小池氏の圧勝状況については、昨日のブログに詳しく書いた。
2016年と2020年の小池氏の得票率を振り返ってみて、興味深いことに気がついた。というのは……。
小池1強、他候補の得票率の地域差は誤差
小池氏の得票率を地図に落とした図を改めて見てみると、小池1強の前では、他の候補の得票率の地域差は誤差と言えるのかもしれない。
前回2016年の都知事選での小池氏の勝ちっぷりをご記憶だろうか。
今回(得票率59.7%)ほどではないが、前回(得票率44.5%)も圧勝だった(次図)。
と、前回と今回の小池氏の得票率を振り返ってみて、興味深いことに気がついた。
小池氏の勢力図に変化
小池氏の得票率は全ての区市町村において、前回よりも今回のほうが高い。ところが、地図に落としてみると極めて特徴的な傾向がみられるのだ。
2016年、都心部での得票率が高い
まず、前回2016年の小池氏の得票率の分布。都心部での得票率が高い(次図)。
小池氏の得票率TOP10はすべて区内だった。
- 1位:豊島区(53.0%)
- 2位:中央区(50.7%)
- 3位:港区(49.1%)
- 4位:千代田区(48.4%)
- 5位:練馬区(47.5%)
- 6位:墨田区(46.8%)
- 7位:江東区(46.3%)
- 8位:台東区(46.3%)
- 8位:品川区(46.2%)
- 10位:渋谷区(46.0%)
2020年、都心部での得票率が低い
次に、今回2020年の小池氏の得票率の分布。都心部での得票率が低い(次図)。
小池氏の得票率TOP10に、区は含まれていない。
- 1位:奥多摩町(79.5%)
- 2位:檜原村(77.6%)
- 3位:瑞穂町(74.5%)
- 4位:日の出町(71.8%)
- 5位:あきる野市(70.1%)
- 6位:武蔵村山市(69.3%)
- 7位:青梅市(68.7%)
- 8位:羽村市(67.9%)
- 8位:昭島市(66.3%)
- 10位:福生市(66.2%)
都心部住民、小池氏の虚像に見切りをつけた!?
さらに、前回と今回の得票率の差(20年-16年)の分布。小池氏の得票率は都心部になるほど増加していないのだ(次図)。
得票率の増加(20年-16年)が少なかったTOP10は、区に占められている。
- 1位:港区(3.6%)
- 2位:豊島区(5.0%)
- 3位:中央区(5.7%)
- 3位:渋谷区(5.7%)
- 5位:千代田区(6.4%)
- 6位:目黒区(7.5%)
- 7位:文京区(8.5%)
- 8位:新宿区(9.0%)
- 9位:杉並区(9.6%)
- 10位:世田谷区(10.2%)
前回の都知事選で古い自民党政治から脱却し都政の刷新を謳った小池劇場に敏感に反応した都心部の住民は、公約である「7つのゼロ」を達成できなかった小池氏の虚像に見切りをつけたということではないのか。
都心部で生き馬の目を抜く暮らしをしている住民と比べると、郊外に住む都民は情報感度が鈍いのか……。
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