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羽田新ルート|渋谷区議会「19年第4回定例会」質疑応答

渋谷区議会の「19年第4回定例会」本会議一般質問(11月21日、22日)で、羽田新ルートに関して、吉田佳代子議員(立憲民主)、田中正也議員(共産)、堀切稔仁議員(れいわ渋谷)の質疑応答があった。

議会中継(録画)をもとに、全文テキスト化(約6千500文字)しておいた。

※以下長文なので、時間のない方は「質疑応答のポイント」と「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

※答弁はすべて、渋谷区長


吉田佳代子議員(立憲民主)

吉田佳代子議員(立憲)

吉田佳代子議員(立憲民主、区議4期、日大理工学部数学科卒、57歳)

問1:区役所が苦情対応に追われている

最後に、羽田空港機能強化に伴う国際線の飛行について伺います。
来年3月29日から、羽田空港機能強化による国際線の増便により、渋谷区上空の国際線飛行の開始が決定されています。これまで、渋谷区区議会では国土交通省に対し、意見書や要望書の提出を行ってまいりました。区議会としても騒音、落下物、環境汚染、健康被害など、想定される問題に国交省に解決を求めてきましたが、いまだ解決できていないなかでの飛行が目の前に迫っています。


渋谷区からは、区民に対する丁寧な説明を求めており、特に、コールセンターの問題を取り上げております。
コールセンターに、電話をしても、Q&Aレベルの回答しかできず、適切な回答を得ることができなかった区民が、不満を抱え区に電話をしてきて、区役所が苦情対応に追われている現状があります。

国交省の回答には、区職員に対する勉強会や研修、航空会社による自治体向け窓口の設置などが記載されておりますが、今後窓口は、どのようになるのでしょうか

問2:一般家庭の防音対策を求めていただきたい

また、騒音対策の強化についても言及していますが、当区は騒音対策として補助対象地域には該当せず、一般家庭の防音対策を求めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。区長に伺います。

長谷部健 渋谷区長
長谷部健 渋谷区長(無所属、2期、元渋谷区議会議員3期、専修大学商卒、47歳)

答1:(国と)区との情報共有をより一層図ってまいります

次に、羽田空港機能強化についてのお尋ねです。
自治体職員に対する勉強会や研修の充実、航空会社による窓口の設置等について、現時点で国からの情報提供はありませんが、区において、今後区民の方々からのご相談については、騒音等を所管している部署にて対応することとなります。

国はコールセンターの充実を図ると言っていますので、区との情報共有をより一層図ってまいります

答2:一般家庭への防音対策を求める考えはありません

また、「一般家庭の防音対策を求めてもらいたい」とのことですが、国は騒音対策として、運用時間の制限や着陸地点の移設と降下角度の引き上げによる飛行高度の引き上げ、着陸料金体系の騒音要素の追加等、騒音への影響をできる限り小さくすべく取り組んでいます。

加えて、測定局の増設と、結果の公開などの情報提供に取り組もうとしていますので、現時点では一般家庭への防音対策を求める考えはありません


区といたしましては、区民の安全・安心と生活環境を守る立場から、引き続き、国が責任もって丁寧に区民へ説明し、環境の影響や安全対策等について取り組むよう要望していきたいと考えています。

吉田意見:区役所の職員の方々の業務に支障がないように・・・

それから、羽田の件でありますけれども、我が会派では羽田の件はずっと反対してまいりましたけれども、今後ますます問い合わせは多くなってくるのではないかと思います。ですから、ホームページに問い合わせ先など記載するなど、区役所の職員の方々の業務に支障がないように、国に対ししっかりと対応を求めていただきたいと思います。


また、騒音対策ですけれども、区では住宅簡易改修制度を活用して騒音対策などもできるかと思いますので、そうしたことの啓発もお願いしたいと思います。

田中正也議員(共産)

田中正也議員(共産)

田中正也議員(共産、区議3期、中央大学法学部卒、57歳)

問1:政府に計画の撤回を求めるべき

次に、羽田空港新飛行ルート計画についてです。
安倍政権はこの新ルートについて、来年3月29日から運行を決定し、現在早朝から小型機による試験飛行が行われています。


高さ700メートルから1000メートルを1分から2分間隔で、超低空飛行する渋谷区上空の2つのルートに対して、落下物や墜落の危険、騒音などに怒りが広がり、渋谷区議会でも計画の見直しを求める決議を全会派一致で採択しています。


10月29日、国土交通省が開催した新ルートに伴う公聴会でも、住民からは反対の声がばかりでした。わが党区議団のアンケートでは、76%が反対です。安倍首相は「地元の理解を得て」と述べていますが、住民合意がないことが明らかであり、運行開始は認められません。


国土交通省は1月30日から3月11日の間、民間の定期便をテスト飛行させるとともに、今月18日から東京、埼玉、神奈川で住民説明会を60回開催します。本区で開催予定のヒカリエ、千駄ヶ谷社教館、地域交流センター恵比寿の全てがオープンハウス型です。これでは区民の声を聞く立場とは言えません。少なくとも6回以上、教室型で開催するよう国に強く求めるべきです。区長の所見を伺います。


区長は「国の責任」と言いますが、区民の安全を守れると言えるのですか。所見を伺います。


国土交通省はこの計画の必要性の第1に、国際競争力の強化を挙げています。経済最優先で、住民の命と暮らしを危険にさらすことは許されません。政府に計画の撤回を求めるべきです。所見を伺います。

長谷部健 渋谷区長
長谷部健 渋谷区長

答1:計画の撤回を求める考えはありません

次に、羽田空港新飛行ルートについて3点のお尋ねです。一括してお答えします。


教室型説明会の実施や落下物対策の充実と強化については、区としては区民の安全・安心と生活環境守る立場から引き続き、国が責任を持って丁寧に区民へ説明し、環境の影響や安全対策等について取り組みを要望していきたいと考えています。

こうしたことからご質問のような計画の撤回を求める考えはありません

問2:なぜ、区民の代表として撤回を求められないのですか

羽田空港新飛行ルートについてです。区長は、国の責任で説明をするよう言っていますけれども、計画されている説明会はわずか3か所、しかもオープンハウス型で、これでは区民は到底納得しません。


区長は国に対して「丁寧に説明をするように」というふうに言っています。そうであるならば、少なくとも6か所以上、教室型で開催をするよう求めることは、この間の区長の立場からも当然ではないでしょうか。改めて伺います。


国土交通省は批判をかわすために、対策を講じています。先ほど区長も答弁されていましたけれども、教育施設等の防音工事助成、これは渋谷区、該当ありませんし、騒音測定局を増やしたり、落下物の情報提供、あるいはわずかな防災対策、やると言ってますけれども、騒音がなくなるわけでもありませんし、落下物の危険がなくなるわけでもありません。


区民の命を危険にさらす計画です。しかも圧倒的な区民、議会も一致して見直しを求めている。なぜ、区民の代表として撤回を求められないのですか。改めて撤回を求めるよう区長の所見を伺います。

答2:国が責任を持ってしっかりとやっていく事業だ

続いて羽田のルートについてですけれども、これももう散々お答えしてきている通りです。もう何度言っても議論の進歩がなくて、答えしていることに対してまた同じ質問してきていることです。


もう繰り返しの答弁になりますが、国が責任を持ってしっかりとやっていく事業だといふうに考えています。これが根本です。ご理解ください。

堀切稔仁議員(れいわ渋谷)

堀切稔仁議員(れいわ渋谷)
堀切稔仁議員(れいわ渋谷、区議3期、東京綜合写真専門学校卒、50歳)

問1:来年4月以降の対策、進展があったのか?

次に、羽田空港の増便でございますが、前定例会では、8月の国土交通大臣の「地元の理解が得られた」と、区民の心とかけ離れた発言の時期までの質問をさせていただきました。

今回、それ以降、現在区長会と東京都、国土交通省と来年4月以降の対策について、どのような話し合いが新たに行われているのか。また、進展があったのか、区長に説明を求めます。

問2:固定資産税の引き下げなどの可能性?

そして2番目として、今月の6日の東京新聞に新飛行ルートの不動産価格への影響について掲載がされておりました。

新羽田飛行ルート下にあたる不動産価格が最大26%の下落の可能性を示唆した報道でありましたが、実際には、千葉県では各自治体が成田空港の飛行ルート下の不動産価格が下落をし、不動産の売却についても影響が出て、知事が固定資産税を引き下げています。これ、特例措置というやつみたいなんですけどもね。


そこで、私自体は、羽田新飛行ルート計画は撤廃されることを求めておりますが、現実として、当区または特別区町会として、区民の財産権に大きく係わる問題として、財産の、不動産の価格の影響、そのことによる固定資産税の引き下げなどの可能性を東京都と協議をしているのか。さらにもう1歩踏み込んで、その減収分の補填を国に求めることなどを特別区長会や東京都と議論などをしているのか報告も求めます。


また、いまだ議論されてないようであれば、新飛行ルートの、この2ルートを抱える当区では、広域に多くの住民の方々の財産に関わる問題として、今後、区長会や東京都とこれらの問題について協議、または議論などをする予定があるのか、区長にお伺いいたします。

長谷部健 渋谷区長
長谷部健 渋谷区長

答1:引き続き、国が責任をもって丁寧に区民へ説明し・・・

次に、羽田空港増便についての尋ねです。
お尋ねの、来年4月以降の対策についてですが、区長会は令和2年度の国の施策および予算に関する要望において、飛行ルートが実現した際には、常時騒音測定局の設置、苦情受付窓口の設置等、関係自治体からの要望にきめ細かく対応することを求めています。


また、東京都の施策および予算に関する要望において、羽田空港の機能強化に係る対応として、懸念される課題に対し、住人が納得することができる十分な検討および説明を行うよう国へ働きかけることを要望しているところです。


国および都は、今後の関係自治体の情報提供、意見交換の方法を考えているようですが、区長会として現時点で打ち合わせを行っているものではありません。

いずれにしましても、羽田空港機能強化に関して、区としては区民の安全・安心と生活環境を守る立場から、引き続き、国が責任をもって丁寧に区民へ説明し、環境の影響や安全対策等について取り組みを要望していきたいと考えています。

答2:固定資産税の引き下げなど、(国に)求める予定はありません

次に、飛行ルートの不動産価格への影響についてのお尋ねです。
11月18日から国土交通省が開催している第6フェーズの住民説明会の資料において、成田、伊丹、福岡の3空港を対象に調査分析したところ、飛行経路が地価の下落につながることを示す因果関係を見出すことができない、との報告をしています。


すでにウェブにて公表されていますのでご覧いただければと思います。

区としては、羽田空港の飛行経路の見直しについては、安全対策への取り組み、区民に対する丁寧な説明および情報提供を行うとともに、事業の実施にあたっては国の判断、責任で行うものと考えています。

したがって不動産価格への影響、そのことによる固定資産税の引き下げなどの可能性、またその減収分の補填を国に求めることなどの議論は必ずしも必要とは考えておらず、今後もそういったことを求める予定はありません

問3:財産権に関して、区長会だけでも議論していくということは必要

区長会として安心・安全をということでやっていくということで、羽田空港の問題に関しては、今後言っていくということに関しては――。この財産権に関しては、ホームページ上に出ていることを示唆されていましたが、ただ、実際に特例措置というのは千葉県でもあるわけですし、実際に、東京の場合は、たぶんもっと、実際に価格が下落するとしたらすごく大きいことになると思います。


そうなってからやるということと、事前に話し合いをしておいて、やっぱり少なくとも区長会だけでも議論していくということは必要なんじゃないかと思うんですよね。

その中で、いざ知事に、やはりこれ(特例措置)を申し入れをしなければいけないという時、または国にその補填措置も含めて議論しなければいけないということを(区長には)していただきたいと私は思っておりますが、その辺に関しては区長から区長会について議題に入れていただくことは可能なのか、引き続きお伺いいたします。

答3:議論をする必要はあるというふうには感じておりません

羽田の飛行ルートの不動産価格の下落についてですけれども、質問では「区長会で発言することは可能か」ということなんですが、発言をすることは「可能」です。

ただ、現在私としては必ず議論をする必要はあるというふうには感じておりませんので、発言は私からすることはない、というふうに今の時点ではご理解いただけたと思います。

堀切意見:財産権に関しては、ぜひとも区長の権限を堅持していただいて

長谷部区長、いま区長会でまず、「発言できる」ということで、この羽田の飛行計画に関して、いまのところ発言していただけない、ということですけども、時期が来たら、たぶんやらなきゃいけないことだと思いますので、そのへんは是非ともどこかに頭の中に置いといていただきたいなと思います。


私は、だいたい22の駅を1か月半かけて回って、毎回、毎回、街頭(演説を)してますが、特に声が大きいのは、「この問題をちゃんとやってほしい」といわれる方は、例えば広尾ですとか、例えば恵比寿とか、それだけでありません。本町もそうです。

あらゆる方々が、飛行ルートに関わるところ、代々木なんかもそうですね、ほんとに自分のこととして非常に重く受け止めていて、特に、この(東京新聞の)記事が出てから、街頭の中でも、「あのこと知ってますか」というふうに聞かれることが多いです。


つまり、住民の方々は、自分の守ってきた財産、そしてこの街が好きだということとかいうことで一杯住んでる方もいらっしゃると思うんですね。それは区長も渋谷を愛してるということをおっしゃってますから、渋谷を愛してる方が住まれてるわけですよ。
ただ、それが国の計画によって、住みにくいことになってしまうということになってしまったら、それは悲しいじゃないですか。


その時に、お金がある方は出て行ってしまうかもしれないんですね、渋谷区を。ただ、お金がない方は出ることはできない。そういう中でやっぱり少なくとも、財産権に関しては、ぜひとも区長の権限を堅持していただいて、その時には発言をしていただきたいなと思います。

雑感

吉田議員(立憲民主)

「区役所が苦情対応に追われている現状」に対して、「区役所の職員の方々の業務に支障がないように、国に対ししっかりと対応を求めていただきたい」という意見。ピントがズレていないだろうか。

田中議員(共産)

区議からの「政府に計画の撤回を求めるべき」に対して、区長の「計画の撤回を求める考えはありません」という答弁。18年の4回の定例会でも、また、19年の第1回から第3回定例会でも観測されていて、もう日常の風景と化している。

堀切議員(れいわ渋谷)

羽田新飛行ルート計画撤廃というスタンスを明確にしたうえで、不動産価格への影響を見据え、固定資産税の引き下げと、その減収分の補填を国に求めるといった現実的な問題に対応するための具体的な提案をしている。

長谷部区長

濱野健 品川区長と違って、自らが答弁にっていることだけは評価できる。

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