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2021都議選|羽田新ルートに係るアンケート結果(品川区からの立候補予定者)

「羽田新飛行ルートの賛否を問う 品川区民投票を成功させる会」(堀利和 代表)は5月28日、品川区からの都議機議員選挙候補予定者宛に実施したアンケート結果を公表。

東京新聞の情勢分析記事とともにアンケート結果をまとめておいた。

※敬称略


もくじ

自民の議席奪還なるか(東京新聞)

定数4に対して7名が挑む。

<都議選 対決の構図>(3)品川、目黒=自民の議席奪還なるか 大田=定数1減で激戦に拍車

(前略)

品川区(定数4…立候補予定者7)
  都 筒井洋介 41 新
  自 田中豪 58 元
  自 沢田洋和 40 新
  公 伊藤興一 60 現
  共 白石民男 39 現
  立 阿部祐美子 56 新
  無 森沢恭子 42 現
前回2人当選の都民ファは1人が離党、もう1人は不出馬を決め、新人筒井の1人を公認した。共倒れだった自民は、1職田中と新人沢田の同じ顔触れで挑戦し、議席奪還を図る。公明は現職伊藤が5選、共産は現職白石が3選をそれぞれ目指す。立民は新人阿部を擁立する。前回、都民ファでトップ当選だった現職森沢は、無所属で再選を狙う。(以下略)

(東京新聞 5月28日)

アンケート内容

「羽田新飛行ルートの賛否を問う 品川区民投票を成功させる会」(堀利和代表)が5月10日に都議機議員選挙候補予定者宛に実施した「羽田新飛行ルー卜の賛否を問う品川区民投票条例案等に関する質問」は3つ。

回答期限を5月24日とし、次の注釈が付してある。

ご回答が無い場合には、この問題に関心がないものと受け止めさせていただきます。ご了承ください。なお、このご回答の内容につきましては、公表させていただきます。

質問内容を以下に示す。

質問1

昨年12月23日から25日までの品川区議会臨時会に提出された区民投票条例案について、地方自治法に基づいた区民の直接請求としての区民投票条例案に対する私たち区民の試みを評価しますか?

  • イ 評価する
  • ロ 評価できない
  • ハ どちらともいえない

質問2

羽田新飛行ルートの運用について、私たちは区民投票条例の制定により区民の意思確認のための区民投票を行うべきと思っていますが、どのようにお考えですか?

  • イ 区民投票により、区民の意思を国及び都などに示すべき
  • ロ 国の決定事項であり、条例制定により区民投票を実施しても意味がない
  • ハ なんともいえない

質問3

都議会議員になられたら、羽田新飛行ルートの運用について、議会内外においてどのような立場で臨みますか?

  • イ 問題が多いので、一旦運用を中止し(または白紙撤回)、飛行ルートを再考する立場で臨む
  • ロ インバウンド等による経済活性化のために新飛行ルートの運用を容認し継続する立場で臨む
  • ハ その他(自由記述)

立候補予定者からの回答

回答があった4名:阿部・白石・筒井・森沢

回答があった立候補予定者は7名のうち4名。以下、到着順に示す。

阿部祐美子(立憲民主党)

(立憲民主党、前回の都議選は落選、品川区議5期、岡山大学法学部卒、56歳)

  • 回答1:イ
  • 回答2:イ
    併せて、多様な意思表示の方法を検討することを排除するものではありません
  • 回答3:イ

白石民男(共産党)

(共産党、都議2期、都立大崎高校定時制卒、39歳)

  • 回答1:イ
  • 回答2:イ
  • 回答3:イ
    羽田新ルートによる、騒音や落下物等の危険性、進入角度や横風による難易度が高い操縦が求められ、事故の危険性が判らないなど、いっそう危険性が表面化しています。それにもかかわらず、国も東京都もまともな説明も方策もなんらありません。つまり、解決できないということです。また、コロナ禍により国際線も9割減便するなど、国や東京都のこれまでの説明も破綻しています。
    品川区民の合意も理解も得ず強行した国と小池都知事に正面から羽田新ルート中止を迫っていきます

筒井洋介(都民ファースト)

(都民ファースト、品川区議2期、日大法科大学院卒、41歳)

  • 回答1:イ
  • 回答2:イ
  • 回答3:
    国による「固定化会議に係る技術的方策検討会」の議論と出される案に注視し、早期の固定化回避実現を望む立場

森沢恭子(無所属)

都民ファースト離党⇒無所属、都議1期、慶應法学部政治学科卒、42歳)

  • 回答1:イ
  • 回答2:
    品川区議会において決議された「品川上空を飛行する羽田新飛行ルート計画決定に関する決議」において、「国土交通省に対し、区民の不安払しょくにつながる効果的な対策の実施と、早急かつ具体的にルートの再考および固定化を避ける取り組みを示し、実行に移すことを強く求める」としており、民意が示されていると考えます。
  • 回答3:
    住民皆さんの安全が置き去りになることがあってはならず、区民、都民の声を丁寧に聞いた上で不安の解消に努めるよう、都市整備委員会等で都に強く求めてきました。国は、飛行ルートの固定化回避に関して技術革新等を踏まえて検討を続けるとしていますが、検討を着実に進めることはもとより、より一層の騒音軽減策や落下物対策等に万全を期すよう、引き続き都に対して求めていきます
回答がなかった自公3名:田中・沢田・伊藤

回答がなかった立候補予定者は、自公3名。以下に示す。

田中豪(自民党)

(自民党、都議4期目落選、慶大卒、58歳)

沢田洋和(自民党)

(自民党、品川区議3期、前回の都議選落選、日大卒、40歳)

伊藤興一(公明党)

(公明党、都議4期、関東短期大学卒、60歳)

雑感(予想…)

定数4に対して7名が挑む品川選挙区。誰が当選するのか。当選者を予想するよりも落選しそうな3人を予想するほうが考えやすいかもしれない。

前回のような小池旋風は期待できないだろから、というか今のコロナ対応の惨状、都民の不満を勘案すれば都民ファースト議員は一掃されるのではないのかとさえ思えてくる

筒井洋介(都民ファースト)

そのような状況下において、品川区選出の都民ファースト山内晃 都議会議員(2期)が新型コロナ感染症の後遺症のため公認を辞退した枠に筒井が区議2期を途中で放り出して都議選にチャレンジするのはかなりリスキー。

これまで区議会で羽田新ルート反対の先頭に立っていたのに、回答3で「イ」を選択しなかったことは、都民ファースト候補になって日和ったと受け取られても仕方がないのではないか

森沢恭子(無所属)

前回の都議選、小池旋風を受けて品川区でトップ当選した森沢恭子は、風向きが変わると離党し(19年1月7日)、新会派「無所属東京みらい」を3名で結成。

過去4年、品川区議会定例会の場で4回、羽田新ルートに係る発言をしている。19年3月20日 都市整備委員会では無所属東京みらいとして、「羽田空港機能強化を推進し、東京の国際力向上に努めること」を明言。

今回のアンケートの回答2・3では「イ」ではなく、いずれも「ハ」を選択していることとそれぞれの特記内容からも、少なくとも羽田新ルート反対派でないことは明かだろう。

自民2名のいずれか

従来から飛行騒音の影響を受けている大田区民を別とすれば、羽田新ルート下13区で飛行騒音の影響を最も受けている品川区民を相手に自民が2人も出馬。保守層の投票が割れる可能性は低くない

コロナの失政による自公への逆風の吹き具合と、当日の投票率が高くなると厳しい戦いになるのではないか。

阿部祐美子(立憲民主党)

阿部祐美子が過去4年間で、品川区議会定例会本会議の一般質問は19年第3回(9月20日)の1度だけ。「たとえ新ルートが実施されてしまった場合でも」と、すでに現状容認姿勢を見せていた過去発言あり(羽田新ルート|品川区議会「19年第3回定例会」質疑応答)。

品川区議4期途中で都議選に落選したあと、区議5期へ。都議選への再チャレンジの結果は、コロナの失政による自公への逆風の吹き具合による。

2021都議選(まとめ)

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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