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羽田新ルートの運用状況を知らせるチラシ「到着経路版」「出発経路版」(21年春号)が配布される

羽田新ルートの運用状況を知らせるチラシ「到着経路版」と「出発経路版」がそれぞれの経路下の区市役所に配布される。

出発経路版と到着経路版とでは何が違うのか。


もくじ

新飛行経路下の各区市役所配布チラシ(21年春号)

国交省は5月24日、「新飛行経路の運用状況や固定化回避の検討状況等に関する資料をとりまとめました」として、新飛行経路下の各区市役所に配布するチラシ(21年春号)を公表。

羽田空港新飛行経路の運用状況(2020年11月~2021年2月)や新飛行経路の固定化回避に向けた検討状況(~2021年3月)等について、地域の皆様に広くお知らせするための資料をとりまとめました。

本資料は、新飛行経路下の各区市役所などにおいてもお配りしております(配布時期:2021年5月~)。

<公表資料>

  • 羽田空港のこれから 出発経路関係の皆さまへ 2021年春号【PDF】(3.8MB)
  • 羽田空港のこれから 到着経路関係の皆さまへ 2021年春号【PDF】(3.9MB)

出発経路版(北風時・荒川沿い北上ルート)と到着経路版(南風時・都心低空飛行ルート)とでは何が違うのか、確認してみよう。

出発経路版と到着経路版とでは何が違うのか

筆者が気づいたのは4か所。以下、ページ順に解説する。

見出し

チラシは出発経路版も到着経路版もどちらも4枚。まず1枚目の見出しが違う。

出発経路版(次図、左)が「出発経路関係の皆さまへ」となっているのに対して、到着経路版(次図、右)は「到着経路関係の皆さまへ」となっている(次図)。

見出し

運航状況:パイロットとの意見交換の記載有無

次に違うのは2枚目の運用報告の文末(次図)。

運航状況

出発経路版のほうは、航空会社にヒアリングを行った結果、安全性に関する問題の報告はなかったとしている。

(出発経路版)

新飛行経路での運航に関して、航空会社にヒアリングを行っています
出発経路に関して、航空会社にヒアリングを行ったところ、安全性に関する問題の報告はありませんでした

今後も引き続き、航空会社やパイロットにヒアリングを行い、安全運航に役立てていきます。

 

一方、到着経路版のほうは、航空会社へのヒアリングではなく、パイロットと意見交換を行った結果として、「安全上問題なく運航できている」と「南西強風時には従来経路を使用するなど(略)」と踏み込んだ書き方がされている。

到着経路版

新飛行経路での運航に関して、パイロットと意見交換を行っています

南風時の新到着経路について、実際に運航したパイロットからは、以下のような意見がありました。

  • 安全上問題なく運航できている
  • 南西強風時には従来経路を使用するなど、気象状況を考慮した対応が必要

新飛行経路については、航空機が安全に運航できるよう、その運用開始時より、南西強風時に従来経路を運用する場合もあるなど、状況に応じた運用を行っております。

今後も引き続き、新飛行経路を運航したパイロットと意見交換を行い、安全運航に役立てていきます。

固定化回避:海外空港の騒音軽減策の扱い

あと違うのは3枚目の下半分の構成と記載内容(次図)。

固定化回避

出発経路版(次図)のほうは「海外空港における騒音軽減方策の事例」と記されているのに対して、到着経路版(次々図)のほうは「海外空港における騒音軽減方策の事例を調査しました」と表現が微妙に違ううえに配置も違う。

出発経路に係る騒音軽減策の話なので、到着経路版の対象となる川崎ルート下の自治体以外は関係ないとうことで参考扱いとして文末に配置したのではないか。

出発経路版

到着経路版

今後の進め方:早慶戦か慶早戦か

上の図でもう一つ違うのは、出発経路版のほうは「出発経路下、到着経路下」と表現されているのに対して、到着経路版のほうは「到着経路下、出発経路下」と順番が入れ替わっていること。

まあこれは、世間でいうところの早慶戦が、慶大生の間では慶早戦と順番が入れ替わるようなものなので気にするようなことではないのかもしれない。

(出発経路版)

新たな飛行方式や、騒音軽減に資する管制運用を活用し、出発経路下、到着経路下それぞれの騒音軽減に資する総合的な方策を検討していきます。

(到着経路版)

新たな飛行方式や、騒音軽減に資する管制運用を活用し、到着経路下、出発経路下それぞれの騒音軽減に資する総合的な方策を検討していきます

雑感(国交省がPRしたいことを中心に構成されている)

出発経路版と到着経路版とではチラシに記載された内容がどの程度違うのか。結論としては上述のように多少の表現が異なっている部分があるものの、実質的には問題視するような違いはなかった

問題視するとすれば、むしろ次の点である。

出発経路版にせよ到着経路版せよ、これらのチラシは国交省がPRしたいことを中心に構成されている。逆に言えば、国交省が知られたくないことは記されていない。

例えば、チラシにはパイロットと意見交換した旨がさらっと記されているだけで、パイロットの悲痛な叫びは掲載されていない。

また、品川区議会で「都心の上空を通る羽田空港の新飛行ルートの賛否を問うための住民投票条例案」が否決されたことや、新ルートの運用停止を求める行政訴訟が起こされているといった、羽田新ルート反対に係る住民の声も掲載されていない。

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2021年6月1日、このブログ開設から17周年を迎えました (^_^)/
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