毎年夏になると、各地で熱中症による死者が出る。
40~50年ほど前は35℃を超えるような日はあまりなかったように思うのだが、東京の夏はいつからこんなに暑くなったのか?
(投稿18年7月24日 ※更新24年9月3日:24年9月1日までデータ反映)
月最高気温は1970年頃と比べて、約1℃しか上がっていない!?
気象庁が提供している「過去の気象データ・ダウンロード」で確認してみよう。
「東京(千代田区)」の7月と8月の「月最高気温」につき、過去151年間(1872年~2024年)のデータを可視化したのが次図。
年々気温が上昇している様子が見てとれる。
ただ、近似曲線で見ると、1970年頃と比べて、約1℃しか上がっていない。
※2024年データ反映済み。
熱帯夜の日数が1995年あたりから激増
別のデータも調べてみよう。
気象庁が公開している「東京」の「年ごとの値」には1875年以降の下記データが掲載されている。
- 日最高気温35℃以上(猛暑日)の日数
- 日最高気温30℃以上(真夏日)の日数
- 日最低気温25℃以上(熱帯夜)の日数
これらのデータを可視化したのが次図。
1995年あたりから、猛暑日の日数が増えていることが分かる。
また、真夏日の日数の増加もさることながら、熱帯夜の日数が1995年あたりから激増している。
※2024年データ(24年9月1日データまで反映)
東京の夏を特に暑く感じるようになったのは…
近年、東京の夏を特に暑く感じるようになったのは、月最高気温が上昇していることに加え、熱帯夜の日数が増えて、朝から暑い日が続いていることの影響が大きいのではないだろうか。
熱帯夜の日数が増えたのは、ヒートアイランドの影響で夜になっても気温がなかなか下がらなくなったため。ヒートアイランド対策としては、緑化推進、保水性舗装・高反射率塗装の導入、建物・道路交通の排熱削減などが考えられるが、どれも一朝一夕に完遂できるものではない。
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