羽田新ルートの運用が始まって今日で1年。
新型コロナの感染拡大の影響で大幅な減便が続いているのにもかかわらず、なぜ政府は羽田新ルートの運用を強行し続けているのか。
これまでの流れをザッと40秒の動画にまとめてみた。
なぜ政府は羽田新ルートの運用を強行し続けているのか
なぜ政府は羽田新ルートの運用を強行し続けているのか - YouTube
動画に出てくる各シーンの解説
18年3月30日 米国による羽田増便枠の要求圧力
USTR(米国通商代表部)が初めて羽田新ルートに言及したのは18年3月30日に公表した「外国貿易障壁報告書」。「羽田空港が 2020 年までに追加の発着枠を開設させることが見込まれており、米国はこの状況を引き続き注視していく」。
翌19年の報告書ではさらに圧力が強まっていく……。
18年1月22日 安倍総理 施政方針演説
18年1月の安倍総理の施政方針演説では、「地元の理解を得て」という表現があったのだが、翌19年1月の施政方針演説からは削除された。
19年8月8日 石井国交大臣 記者会見
記者から「国土交通省としては地元の理解を得たとお考えになっているのか」と問われた石井国交大臣は、下記を踏まえ「丁寧に対応していくことを前提に、地元の理解が得られたものと判断した」と宣言。
都からは、国が示したスケジュールに基づき、羽田空港の機能強化実現に向け、手続きを着実に進めていただきたいとの御要望をいただき、また、特別区長会会長からは、羽田空港の機能強化の必要性は理解しており、国の事業として国の責任のもとで進めるものと理解している(略)
20年3月29日 赤羽国交大臣 記者会見
記者から「東京大会の延期も決まりました。いまだ不安に思う住民の方もいるなかで、予定通り29日から運用開始することで問題ないでしょうか」と問われた石井国交大臣は、「フル運用に向けた助走期間」と答えた。
国土交通省としては、29日以降のこの減便している期間を羽田の新経路のフル運用に向けた助走期間と捉え、実機飛行で今御指摘のあった騒音の問題等、実はサンプル数も少ないものですから、この29日からの助走期間で、騒音・安全対策を改めて徹底してまいるいい期間として取り組みたいと思っております。
助走期間が長すぎる……。
⇒赤羽大臣「フル運用に向けた助走期間、いい期間」
⇒赤羽国交大臣の発言の記録
20年6月12日 運用停止求めた集団訴訟スタート
羽田新ルート直下の住民ら29人が20年6月12日、国に新ルートの運用停止を求める行政訴訟を東京地裁に起こした。
⇒運用停止求めた集団訴訟スタート
21年2月5日に開かれた第2回口頭弁論で、国が原告を門前払いするスタンスが明らかになった。
⇒羽田新ルート設定の取り消し訴訟、国のスタンスは門前払い
次回第3回目の口頭弁論は21年5月12日開催予定。
20年10月4日 住民投票条例の署名開始
羽田新ルートの是非を問う住民投票条例の制定のための署名が品川区で1か月(20年10月4日~11月3日)にかけて行われ、必要とされた法定署名数の3倍、23,098筆が集まった(最終的に認定された有効署名総数は20,760筆)。
20年12月25日 住民投票条例案、品川区議会が否決
都心の上空を通る羽田空港の新飛行ルートの賛否を問うための住民投票条例案が20年12月25日、自民党、公明党議員らの反対で否決された。
⇒住民投票条例案、品川区議会が否決(反対・賛成議員一覧)
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