2020年7月の都知事選挙は小池氏の圧勝だった。
羽田新ルートは練馬区民の投票率にどの程度影響を与えたのか。練馬区HP公開データ(後述【参考】)をもとに可視化分析してみた。
※他区の分析結果:港、新宿、品川、目黒、大田、渋谷、中野、豊島、北、板橋
羽田新ルート通過、37地域に及ぶ
筆者の独自調査によれば、練馬区民の3割(21万人)が騒音の影響を受ける。羽田新ルートが通過する地域は、37地域に及ぶ(次図)。
- A滑走路到着ルート
(好天時のみ)
田柄5丁目、光が丘2丁目、光が丘4丁目、旭町2丁目
(悪天時のみ)
旭丘1丁目、高松5丁目、光が丘3丁目、光が丘5丁目
(好&悪天時)
豊玉南3丁目、中村1丁目、中村南1丁目、中村北1丁目、中村北2丁目、向山1丁目、向山2丁目、向山4丁目、春日町5丁目、春日町6丁目、高松1丁目、高松4丁 - C滑走路到着ルート(悪天時)
豊玉上1丁目、豊玉上2丁目、豊玉北1丁目、豊玉北2丁目、桜台1丁目、桜台2丁目、桜台4丁目、桜台5丁目、桜台6丁目、早宮1丁目、早宮2丁目、早宮3丁目、早宮4丁目、春日町2丁目、北町6丁目、田柄1丁目、田柄2丁目
町丁目別の投票率ランキング(20年)
投票所ごとのデータを町丁目ごとに集計し、20年都知事選挙の投票率を算出した。
全202町丁目の投票率ランキングのうち上位10と下位10を下記に示す。
※光が丘4丁目は人口ゼロ。
※練馬区の20年都知事選挙の平均投票率は55.74%。
- 1位:光が丘3丁目(66.86%)
- 2位:光が丘7丁目(64.96%)
- 3位:高松5丁目(61.13%)
- 4位:羽沢1丁目(60.33%)
- 4位:栄町(60.33%)
- 6位:関町南2丁目(60.30%)
- 7位:立野町(60.30%)
- 8位:光が丘1丁目(59.71%)
- 9位:石神井町2丁目(59.28%)
- 9位:石神井町4丁目(59.28%)
- 9位:石神井町8丁目(59.28%)
- 省略(11位から187位)
- 188位:南田中1丁目(51.65%)
- 188位:南田中2丁目(51.65%)
- 188位:南田中3丁目(51.65%)
- 188位:富士見台1丁目(51.65%)
- 188位:富士見台2丁目(51.65%)
- 193位:北町2丁目(51.49%)
- 193位:北町3丁目(51.49%)
- 193位:北町4丁目(51.49%)
- 196位:大泉町1丁目(51.37%)
- 197位:土支田4丁目(51.36%)
- 198位:大泉学園町7丁目(51.1%)
- 198位:大泉学園町8丁目(51.1%)
- 200位:錦2丁目(50.1%)
- 200位:北町1丁目(50.1%)
- 202位:大泉学園町9丁目(49.36%)
【注記】
- 投票所ごとのデータを町丁目ごとに集計する際に、複数の町丁目にまたがって投票所が設定されている場合には、複数の投票所の当日有権者数と投票者数を合わせて、投票率を算出した。
たとえば、A1丁目のうち、1~8番地の住民の投票所がa小学校、9~49番地の住民の投票所がa幼稚園だった場合、A1丁目の投票率としては、2か所の投票所の当日有権者数と投票者数を合わせて、投票率を算出した。
投票率の分布図
20年:光が丘3丁目・7丁目の投票率がダントツで高い
20年都知事選挙につき、練馬区に係る町丁目別の投票率データを地図に落としたのが次図。
最寄り駅光が丘で、互いに隣接する光が丘3丁目と7丁目の投票率がダントツで高い。投票率が低いのは区内の北西部と北東部。
羽田新ルートの影響は特に見られない。
- 1位:光が丘3丁目(66.86%)
- 2位:光が丘7丁目(64.96%)
- 3位:高松5丁目(61.13%)
- 4位:羽沢1丁目(60.33%)
- 4位:栄町(60.33%)
- 6位:関町南2丁目(60.30%)
- 7位:立野町(60.30%)
- 8位:光が丘1丁目(59.71%)
- 9位:石神井町2丁目(59.28%)
- 9位:石神井町4丁目(59.28%)
- 9位:石神井町8丁目(59.28%)
16年:1位の光が丘3丁目は72.39%
前回(16年)の練馬区に係る町丁目別の投票率データを地図に落としたのが次図。
前回(16年)も今回(20年)と同様に、光が丘3丁目と7丁目の投票率がダントツで高かった。1位の光が丘3丁目は70%を超え(72.39%)。
- 1位:光が丘3丁目(72.39%)
- 2位:光が丘7丁目(69.82%)
- 3位:高松5丁目(66.86%)
- 4位:光が丘1丁目(66.23%)
- 5位:早宮3丁目(65.60%)
- 5位:早宮4丁目(65.60%)
- 7位:旭町1丁目(64.70%)
- 7位:光が丘5丁目(64.70%)
- 7位:光が丘6丁目(64.70%)
- 10位:田柄3丁目(63.89%)
- 10位:田柄5丁目(63.89%)
町丁目別の投票率の変化(20年-16年):全ての地域において投票率が低下
さらに、投票率の変化(前回16年との差)を地図に落としたのが次図。
全ての地域において、今回(20年)は前回(16年)よりも投票率が低下している。低下が著しいのは区内北西部の大泉学園町。
羽田新ルートの影響は特に見られない。
- 193位:大泉学園町1丁目(-7.28%)
- 194位:西大泉4丁目(-7.30%)
- 195位:大泉学園町5丁目(-7.50%)
- 196位:大泉学園町6丁目(-7.57%)
- 197位:田柄1丁目(-7.70%)
- 197位:大泉町3丁目(-7.70%)
- 199位:大泉学園町4丁目(-7.75%)
- 200位:大泉学園町7丁目(-7.78%)
- 200位:大泉学園町8丁目(-7.78%)
- 202位:大泉学園町9丁目(-7.87%)
まとめ
投票率の地域分布からは、羽田新ルートの影響は特に見られない。
【参考】投票区別の投票率などの出典
練馬区選管から投票区別の投票率など資料を入手したが、その後、同区HPで同様の資料が公開されていることが判明。下記にリンクを貼っておく。
- 庁議の記録(2020年度)第2回定例庁議|練馬区
- 庁議の記録(2016年度)第5回定例庁議|練馬区
- 投票区と投票所一覧(2020年)|練馬区
- 投票区と投票所一覧(2016年)|練馬区 ←Wayback Machine
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