2021年の東京都議会議員選挙(投開票7月4日)の開票速報と結果を随時取りまとめる。
羽田新ルートはどの程度争点になるのか……。
※投稿4月27日(更新7月6日)
羽田新ルートに係る各党スタンス
筆者はこれまで羽田新ルートに係る都議会・区議会での議論をつぶさに観測してきた。それらの知見を踏まえ、選挙公約は割り引いて、議会での過去の発言などをもとに、羽田新ルートに係る各党のスタンスを独自に評価した。
推進派:自公、都ファ、東京みらい
自民党(25人)、公明党(23人)および都民ファースト(46人)は、羽田新ルートを積極的に推進している。
「無所属 東京みらい」(3人)は、小池チルドレンとして初当選した3人が都民ファーストを離党(19年1月25日)して結成された会派。都民ファースト時代よりも新会派結成後のほうが羽田新ルート推進を強調するようになった(「無所属 東京みらい」議員の発言実績)。斉藤れいな議員は20年4月15日付で都議選の立憲民主党公認候補予定者(南多摩)に決定。
反対派:共産、生活者ネット
共産党(18人)は、羽田新ルートの撤回が基本スタンス。
※羽田新ルートに係る「共産党都議団」議員の発言実績(まとめ)
生活者ネットワーク(1人)は、羽田新ルートの撤回・見直しを主張している(生活者ネット 山内れい子 議員発言実績)。21年の都議選公約は「都心低空・羽田新飛行ルートは撤回へ」。
中途半派:立憲民主
東京都議会立憲民主党(7人)は、もともと羽田新ルート容認が前提であったところ、都議選の年を迎えて「固定化を避けるための取り組みを早急かつ具体的に進め、見直しを図るよう求めていくべき」と言い出した。でも、依然として羽田新ルートそのものに反対していているわけではない(羽田新ルートに係る「東京都議会立憲民主党」議員の発言実績)。
※羽田新ルート推進に反対票を投じたい人で、共産党にアレルギーがあり、生活者ネットワーク(現1人@北多摩第二選挙区、候補予定者2人@杉並・世田谷)の候補者が選挙区にいない人の選択肢は立憲民主党となる。
無関心:維新、自由を守る会(上田令子 議員)
東京維新の会(1人:西郷あゆ美 議員、中央区)は過去4年間、議会で羽田新ルートへの言及なし(西郷あゆ美 議員 <中央>の発言実績)。
自由を守る会(1人:上田令子 議員、江戸川区)は過去4年間、議会で羽田新ルートに触れたのは「江戸川区でもかなり騒音問題で、昭和の時代に江戸川区長も闘ってきたというところで、あるときは、羽田空港問題では国と対峙をしていく立場でございますが(略)」の一文のみ。江戸川区上空を頻繁に飛行する状況を鑑みれば、あまりにも無関心過ぎないか(羽田新ルートに係る上田令子 議員<江戸川>の発言実績)。
羽田新ルートに係るパワーバランス
改選前
都議会HPに公開されている「会派(政党)等別議員名簿」(令和3年4月20日)をもとに、都議会のパワーバランスを可視化したのが次図。
羽田新ルートを推進している自公・都ファだけで、全体の4分の3を占めている。
改選後
(追記21年7月5日)
羽田新ルートを推進している自公・都ファだけで、69%を占めている。
NHK「開票速報・結果」7月5日を元に作成
得票数・投票率の推移
党派別得票率
過去4回の都議選結果をもとに、党派別得票率を可視化したのが次図。
09年の民主党躍進のあと、13年には民主党不人気のところで自民増、維新・諸派が浸食。17年は民進党が迷走し、都民ファーストが大躍進。21年は都民ファースト踏みとどまる。
※09~17年データは都選管の投開票結果、21年データはNHK開票速報・結果に拠った。
投票率の時刻別推移
投票率の経変変化
50年代に60%を超えていた投票率は年々減少している。
(更新21年7月5日)
年代別の推定投票率
若い年代ほど投票率が低いのは一目瞭然(次図)。
18歳選挙権(16年6月22日から適用)は、21年都議選ではどうなるのか……。
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