23年第2回定例会本会議(6月)の代表・一般質問において、羽田新ルート問題はどのくらい取り上げられたのか?
これまでブログ記事に投稿してきた都議会・各区議会の質疑応答をもとに整理しておいた。
※羽田新ルートが通過する13区の区議会と都議会を対象とした。
羽田新ルートの質疑があった都議会と5区議会
※以下、敬称略
都議会(共産1、立憲1)
- 大山(共産):落下物が今もなくならないことを知事はどう考えていますか
- 都市整備局長:落下物事案は本年4月時点で確認されていない
- 阿部(立憲):航空機の墜落事故、万が一の事態に備えて(地域防災)計画と想定を進化させる必要がある
- 総務局長:東京都地域防災計画「大規模事故編」に定めてございます
⇒詳しくは、都議会「23年第2回定例会」質疑応答
港区議会(共産1)
- 福島:現在の飛行ルートの運用を中止して海上ルートにするよう求めること
- 区長:これまでも国に対し海上ルートの活用や(略)などを求めてまいりました
⇒詳しくは、港区議会「23年第2回定例会」質疑応答
新宿区議会(共産1)
- 佐藤(共産):元の海上ルートに戻すことを国交省にきっぱりと要求すべき
- 環境清掃部長:海上ルートも含めた固定化回避のための新ルートの導入に向けた検討を進めるよう要望
⇒詳しくは、新宿区議会「23年第2回定例会」質疑応答
品川区議会(共産1、未来1)
- 中塚(共産):検討の範囲は品川区を飛び続けるものです。区長はそうは思わないのか?
- 区長:(固定化回避)検討結果を早急に示し実現するよう国に求めてまいります
- 吉田(未来):羽田増便、前向きに評価することが大前提?
- 部長:周辺地域の活性化等を目的とする当補助事業の活用は、適正
⇒詳しくは、品川区議会「23年第2回定例会」曖昧戦略を取り続ける森澤区長
渋谷区議会(立憲1、共産1)
- 佐々木(立憲):国土交通省による住民説明会の開催を要望すべき
- 区長:現時点では住民説明会の開催を要望する考えはありません
- 田中(共産):羽田空港新飛行ルートは直ちに中止を求めるべき
- 区長:新飛行ルートの中止を求める考えはありません
⇒詳しくは、渋谷区議会「23年第2回定例会」質疑応答
豊島区議会(共産1)
- 垣内(共産):国そして都に対して飛行ルートの中止・撤回を求めたい
- 部長:現時点で羽田空港新ルートの撤回を求める考えはございません
⇒詳しくは、豊島区議会「23年第2回定例会」質疑応答
羽田新ルートの質疑が無かった8区議会
羽田新ルートが通過するのに、本会議の代表質問・一般質問で羽田新ルートの問題が取り上げられていなかったのは8つの区(江東、目黒、大田、中野、北、板橋、練馬、江戸川)。
8つの区議さん仕事してますか?
「委員会で議論しているよ」と反論が聞こえてきそうだが、委員会の議論など区民には届かない。
※詳しくは、「羽田新ルート|一般質問以外の舞台での議論は存在していないも同じ」参照。
雑感
羽田新ルートを取り上げた議員数の推移
23区のうち羽田新ルートが通過するのは13の区。この13区につき、19年第1回定例会以降の本会議代表・一般質問で羽田新ルートを取り上げた人数の内訳を次表に示す。
渋谷・港・品川区議会の人数の多さが際立つ。
一方、羽田新ルートを推進している小池都知事のチルドレンである都民ファースト議員に支配されている都議会はヒドイ。少なくとも羽田新ルート下の住民の代表とはいえない。
質疑応答文字数(≒質疑応答時間)の推移
当初、羽田新ルート問題を盛んに取り上げていた港・品川・渋谷区議会のうち、港・渋谷区議会ではやや勢いがなくなってきた。このことは質疑応答を書き起こした文字数(≒質疑応答時間)から読み取ることができる(次図)。
さらに言えば、20年3月から羽田新ルートの本格運用が開始されて以降、都議会と羽田新ルートが通過する13の区議会の定例会本会議では、羽田新ルートに係る1人当たりの文字数(≒質疑応答時間)に減少傾向が見られる(攻めあぐねている)。
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