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羽田新ルート|江戸川区議会「20年第4回定例会」質疑応答

江戸川区議会の「20年第4回定例会」本会議一般質問(11月27日)で、羽田新ルートに関して、大橋美枝子議員(共産党)の質疑応答があった。

録画放映をもとに、テキスト化(約3千400文字)しておいた。

※以下長文。時間のない方は「質疑応答のポイント」と最後の「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

大橋区議

大橋美枝子区議
大橋美枝子区議(共産、区議3期、千葉大卒、71歳)

通告に従い質問します。誠意ある答弁を期待します。第1の質問は、羽田空港新ルートについてです。

 

私たちの会派は一貫して羽田空港の機能強化、国際線増便を理由とした新ルートに反対してきました。それは住民の安全、安心よりも経済効率を優先していること、落下物の危険について住民の納得が得られていないこと、江戸川区においては、とりわけ新ルートによる通過機数が今までの数倍に及ぶことから環境悪化が懸念されたからです。


区長は、「航空機は公共の乗り物だから、我々だけ静かであればいいと言えるか」と議会で答えられましたが、だからこそ騒音が最も少ない海上ルートに戻すことを求めています。

また、音の大きさだけではなく、その音質、空からの重圧感は不快感を高めます。航空機騒音は異質です。騒音被害が大きい清新町では、騒音の増加対策と省エネと重ねて、2重窓にする予定の集合住宅が増えていると聞いています。


国は3月29日から羽田空港新ルートを開始しましたが、コロナ感染症の影響により、6月21日から27日までの国内線は60%、国際線は95%も減便しています。この状況では新ルートは全く必要がありません。減便が続く以上、一旦中止してほしいという住民の声を受け止め国に申し出るべきです。


品川区には羽田新ルートへの賛否を問う住民投票制定に向けた直接請求署名が11月9日に提出されました。

新ルート差し止め裁判に訴えた方もいます。

部品脱落も2018年度488件が2019年度は928件と増えています。2020年度は4月から7月の4か月間で339件発生。今のところ重大な落下物の事故は発生していませんが、部品脱落の増加は不安を広げています。


また、荒川沿い新ルートは、実際には、江戸川区陸域上空を通過しており、国の説明と違っています。国も4月に「航跡データを精査の上、可能な限り、荒川上空に設定した運行経路の徹底を実施予定」と表明し、区内陸行き通過を認めています。しかし、その後も状況は変わらず、区内陸域通過のコースが固定しかねません


コース逸脱是正を国に求めることは、生活振興環境委員会でも各会派から要望されています。

さらに6月30日の国交省「羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会」で「新ルートの導入背景として千葉県民に偏っている騒音負担の首都圏全体での騒音負担の共有が必要」とは区民には全く説明がありませんでした。区民を欺いたとも言えるこの負担共有の件、厳重に抗議し、国の説明会を1日も早く実施することを強く求めるべきです。


23区区長会の来年度の国への要望に、羽田機能強化に係る対応に騒音影響や落下物対策などの安全管理などの課題に対し、住民が納得することができる取り組み、丁寧な説明および情報提供を行うこととしています。

そこで2点質問します。

問1:コロナ禍で減便、新ルートは一旦中止

第1は、区内通過の航空機増加による環境悪化は明らかであり、コロナ禍で減便が続く状況から、新ルートは一旦中止し、元の海上ルートに戻すことを国に求めるべきですが、いかがでしょうか。

問2:荒川沿い新ルートが区内陸域に、厳重に国に抗議

第2は、国交省検討会の新経路の導入背景として、騒音負担の共有という説明を江戸川区は一切受けていないこと、荒川沿い新ルートが区内陸域に入り込んでいることの2点を厳重に国に抗議し、これらに関する緊急説明会を国に求めるべきですが、いかがでしょうか。

区長

斉藤猛 江戸川区長
斉藤猛 江戸川区長(1期、元江戸川区教育長、早稲田大学社会科学部卒、57歳)

答1:国に中止を求める考えはございません

まず、羽田空港新ルートのご質問でございます。新ルートにつきましては、コロナ禍の影響を受けて、ご質問もありましたけれども、今一時的に減便をしてるところでございますけれども、羽田空港の機能強化は必要と考えておりまして、国に中止を求める考えはございません

 

騒音軽減と落下物対策につきましては、引き続き国に要請をしてまいります。

答2:国に申し入れを行っております

内陸飛行の件でございます。こちらは、3月の29日からでございますけれども、新ルート。5千機を超える飛行機が荒川上空を通ったと思っております。その中で大体3%ぐらいがお話のような形で内陸飛行があったんじゃないか、私どもの調査ですけれども、そういうふうに考えております、ではなく捉えております。考えておるじゃなくて、捉えております。


ここは国に申し入れを行っております。これ毎月のように行っておりますので、ご理解いただければというふうに思います。

また、新ルート運用開始後も住民説明会は必要と考えておりますので、こちらも繰り返し国に開催を求めてまいります

大橋:千葉県との協定について抗議してほしい

区長の答弁されたなかで、千葉県との協定について抗議してほしいっていう、抗議を是非そういうのを質問に入れたんですが、その辺について触れてられなかったので、もしご回答いただければと思って。

私は答弁漏れと認識しました。千葉県との騒音共有、騒音軽減共有です。

区長:必要とあれば、声を上げていきたい

必要とあれば、声を上げていきたいと思っております。以上です。

大橋(陸域通過に抗議したというが)、変化がない

ご答弁ありがとうございました。
いま最後に千葉県との騒音軽減を共有するっていうような、突然の国交省の発表に大変驚いたというのがあって、今回、質問にも盛り込んだんです。


区長は「必要があれば声を上げていく」っていただいたので、それは是非後で確認していただいて、引き続き本当の意味で騒音が減るっていうのは、ものすごく皆さんが求めてることですから、そのことを一概に私が文句を言ってるって意味ではなく、やっぱり、区長が先ほどおっしゃったけれども、音の違いはあっても北風新ルートができたことによって、航空機の通過が増えているのは、江戸川区民にとっては事実ですので。


そうすると「千葉県との騒音軽減を共有するみたいなかたちで、どうして江戸川区は騒音が増えちゃったの」っていうふうに凄い、そんなふうに思いますので、そこはしっかり国に要望していただきたいと思います。


また、「新ルートの中止は求める考えない」っていうことで、大変私も残念に思いますが、特に、今回一旦中止してっていうことを強調したのは、軽減、ごめんなさい減便というそこを踏まえて、これがいつまで続くか分かりませんけれども、ここの区民の声をぜひ受け止めてほしいっていう意味合いで、今回質問をさせていただいたんです。


もともと、もう先ほど質問のなかでも触れていますが、共産党は反対という立場で意見を一貫して言ってきましたけれども、区民の皆さんがいま本当にコロナで減便してるんだから、一旦中止してもいいんじゃないかと。

そこを江戸川区が国に押してもらいたいっていうことなので、そこの一旦中止ってあたりで、国に言えないかっていう点は、区長もし答弁できるようでしたら、そこの再質問ってことでお願いしたいと思います。


それからもう1点。何かあったら、きちんと言っていくっていうお話は聞いたんですが、江戸川区内に陸域に入って航空機が通ってるってことについて、何回か(国に)仰ったっていうふうに、必ず(国に)言ってきたっていうふうに区長が答弁されましたけど。

でも、結果が変わってないと。


今朝も相当飛んでましたけども、やっぱり変わってるっていうふうに思えないんです。

そうすると、このまま固定しちゃったら、これは大変なことになるっていうふうに、私はとてもそこを今回強調して質問させて頂いたので、このことについて、変化がないという、つまり国は意見を江戸川区から聞いてても、何も手を打っていないというふうに認識ちゃうわけですよ。

その辺りについて、もう一度、区長の今後の立場を聞きたい。

区長:変わってないという(陸域通過の)件数を教えていただければ

最初の、新ルート。一旦中止ということでございますけれども、こちらについては、さきほどの繰り返しになりますけれども、羽田空港の機能強化は必要と考えておりますので、一旦中止も国に求める考えはございません


そして二つ目なんですけれども、「変わってないじゃないか」ということなんですけれども、これは、たぶん件数とかをずっと取ってらっしゃるんでしょうか?

変わってないということは。ちょっとすいません、そこのところは分からなかったので、もしよろしければ件数を教えていただければというふうに思っております。

雑感(区長の開き直り逆質問)

江戸川区議44人のなかで、本気で羽田新ルート問題に対応しているのは、大橋美枝子議員(共産党)くらいではないのだろうか。

ただ、残念ながら、役人上がりの斉藤猛区長(元江戸川区教育長)は毎回、全くと言っていいほど聞く耳を持たない答弁を繰り返している。

今回の答弁はその最たるものだ。

大橋議員が「江戸川区内に陸域に入って航空機が通ってるってことについて、(略)必ず(国に)言ってきたっていうふうに区長が答弁されましたけど。でも、結果が変わってない」と迫ると、区長は開き直って逆に質問で切り返す。「件数とかをずっと取ってらっしゃるんでしょうか?(略)もしよろしければ件数を教えていただければというふうに思っております」

陸域侵入件数の変化については、議員に問い返すのではなく、「国交省に確認のうえ回答します」が誠意ある答弁というものであろう。

江戸川区の陸域侵入問題は、当該エリアの住民にとっては深刻な問題だと思うのだが、首長がこれでは住民は救われない。

江戸川区の陸域にまでズレ込んでいる
北風時の荒川沿いルート、江戸川区の陸域にまでズレ込んでいる」より

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