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羽田新ルート|大田区議会「19年第3回定例会」質疑応答

大田区議会「19年第3回定例会」本会議の代表質問(9月12日)で、羽田新ルートに関して、伊佐治剛議員(自民)、大竹辰治議員(共産)の質疑応答があった。

映像動画(録画)をもとに、テキスト化(約4千500文字)しておいた。

※以下長文なので、時間のない方は「質疑応答のポイント」と最後の「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

※回答は、大田区長 


伊佐治剛議員(自民)

伊佐治剛議員(自民)
伊佐治剛 議員(自民党、区議3期、明大大学院ガバナンス研究科修了、40歳)

質問1-1:区長は国交省に、どのような形で意見の反映や要望を?

次に、羽田空港における新飛行経路運用開始、国際線増便についてですが、羽田空港の機能強化につきましては、8月8日に国土交通省から、2020年3月29日の夏ダイヤからの新飛行経路の運用開始および国際線の増便を行う旨が発表がありました。


発表によると、首都圏や日本の国際競争力の強化、地域と海外の交流による地域活性化、訪日外国人の旅行者のさらなる受け入れのためには、羽田空港の機能強化が必要不可欠とし、これまで計4回の「首都圏空港機能強化の具体化に向けた協議会」において、関係自治体等との協議を重ねるとともに、地域の皆様に丁寧な情報提供を実施してきたとしています。そのうえで、本件については国の責任において判断をしたとしています。


この国交省主催の具体化協議会は、関係自治体の副知事、政令市の副市長などが構成員で、大田区長は含まれていませんが、空港を抱える地元自治体としての意見反映や要望の実現は大変重要なことであると認識をしております。
この間、区長は国土交通省に対して、どのような形で意見の反映や要望を行ってきたのでしょうか

質問1-2:5本目の滑走路の増設、時期尚早な報道では?

また、過日の新聞報道(筆者注:8月22日読売報道)によりますと、東京都が羽田空港で5本目となる滑走路の増設に向け、国土交通省との本格的な協議に着手する方針を固めたとありました。


国は首都圏空港機能強化技術検討小委員会の中間取りまとめにおいて、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催以降の方策として5本目の滑走路の増設についても検討していますが、工事費用や期間、管制、工法に関する技術向上など、様々な観点から、引き続き技術的に検討していく必要があるとしています。


様々な課題があるなかで、時期尚早な報道ではないのでしょうか。この件について区の考えをお聞かせください。

松原忠義 大田区長
松原忠義 大田区長(無所属、4期、早大法卒・明大院卒、76歳)

回答1-1:3回にわたり国交大臣に要望

次に、(羽田空港の)機能強化に係る大田区の意見反映や要望についてのご質問でございますが、区は国の提案当初より区民生活への影響が懸念されることから、重大なものと受け止め、区民の皆さんへのより丁寧な説明や騒音対策、安全対策等について3回にわたり国土交通大臣に要望してまいりました


その結果、騒音影響の軽減等に向けた環境影響等に配慮した方策や落下物対策を含む安全対策が講じられ、さらに追加対策も発表されております。


国の具体化協議会に反映することを目的に、7月30日に開催された東京都の「(羽田空港の)機能強化に関する都及び関係区市町村連絡会」においても、区として要望してきたことの再確認を行うとともに、その場で国から示された回答は要望書等の経緯を踏まえたものとなっております。


(羽田空港の)機能強化は国の航空政策ですが、空港を抱える自治体としては、要望してきたことに対する取り組み状況をしっかりと注視してまいります。


そのうえで、引き続き説明会の継続実施と国が掲げた安全対策や環境対策などについての確実な取り組みとその検証や評価を含めたさらなる対策の強化および徹底を強く求めてまいります。

回答1-2:報道にあるような・・・事実はなく

次に、東京都の5本目の滑走路増設に向けて、国との協議に着手するという方針に関する新聞報道についてでございますが、区として東京都に確認しましたところ、報道にあるような羽田空港の滑走路増設に向けて国と具体的に協議を行うという方針を固めたという事実はなく、また地元自治体などとの調整を進めるという方針という事実もないとの回答でございました。


現時点では2020年3月からの新飛行経路の運用開始、国際便増便が決定されたところであり、これまで区が国に要望してきたことに対する国の対応や取り組み状況をしっかり注視するともに必要な協議を進めていく段階です。

 

今後も私といたしましては空港を抱える自治体の長として、現行の課題に対して精力的に取り組んでまいります。

大竹辰治議員(共産)

大竹辰治議員(共産)
大竹辰治 議員(共産党、区議8期、旭川西高卒、67歳)

質問2-1:大田区は都の意見書案に異論を述べなかった

2つ目は羽田空港機能強化についてです。

8月8日国土交通省は、国際競争力強化や訪日外国人旅行客の受け入れ拡大などを口実に、羽田空港を発着する航空機が都心上空を低空飛行する新たな飛行ルート案を決定し、2020年3月29日より新飛行経路の運航を開始し、羽田空港において国際線を年間約3万9千回増便することを公表しました。


当区議団は、機能強化新飛行ルート案によって起きる問題の対策ははっきりせず、また区民からも様々な意見・不安が出されている現状では、到底容認できる状況にないことは明らかとの立場から、以下の申し入れを行ってきました。

  • 7月29日に、7月30日に開催される「羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会第1回」について出席される副区長は現状での羽田新飛行ルート案に反対の意見表明をするよう緊急申し入れを行いました。

  • 8月5日には、当区議団を含む16名の区民・区議会議員の連名で要望書を多くの大田区民の納得のないままの状況では大田区として新飛行ルート案を容認することはできないので、反対することと申し入れました。

  • 8月7日大田区として羽田空港新飛行ルート案に明確に反対することを再度要望します。また、この間、大田区として反対の意思表明をしなかったのはなぜか、と松原区長に公開質問状を提出していました。


7日に行われた協議会で新飛行ルートの運行について、長谷川明副知事が国の案に沿って着実に進めてほしいと容認。翌日の国土交通省が20年3月29日から運行を始めると発表しました。


わが党都議団の情報公開請求で、東京都の意思表明にあたって事前に関係市区に議事内容の確認とともに、都の意見案についての意見が求められ、大田区も含めて、すべての自治体が「なし」と回答していることが分かりました。


大田区は、都の意見書案に異論を述べなかったことは、長谷川明副知事の容認と同じ立場ではないですか。お答えください。

質問2-2:新飛行ルート案の撤回を求めるべき

新ルート案は、南風時、年平均4割の離着陸は午後3時から7時の実質3時間について、1時間あたり80回を90回に増やす計画で、様々な問題点が指摘されて、住民の不安も広がっています。この間、基本とする運航方式であった「海から入って、海に出る」が変更になり、都心上空を低飛行することになり、騒音、落下物、環境悪化等を指摘されています。


また、国土交通省が追加対策で騒音を少しでも軽減するとして、飛行機の着陸時の降下角を現行の3度から3.5度に引き上げると打ち出しました。

これに対して航空評論家で元JAL機長は「世界の大空港では降下角は3度です。パイロットにとっては、降下角は0.1度変わるだけで外の景色、高さは全く違って見えます。かつて世界一着陸が難しいと言われた香港啓徳空港―現在は閉鎖―でも、降下角は3.1度でした。降下角3.5度は世界のほぼ全てのパイロットが経験したことのない急角度になる大問題です」と語っています。


8月16日の区議会特別委員会で、国土交通省の新飛行ルート案の決定についての報告があり、議論になりました。
「8月8日の記者会見で、石井国土交通大臣が『関係自治体等からいただいた騒音、落下物対策や引き続きの情報提供に関するご意見・ご要望をしっかり受け止め、丁寧に対応していくことを前提に地元の理解が得られたものと判断したところです』と述べられているが、7月30日の区市連絡会で、羽田空港の地元大田区は理解をしたと述べたのか」と質問しました。


特別委員会での区の答弁は「国の責任において対策等を行っていくものと考えている。区として国に対し、対策と丁寧な説明を求めていく。さらなる対策と丁寧な説明を求めていく」。極めて区民の立場、自治体の立場に立っていないものです。


国は増便の影響により新たに発生する危険、騒音、落下物の増大、環境悪化など、対策を打ち出しましたが、最大の対策は増便しないことです。

住民の安心・安全、暮らしを守る地方自治体としての役割を発揮し、新飛行ルート案の撤回を求めるべきです。お答えください。

松原忠義 大田区長 
松原忠義 大田区長 

回答2-1:要望してきた内容が盛り込まれているから、意見は申し上げておりません

次に、「(羽田空港の)機能強化に係る東京都の意見案に異論を述べなかったのは副知事の容認の意見表明と同じ立場ではないか」とのご質問でございますが、議員お話の東京都の意見案は8月1日に書面開催された「羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会 幹事会」において情報共有、確認を求められたものでございます。


意見案は国主催の「首都圏空港機能強化の具体化に向けた協議会」において東京都が国に伝える意見骨子案で、そのなかに国に伝える関係区市の意見が挙げられていました。この関係区市の意見につきましては、これまで区が要望してきた内容が盛り込まれていることから、特段意見は申し上げておりません


議員お話しの長谷川副知事の「機能強化の実現に向け、着実に進めてほしい」という意見は東京都としての意見であり、大田区に意見を求められたものではないと考えております。

議場:ざわめき

回答2-2:今後も国に対し、さらなる対策の強化を強く求めてまいります

次に、「住民の暮らしなどを守る自治体としての役割を発揮し、新飛行ルート案の撤回を求めるべき」とのご質問でございますが、国土交通省は航空機の新飛行経路の設定等、機能強化については国の判断・責任で実施するとしています


区は区民生活への影響が懸念されることから、提案当初から重大なものと受け止め、国に対し様々な要望をしてまいりました。国はこれらの要望に対し、騒音影響の軽減に向けた環境影響等に配慮した方策や落下物対策を含む安全対策を講じてきております。


さらに、この7月には追加対策として、低騒音機の導入促進に向けた国際線着陸料の再見直しを行うとともに、B滑走路西向き離陸については、これまで区が強く要望してきたことを踏まえ長距離国際線の制限、機材制限等の方策を打ち出しています。


区は地元自治体の責務として、今後も国に対し、これらの対策の確実な実効性ある取り組みと新たな技術や知見を活かしたさらなる対策の強化を強く求めてまいります

雑感(時間だけが過ぎていく…)

大田区では未だに教室型説明会さえ実現していない。今年の5月に6日間、「情報発信拠点」(パネル展示)が開設されただけ。

航空法によれば、大田区は着陸滑走路の延長線15km以内に含まれているので、公聴会の対象自治体になるはずなのだが(羽田新ルート|公聴会の開催時期、公述できる人など )、そんなことも質疑の論点に上がらず、第5滑走路増設(かなり先の話)や、異論を言わなかった(過去の話)というような論議をしている場合だろうか。

大田区議会でも時間だけが過ぎていく……。

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