデータを町丁目ごとに集計する際に、複数の町丁目にまたがって投票所が設定されている場合には、複数の投票所の当日有権者数と投票者数を合わせて、投票率を算出した。
たとえば、A1丁目のうち、1~8番地の住民の投票所がa小学校、9~49番地の住民の投票所がa幼稚園だった場合、A1丁目の投票率としては、2か所の投票所の当日有権者数と投票者数を合わせて、投票率を算出した。
投票率の分布図
20年:碑文谷の投票率が高い
20年都知事選挙につき、目黒区に係る町丁目別の投票率データを地図に落としたのが次図。
碑文谷の投票率が高い。羽田新ルートの影響は特に見られない。
- 1位:碑文谷3丁目(58.17%)
- 1位:碑文谷4丁目(58.17%)
- 3位:碑文谷2丁目(58.11%)
- 4位:原町2丁目(57.58%)
- 4位:南1丁目(57.58%)
- 6位:洗足2丁目(57.35%)
- 7位:洗足1丁目(57.09%)
- 8位:下目黒6丁目(56.76%)
- 9位:中町2丁目(56.73%)
- 10位:碑文谷1丁目(56.68%)
16年:碑文谷の投票率が高い
前回(16年)の目黒区に係る町丁目別の投票率データを地図に落としたのが次図。
前回(16年)も今回(20年)同様、碑文谷の投票率が高かった。
- 1位:碑文谷3丁目(64.78%)
- 1位:碑文谷4丁目(64.78%)
- 3位:柿の木坂2丁目(63.59%)
- 3位:洗足1丁目(63.59%)
- 3位:八雲4丁目(63.59%)
- 3位:八雲5丁目(63.59%)
- 7位:八雲3丁目(63.31%)
- 8位:中根2丁目(62.84%)
- 9位:洗足2丁目(62.70%)
- 10位:碑文谷2丁目(62.63%)
町丁目別の投票率の変化(20年-16年):全ての地域において投票率が低下
さらに、投票率の変化(前回16年との差)を地図に落としたのが次図。
全ての地域において、今回(20年)は前回(16年)よりも投票率が低下している。特に目黒区の南西部で著しい。
羽田新ルートの影響は特に見られない。
- 78位:原町1丁目(-7.12%)
- 78位:目黒本町6丁目(-7.12%)
- 80位:中根1丁目(-7.17%)
- 80位:八雲2丁目(-7.17%)
- 82位:柿の木坂1丁目(-7.50%)
- 82位:八雲1丁目(-7.50%)
- 84位:大岡山2丁目(-7.61%)
- 84位:緑が丘3丁目(-7.61%)
- 86位:柿の木坂2丁目(-7.84%)
- 86位:八雲4丁目(-7.84%)
- 86位:八雲5丁目(-7.84%)
まとめ
投票率の地域分布からは、羽田新ルートの影響は特に見られない。
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