国交省が「丁寧で分かりやすい情報提供を行っています」として羽田新ルートが通過する自治体の住民を対象にポスティングしたチラシ(次図)には、国交省に都合のいい情報ばかりが目立つ。
このブログで書いてきた羽田新ルート関連記事のうち、特に大田区民に係る情報をまとめておいた。
基本情報
羽田新ルート概念図
国交省作成資料に筆者加筆(ピンク色部分)
- 南風時(年間の約4割)の午後3時から7時のうち3時間
- A滑走路到着ルート:1時間当たり14回(4分17秒ごと)
- C滑走路到着ルート:1時間当たり30回(2分ごと)
- B滑走路出発ルート:1時間当たり20回(3分ごと)
羽田新ルートが通過する地域(10地域)
羽田新ルートは大田区内の10地域の上空を通過する(次図)。
- A滑走路到着ルート
東海2丁目、京浜島1丁目、京浜島2丁目、京浜島3丁目 - C滑走路到着ルート
東海4丁目、東海5丁目、東海6丁目、城南島2丁目、城南島3丁目、城南島6丁目 - B滑走路出発ルート
なし
大田区民0.03%(約200人)が騒音の影響を受ける
A滑走路到着ルート212人、C滑走路到着ルート5人、B滑走路出発ルート0人。
大田区民72万人のうち、200人程度が羽田新ルートの騒音の影響を受ける(次表)。
「羽田新ルート|大田区民0.03%(約200人)が騒音の影響」より
航空機騒音の測定結果
大田区(3か所)
大田区では独自に、騒音測定を実施している。調査地点は3か所(大田市場・ 中富小学校・新仲七町会会館)(次図)。
「航空機騒音固定点調査」より
大田区が毎年公表している「環境調査報告書」のなかに、「航空機騒音固定点調査」の結果が掲載されている。
「航空機騒音固定点調査」には、調査地点ごとに毎月の最大騒音レベルや騒音発生回数なのデータが掲載されている。最大騒音レベルの月次変化を可視化したのが次図。
※上図の最大騒音レベルは、羽田新ルートの運用時間帯に限らないことと、ヘリの騒音が含まれている可能性があることにつき、要留意。
東京都(測定局なし)
東京都が羽田新ルート周辺で騒音をモニタリングしている測定局は5か所。うち大田区内はゼロ。
※参考「東京都の騒音測定結果を可視化※随時更新」
国交省(大森第五小・羽田小)
国交省が騒音データを公表している測定局のうち大田区内では2か所(大森第五小学校・羽田小学校)に設置されている。
- 大森第五小学校
A滑走路到着ルートの側方1.2km程度に位置する
飛行高度約210m - 羽田小学校
B滑走路西側出発ルートの側方1km程度、羽田空港からは800m程度に位置する
飛行高度約150m
※参考「国交省の騒音測定データを可視化※随時更新」
反対運動
羽田空港増便問題を考える会 (HP、Facebook、Twitter)
大田区議会
大田区議会の定例会本会議での代表・一般質疑応答(まとめ)
羽田新ルートに係る請願・陳情の採決状況(19~20年)
- 不採択16件以上
大田区議会のパワーバランス
19年4月21日の統一地方選挙後の大田区議会のパワーバランスは、羽田新ルートを推進している自公の割合が5割を超えている(次図)。
質問主意書
- 大田区との約束は!?
2010年に国交省と大田区との間で交わされた約束(飛行ルート・時間帯)が守られていないのではないのかという松原仁衆議院議員の質問に対する政府回答。 - 京浜島の事業者・労働者への影響
「過去に行政訴訟を起こした京浜島の事業者、もしくは前述のCグループに属する事業者に対し、新飛行経路案の説明を一般に公開された説明会とは別に行ったか。行っていない場合、今後そのような個別の説明会の要望があれば開催を検討するか」という松原仁衆議院議員の質問に対する政府回答。
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