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羽田新ルート|石井大臣「地元の理解が得られた」

石井国交大臣は8月8日、閣議後の記者会見で、前日に開催された国の協議会で来年3月29日の羽田新ルート運用開始が決まったことに関連して答えた。

※以下長文。時間のない方は、「質疑応答のポイント」と文末の「雑感」をお読みいただければと。

※各質疑のあとに筆者のコメントを朱書きしておいた。


質疑応答のポイント

大臣報告:20年3月29日新飛行経路の運用開始を行う

石井啓一 国交大臣
石井啓一 国交大臣(公明党、9期、東大工学部、61歳)

私の方から4点報告があります。

1点目は、羽田空港の機能強化についてです。
国土交通省においては、首都圏や日本の国際競争力の強化、地域と海外の交流による地域活性化、訪日外国人旅行者の更なる受入れのためには、羽田空港の機能強化が必要不可欠と考え、新飛行経路の運用等による羽田空港の機能強化について、これまで、関係自治体と協議を重ねるとともに、関係都県各所において5回にわたり住民説明会を開催するなど、住民の皆様に丁寧な情報提供を実施してまいりました。

こうした取組の総括として、昨日「首都圏空港機能強化の具体化に向けた協議会」を開催し、関係自治体等から、国がこれまで実施してきた騒音・落下物対策や丁寧な情報提供、及び協議会で新たにお示しした追加の対策について評価する旨並びに国に対してしっかりとした対策を講じることを求める旨の発言、今後、羽田空港の機能強化に関してスケジュールに基づいて進めることを求める旨の発言、羽田空港の機能強化に関し、国の事業として国の責任の下で進めるものと理解している旨の発言、首都圏全体での騒音共有の実現の第1歩として評価する旨の発言等をいただきました。

国土交通省としましては、これらの御発言や住民の皆様方に引き続き心配の声があることを踏まえ、いただいた御意見・御要望をしっかりと受け止め丁寧に対応する旨回答いたしました。

こうした状況を踏まえ、国土交通省としましては、羽田空港において2020年3月29日の夏ダイヤからの新飛行経路の運用開始及び国際線の増便を行うこととし、今後、各種の手続きを進めてまいります。詳細は後ほど事務方から説明させます。

※市民団体や衆院議員から国交大臣への見直し要請が活発化するなか、品川区や渋谷区の議会から反対の決議など、都民の反対の声などまったくなかったかのように、石井大臣は来年3月29日の羽田新ルート運用開始を宣言。「丁寧な情報提供」「丁寧に対応」を強調する石井大臣の胸中はいかに……。

質疑応答

記者:地元の理解を得た?

先ほどお話しもありましたが、昨日、首都圏空港機能強化の具体化協議会で、関係自治体から機能強化実現を求める発言があった一方で、地元には不安の声もまだありますけど、国土交通省としては地元の理解を得たとお考えになっているのか、大臣のお考えをお聞かせください。

大臣:丁寧に対応していくことを前提に、地元の理解が得られたものと判断

昨日開催された「首都圏空港機能強化の具体化に向けた協議会」において、改めて国としては2020年夏ダイヤ、3月29日から新飛行経路を運用したいと申し上げました。

これに対して、関係自治体からは、国による5巡に及ぶ住民説明会等による丁寧な情報提供、騒音・落下物対策、今回新たにお示しした追加対策について、評価をいただくとともに、引き続き国に対してしっかりとした対策を講じるように要望をいただきました。

また、都からは、国が示したスケジュールに基づき、羽田空港の機能強化実現に向け、手続きを着実に進めていただきたいとの御要望をいただき、また、特別区長会会長からは、羽田空港の機能強化の必要性は理解しており、国の事業として国の責任のもとで進めるものと理解しているが、国に対して万全の騒音対策等をお願いしたい旨の発言をいただきました。

加えて、その他の経路下の自治体からも、今後国が適切な対応を行いつつ、2020年からの羽田空港の機能強化を進めて欲しいとの発言をいただきました。

これらの御発言等を踏まえ、国土交通省としましては、関係自治体等からいただいた騒音・落下物対策や引き続きの情報提供に関する御意見・御要望をしっかりと受け止め、丁寧に対応していくことを前提に、地元の理解が得られたものと判断したところです。

なお、国土交通省としては、関係自治体から御要望いただいた騒音・落下物対策や引き続きの情報提供等を通じてできるだけ多くの方々の御理解を得られるよう、取り組んでまいります

※これまで松原仁 衆議院議員(無所属)の再三にわたる質問主意書で「地元の理解」質疑が交わされた。国交省は「地元」の定義(区議会、住民など)は明確に答えたものの、どのような形で理解を得たと判断するかについては、「地方公共団体をはじめとする関係者からの御意見を参考に検討する」とお茶を濁してきた。

記者:ルート下周辺の住民からは、騒音や落下物の懸念の声があります

羽田の新飛行経路の関係で伺います。
改めて、ルート下周辺の住民からは、騒音や落下物の懸念の声があります
そのことへの受け止めと、今後の運用を決めたということで、今後それに対してどのように対応していくのか、改めて御発言をお願いします。

大臣:引き続き、丁寧に対応していきたい

新ルート下の住民の皆様から落下物対策や騒音に関する様々な御不安があるということにつきましては、協議会等の場においてもお示しをいただいているところでして、引き続きしっかりと御意見・御要望を受け止め、丁寧に対応していただきたいという御要請があったと理解しております。

国土交通省としては、引き続き、方針としては決定しましたけれど、先ほど申し上げましたように、引き続きの情報提供に関する御意見・御要望をしっかりと受け止めまして、丁寧に対応していきたい
引き続き、住民説明会等も開催していきたいと考えております。

※今年上半期の新語・流行語大賞に「丁寧に対応」を推薦したい。

記者:渋谷・品川区議会、ルートの見直しを求める趣旨の決議もでております

新ルートの関連で2点お伺いします。
1点目、先ほど地元の合意は得られたという御発言がありましたけど、今年に入ってから新ルートが上空を通過する渋谷区とか品川区の議会のほうでルートの見直しを求める趣旨の決議もでております

そのあたり理解を得られたとの御発言と矛盾しないのか、お考えをお聞かせください。

もう1点追加の対策として着陸の進入角度、従来3°だったものを3.5°にすることもあると、対策を明らかにされておりますけど、そのあたり技術的な面として安全への影響はないのか、他の空港と比べて決してメジャーな方法ではないと思うのですけど、そのあたりの安全性への懸念に対してあればお願いします。

大臣:丁寧に対応していくことを前提に、地元の理解が得られたものと判断

品川区議会や渋谷区議会における決議や意見書の採択など、羽田空港の機能強化について様々な意見があることは承知しております。

今般の羽田空港の機能強化に対し、品川区からは、落下物対策や騒音軽減に向けた更なる取組、区民への丁寧な説明とともに、新飛行経路案を固定化することがないような取組を求めたいとの御意見をいただいております。

また、渋谷区からは、羽田空港の機能強化に関しては、国の事業として国の責任において実施して欲しいとの御意見をいただいております。

こうしたことから、国土交通省としましては、関係自治体からいただいた騒音・落下物対策や引き続きの情報提供に関する御意見・御要望をしっかりと受け止め、丁寧に対応していくことを前提に、地元の理解が得られたものと判断したところです。

なお、国土交通省としては、関係自治体から御要望いただいた騒音・落下物対策や引き続きの情報提供等を通じてできるだけ多くの方々の理解をいただけるよう、取り組んでまいります。

もう一つですが、3.5°の降下角については、国際民間航空機関(ICAO)が定める国際的な安全基準に則ったものであり、安全性は確保されるものと考えております。

※品川区議会の「19年第2回定例会」本会議一般質問(6月27日)で、鈴木ひろ子議員(共産)は「固定化しないよう求める」とは新ルート容認ではないのかと反対姿勢を示していた。品川区が最後までこだわった「固定化」という表現が国交省に都合のいい文脈で使われてしまっている。
羽田新ルート|品川区議会「19年第2回定例会」質疑応答

記者:アメリカ以外への配分?

羽田の新飛行ルートの関係で教えてください。
後ほど詳細の説明があるやにお話しがあったのですが、折角の機会なので1点教えてください。

住民の理解を得られたということで次の準備としてアメリカ以外への配分、対象国、地域の選定という段階に入るかと思うのですけど、航空交渉の検討状況ですとか、あるいは配分対象、国、地域に対する、どのような地域が該当してくるのか、もしそのあたりで、現時点で教えていただけることがあれば教えてください。

大臣:速やかに決定してまいりたい

羽田空港の夏ダイヤの調整は、国際的なガイドラインに従い、例年9月頃から行われております。

本日の発表を受けまして、国土交通省として、各国航空当局との正式な手続きに着手し、就航国や運航便数、日本側の運航会社等、来年の夏ダイヤからの増便に向けて必要な事項を速やかに決定してまいりたいと考えております。

※「アメリカ以外への配分」については、「羽田発着枠配分基準検討小委員会」の場で有識者を交え、透明性高く、地道に議論されている。

記者:成田空港でも同じ3.5°に出来ないものか?

羽田でもう2点程追加ですが、1点目は、3.5°の問題で、先程安全性は確保されているというお話しがありました。
先日の協議会で出席していた千葉県側の自治体、県であったり、千葉市、成田市あたりだったと思うのですけれども、成田空港でも同じ3.5°に出来ないものか検討を、という御発言がありました。それについての現時点での御見解をお伺いします。

大臣:-

成田空港も3.5°の降下角にできないかという要望があったということですね。

事務方:慎重に判断していきたい

成田空港など他の空港についての現行経路に関する降下角の引き上げにつきましては、今回の羽田の新経路の運用状況を踏まえつつ、他の航空機等との間隔確保等の課題の有無を検証したうえで、慎重に判断していきたいというのが我々の考え方でございます。

※今回国交省が打ち出した騒音低減対策としての飛行高度引き上げ(降下角3°⇒3.5°)の効果が羽田期待できるのであれば、成田でも採用できないのかという趣旨の質問。国交省の想定QAになかったのか、石井大臣答えられず。事務方が「慎重に判断していきたい」と切り返す。

記者:3時~7時以外の時間に新ルートを拡大する考えがあるのか?

もう1つ、現在この新ルートを適用するのは、南風の時の午後3時から7時、入れ替えの時間も含めてということになっておりますけれども、単純な便数増という意味での機能強化であれば、現行のルートよりかは、毎時着陸回数が80回から90回に増えて、便数が増やすことができると思います。
3時~7時以外の時間に新ルートを拡大する考えがあるのかお聞かせください。

大臣:全く白紙

現時点では、地元に御説明している案でいくということでありまして、それ以上のことは全く白紙であります。

※「現時点では・・・全く白紙」ということは、裏を返せば将来は拡大する可能性があることを意味している。

国交省のFAQ冊子に掲載されている模範解答は、次の通りだ。

Q13 新飛行経路の午後の運用時間(15時~19時)は守られるのですか。

⇒(略)国際航空需要の現状を踏まえると、提案している時間帯での運用により当面の航空需要に対応することが可能 と考えています。

詳しくは、「羽田新ルート|運用時間は守られるのか?」参照。

雑感(石井大臣に新語大賞…)

市民団体や衆院議員から国交大臣への見直し要請が活発化するなか、品川区や渋谷区の議会から反対の決議など、都民の反対の声などまったくなかったかのように、石井大臣は来年3月29日の羽田新ルート運用開始を宣言。

「丁寧に対応していくことを前提に、地元の理解が得られたものと判断した」という、時間切れの見切り発車。大臣発言には、「丁寧な情報提供」「丁寧に対応」「丁寧な説明」と合計9回「丁寧」という表現が出てくる。今年上半期の新語・流行語大賞に「丁寧に対応」を推薦したい

政権に魂を売った石井啓一氏(公明党)は、都心の騒音環境を悪化させた国交大臣として、歴史に名を刻もうとしている……。

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