不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

首都圏を中心に、マンション選びのためのお役立ち情報を提供しています


羽田新ルートに係る「都議会公明党」議員の発言実績(まとめ)

羽田新ルートに係る「都議会公明党」所属議員の過去4年間の発言実績を以下に整理しておく。

※2021年(令和3年)の東京都議会議員選挙は、6月25日告示、7月4日投開票。

朱書きは筆者コメント。


もくじ

東京都議会HPの「会議録検索」を使って、「羽田」でヒットした新しい順。

※17年第3回定例会以降、21年第1回定例会本会議(速報版)までが検索対象(21年第1回定例会の各委員会は含まない)。

21年2月25日 第1回定例会:新飛行ルートの固定化は断じて避けるべき

伊藤こういち議員の質問は、公明党としての代表質問ではなく、一般質問。

品川区選出都議としては踏み込んだ発言をせざるを得なかったのであろう。

伊藤こういち議員(品川)】

(前略)騒音や、先日アメリカで発生した飛行機のエンジン部品の落下のように、落下物が大変に危惧されていることから、私は繰り返し、新飛行ルートの固定化は断じて避けるべきと求めてきました。(中略)

赤羽国交大臣に直接会い、新飛行ルートの再考及び固定化を避ける取り組みを早急かつ具体的に検討するよう強く求めました。(以下略)

※詳しくは、「「21年第1回定例会」質疑応答(伊藤議員(公明))」参照。

20年3月19日 環境・建設委員会:丁寧な情報提供

都議会公明党を代表して「丁寧な情報提供」。

小磯善彦議員(町田)】

都議会公明党を代表して、当委員会に付託された令和2年度予算関連議案について意見開陳いたします。(中略)羽田空港の新飛行経路について、本格運用後も国や関係区と連携して同様の騒音モニタリングを継続するとともに、都民への丁寧な情報提供を実施すること。(以下略)

20年2月28日 第1回定例会:大型機は都心上空を飛行する対象から外す

品川区選出都議として、「大型機は都心上空を飛行する対象から外す」「都心の人口密集地域の上空を低空で飛行しない航空システムの構築を強く求め」など、かなり踏み込んだ発言をしている。

伊藤こういち議員(品川)】

(前略)都は、都民から寄せられた意見、要望を踏まえ、大型機は都心上空を飛行する対象から外すなど、騒音についての住民の負担軽減を国に強く求めるべきです。(中略)
私は、今回の飛行ルートは、東京2020大会を成功させるためのルートとし、将来にわたって固定化するのではなく、今後は、首都圏近郊の地方空港を交通ネットワークで結び、東京に集中する航空需要を広域的に対応する方策を検討すべきと提案します。そして、都心の人口密集地域の上空を低空で飛行しない航空システムの構築を強く求め、質問を終わります。

※詳しくは、「「20年第1回定例会」質疑応答(伊藤議員(公明))」参照。

19年2月15日 都市整備委員会:都民への情報提供

けいの議員は、一応発言しておきましたました、みたいな。

けいの信一議員(荒川)】

私からも一言意見を表明させていただきます。(中略)都は、羽田空港の飛行経路見直しの計画を知らない方がいなくなるくらい、関係地域の全住民への周知が徹底的に行われるよう、国への要請を一層強めていただきたい

その上で、地域住民のさまざまな声に丁寧に応えていくと同時に、都民への情報提供を行うことを強く要望し、意見といたします。

採決の結果、第第94号(下記黄色)だけが「趣旨採択」、ほか3件は不採択(≒却下)となった。「趣旨採択」とは、請願、陳情の願意は妥当であるが、その実現性について、当分の間は不可能である場合、「趣旨には賛成である」という意味の議決をいう。

  • (第42号)国に羽田空港増便による都心低空飛行計画の撤回を求めることに関する請願
  • (第43号)国に新都心低空飛行ルートの「教室型説明会」の開催を求めることに関する請願
  • (第94号)羽田空港の機能強化等並びに新飛行経路における情報公開及び説明責任に関する陳情
  • (第112号)羽田空港の国際線増便計画に伴う都心上空の低空飛行の中止に関する陳情

18年3月22日 都市整備委員会:羽田空港の機能強化、推進

「羽田空港の機能強化とさらなる国際化を推進」と明言。

小林健二議員(練馬)】

当委員会に付託された平成30年度予算関連議案について意見開陳をいたします。(中略)羽田空港の機能強化とさらなる国際化を推進し、羽田が21世紀のインフラとして十二分に活用されるよう、空港アクセスの強化を急ぎ、促進させること。また、航空機の騒音、落下物など、都民の安全・安心のための対策を国に求めること。(以下略)

18年3月14日 予算特別委員会:将来にわたって固定化するのではなく

品川区選出都議である伊藤議員は、ここでも踏み込んだ発言をしている。

伊藤こういち議員(品川)】

(前略)私がまず申し上げておきたいことは、羽田空港新飛行ルート案は、東京2020大会成功のためのルートとし、将来にわたって固定化するのではなく、例えば、茨城空港や静岡空港などの周辺空港も活用するなど、都心の人口密集地域上空の飛行ルートにならない方策の検討も同時に開始すべきであると都と国に強く求めておきたいと思います。(以下略)

18年2月15日 都市整備委員会:国に対しどのような対策を求めていくのか

羽田新ルートを推進するでもなく、見直しを求めるでもなく。羽田新ルートに係る請願は採決の結果、不採択(≒却下)となった。 

小林健二議員(練馬)】

  • 議題「羽田空港増便による都心での新低空飛行ルートの再検討を国に求めることに関する請願

(前略)昨年、航空機からの落下物が相次いで、さまざま報道もされている中で、やはり今回の新飛行経路案については、こうした落下物が相次いでいるという報道とも密接な関係がございます。当然のことながら、早急かつ着実な対策が求められるところであります。
先ほども森澤理事の方からもご指摘がありましたけれども、改めて確認をいたしますが、こうした落下物が続いた事案に対して、都のお考え、そしてまた今後都として、国に対しどのような対策を求めていくのか、最後にお伺いいたします。

17年11月7日 都市整備委員会:落下物の不安がなくなるよう

羽田新ルートを推進するでもなく、見直しを求めるでもなく、まるで記者クラブの記者が赤羽大臣に質問するような、当たり障りのない質問にとどまっている。

藤井一議員(大田)】

(前略)ご承知のとおり、東京は2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、羽田空港国際線の発着回数をこれからふやしていくわけですけれども、都心上空を飛行する新飛行ルート問題を抱えております。そういった意味で航空機からの落下物が大変気になるところでございます。
そこで最初に、国は飛行経路の見直しに向けて、落下物対策についてどういう取り組みをしているのか伺います

(中略)こういった落下物の不安がなくなるよう、しっかり都として国に要望していただきたいと思います。

また、飛行経路の下とか、あるいは羽田空港の近隣の地域で騒音がありますけれども、こういった騒音対策について、今後、国はどういう取り組みを進めていくのか、またそれに対して、都として今後の取り組みについてお伺いしたいと思います

17年9月29日 総務委員会:地域住民からは騒音の問題など

「平成29年度の監理団体経営目標の設定状況」に関連した質問の中で、羽田新ルートの騒音問題に一言だけ触れられている。

斉藤やすひろ議員(目黒)】

(前略)航空機分野は、これは大変な成長産業でございまして、日本も今、羽田の国際化も進んで便の増便なども検討されているようでございますけれども、この空港が便利であって国際化されると、逆に今度、地域住民からは騒音の問題など、社会的にさまざまなトラブルや問題が起こるのも、またこれが実情であります。(以下略)

★雑感(品川区選都議、新ルート見直し派に転向!?)

17年7月の選挙以降の4年間で「都議会公明党」の議員が定例会で羽田新ルートに言及したのは上記のとおり9件であった。

これら9件の発言を時系列に整理したのが次表。

羽田新ルートに係る「都議会公明党」議員の発言実績(まとめ)


羽田新ルートを推進している公明党のかなかで、品川区選出の伊藤こういち議員(都議4期、関東短期大学卒、元品川区役所児童課主査、60歳)の発言は異色。

  • 18年3月14日 予算特別委員会:将来にわたって固定化するのではなく
  • 20年2月28日 第1回定例会:大型機は都心上空を飛行する対象から外す
  • 21年2月25日 第1回定例会:新飛行ルートの固定化は断じて避けるべき

伊藤議員の発言だけが年々、まるで羽田新ルート見直し派に転向したかのような踏み込んだ内容に変化していく様子が見て取れる。飛行騒音被害の大きい品川区民からの突き上げがかなり厳しいのでは……。

あわせて読みたい

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
Copyright(C)マンション・チラシの定点観測. All rights reserved.