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違法民泊対策への本気度!大阪市長vs京都市長 

大阪市の元職員2人が無許可民泊14物件を経営していたことが3月14日に発覚。

大阪市の吉村洋文市長は翌夕刻、ツイッターで「これは悪質だ。刑事告発する」とつぶやいている。


もくじ

大阪市長のつぶやき

吉村洋文市長ツイッター
吉村洋文市長ツイッター(17:33 - 2017年3月15日)

 

吉村市長のつぶやきからは、次の2点において看過できないと読める。

  1. 過去に指導事例もあり、再度行われたこと
  2. 物件数も多いこと

この認識は正しいのだろうか?

大阪市は違法民泊に対してどの程度指導してきたのか?

大阪市内でAirbnbに登録されている物件数は約1万2千件(17年3月1日現在)。特に中央区(4,289件)に集中していて、その数は新宿区や渋谷区を大きく上回っている(次図)。

昨年10月に民泊専従者を2人から22人に増員したが、いまだに中央区(大阪市)の違法民泊の増加に歯止めが掛かっていない。

全国で最もAirbnbの登録数が多い自治体は中央区(大阪市)
Airbnb登録件数 4.6万件(前月比0.5%の微増)」より

元非常勤嘱託職員よりも多い物件数を運営しているホストは告発しないのか?

大阪市内でAirbnbに登録している物件数の多いホスト・ランキングの1位は112件(次図)。

50件を超える民泊を運営しているホストはいくらでもいるのだ(すべてが違法民泊かどうかは不明だが)。
大阪市の元非常勤嘱託職員2人が14物件の無許可民泊を運営していたことは、まったく珍しいことではないのだ。

大阪市内でAirbnbに登録している物件数の多いホスト・ランキング
何を今さら!?大阪市元職員2人が無許可民泊を経営」より

 

14物件を超える数の違法民泊を運営しているホストに対しては、キチンと指導しているのか?

14物件をもって「物件数も多い」というならば、14物件を超える数の違法民泊を運営しているホストを告発せずに放置しておいていいのか?

※【追記(17年9月27日)】大阪市は、吉村大阪市長が17年5月31日付で大阪府東警察署長あて告発状を提出していたことを公表

大阪市の違法民泊に係るこれまでの主なイベント(まとめ)

大阪市の民泊に係るこれまでの主なイベントは次のとおり。

大阪市が直接係わっているのは、昨年10月に民泊対応専従者を2人から22人に増員し、「違法民泊通報窓口」を開設したことと、一般社団法人による違法民泊を助長する勧誘行為に注意喚起したことぐらいしか聞こえてこない。

京都市の本気度に軍配

京都市の民泊に係るこれまでの主なイベントは次のとおり。

大阪市と比べると、京都市のほうは違法民泊への取り組みの本気度が伝わってくる。

さらに、京都市長は3月15日の市議会で「マンションなどで民泊が増えないための規制を検討する」と踏み込んだ発言をしている。

マンション民泊、条例でも規制検討 京都市

都道府県や政令指定都市が条例で「民泊」の営業日数を制限できる民泊新法(住宅宿泊事業法)案について、京都市の門川大作市長は15日の市議会予算特別委員会で「集合住宅で管理組合が許可しない民泊は、京都の街になじまない。条例をつくる場合には工夫が要る」と述べ、マンションなどで民泊が増えないための規制を検討する考えを示した。(以下略)

(京都新聞 3月15日)

京都市では様々な取り組みを実施した結果、簡易宿所(=合法民泊)が猛烈な勢いで増加している(次図)。

簡易宿所が猛烈な勢いで増加している
京都市の「違法民泊」対策の成果がスゴイ!」より

 

違法民泊への対応本気度は、これまでのところでは京都市長に軍配が上がる。

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