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羽田新ルート|政府答弁「地元の理解」を振り返る

2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、「地元の理解」が得られないまま、ドンドン進められていく羽田新ルート計画。

これまでの政府答弁を追っていくと……。


もくじ

安倍総理 施政方針演説の変化(18年1月⇒19年1月)

昨年の施政方針演説にあった「地元の理解を得て」という表現が、今年の施政方針演説からは削除されている。

羽田、成田空港の容量を、世界最高水準の100万回にまで拡大する。その大きな目標に向かって、飛行経路の見直しに向けた騒音対策を進め、地元の理解を得て、2020年までに8万回の発着枠拡大を実現します。

安倍総理の施政方針演説 18年1月22日

来年の4千万人目標に向かって、海外と地方をつなぐ空の玄関口、羽田、成田空港の発着枠を8万回増やします。

安倍総理の施政方針演説(19年1月28日)

※詳しくは、「羽田新ルート|既成事実化が着々と進んでいる

石井国交大臣 所信の変化(18年3月⇒19年3月)

石井国交大臣の「地元の理解を得ながら」進めるという姿勢はブレていない。

首都圏空港の容量を世界最高水準の百万回にまで拡大することを目指し、羽田空港の飛行経路見直し、成田空港の滑走路増設等について、騒音対策、落下物対策等を講じ、地元の理解を得ながら進めます。

衆院「国土交通員会」18年3月2日

首都圏空港については、容量を世界最高水準に拡大するため、地元の理解を得ながら、羽田空港及び成田空港の機能強化を進めます。

衆院「国土交通員会」19年3月6日

18年3月2日 簗国交省政務官答弁(衆院 財務金融委員会)

宮本議員(共産)から「地元の理解が得られるまでは飛行ルートの変更は行わない」のかと何度問われても、簗国交省政務官は「理解を得られるよう引き続き取り組みを進めてまいります」と繰り返す。

宮本議員(共産)

  • 何回聞いても答えないんですけども、「(地元の理解を)得られるように頑張ってる」ということは「(地元の理解を)得られていない」ということでしょ。それをはっきり言えばいいんですよ。
  • それで確認しますけども、「地元の理解が得られるまでは飛行ルートの変更は行わない」こういうことでいいですね

簗国交省政務官

  • 先ほどと同じような答弁になるかと思いますけども、国土交通省としましては、この訪日外国人旅行者の受け入れ、そしてわが国の国際競争力の強化等の観点から羽田空港の機能強化は必要で不可欠であると考えていることから、理解を得られるよう引き続き取り組みを進めてまいります

ヤジ:ダメだこりゃ

※詳しくは、「羽田新ルート|衆院「財務金融委員会」質疑応答

19年3月20日 石井大臣答弁(参院 国土交通委員会)

山添議員(共産)は地元の理解が得られていないのに、羽田増便枠の半分が米国航空会社に配分されていると指摘。石井大臣は地元の理解が得られたのち進めると火消しに。

山添拓議員(共産)

  • 安倍政権は首都圏空港の機能強化策として、羽田空港の国際線発着容量を増やすために、都心上空ルートを計画し、石井大臣は今国会の所信でも、「地元理解を得ながら進める」と述べました
  • ところが、大臣は2月12日の記者会見で、「新飛行ルートを実施した後の増枠分について、アメリカとの意見交換を行っており、増枠分の半数にあたる1日24往復が日米路線に割り振られ、その半数の12往復がアメリカの航空会社に配分されるという、共通認識を持つに至った」とこう述べております。
  • 大臣、これは事実でしょうか。地元の理解が得られわけでもないのに、あまりにも拙速ではありませんか。

石井国交大臣

  • 米国との意見交換はあくまでも準備行為の一環でありまして、発着枠の配分に係る正式な手続きは、今後地元のご理解が得られたのち進め、決定してまいりたいと考えております。

※詳しくは、「羽田新ルート|参院「国土交通委員会」山添議員(共産)質疑応答

19年4月12日 石井大臣答弁(衆院 国土交通委員会)

宮本議員(共産)は、品川・渋谷区議会でそれぞれ、羽田新ルート計画につき全会一致で再考決議・見直し意見書が採択されたことから、現状では「地元の理解」が得られていないと指摘。石井大臣は理解が得られるよう努力するという。

宮本徹議員(共産)

  • つまり「地元の理解を得て」と言った場合の「地元」には地方議会も当然入るという答弁がございました。
  • ということは、現状では地元の理解は得られてないということになりますので、このまま新飛行ルートは現状では理解が得られてないんで進められないと、こういうことになるんじゃないですか

石井国交大臣

  • 国土交通省といたしましては、引き続き騒音対策や落下物対策等に取り組むとともに、今後とも丁寧な情報提供を行うことによりまして、より多くの方々からご理解をいただけるよう努めてまいりたいと考えています。

※詳しくは、「羽田新ルート|衆院国交委、石井大臣vs宮本徹議員

まとめ

これまでの政府答弁を追っていくと、以上のように、政府は「地元の理解」が得られるよう努力することは約束しているが、「地元の理解」が得られないときに計画の見直しをすることについては言及したことがない

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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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