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羽田新ルート|江戸川区議会「20年第3回定例会」決算特別委員会(質疑応答)

江戸川区議会の「20年第3回定例会」決算特別委員会(10月2日)で、羽田新ルートに関して、大橋美枝子議員(共産党)伊藤ひとみ議員(生活者ネット・立民)の質疑応答があった。

録画放映をもとに、テキスト化(約5千200文字)しておいた。

※以下長文。時間のない方は「質疑応答のポイント」と最後の「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

※答弁は環境推進課長


大橋美枝子議員(共産)

大橋美枝子区議
大橋美枝子議員(共産、区議3期、千葉大卒、71歳)

大橋:騒音の低減に向けて関係機関に働きかけ?

環境(費)のところで、私もこの間、ずっと質問してきましたけれども、航空機騒音、また、落下物が心配だっていうことで、改めて(羽田新ルートについて)今回も質問させて頂きますので、よろしくお願いします。


頂いた資料の160番を見ますと、騒音の苦情が25件というふうに数字が出ておりました。主な内容も記載されてあるんですけれども、もう少し具体的にどんな内容だったか教えていただけないかということが一点。

もう一つ、区の対応として騒音の低減に向けて関係機関に働きかけているとありますけれども、その働きかけの内容について教えていただければと思いますが、お願いします。

環境推進課長
環境推進課長

課長:機会あるごとに、要望している

まず、一点目の苦情の内容ということでございますが、主な内容は、ここに書いてあります通り、「頻繁に飛んでいる」「コースが外れている」という他に、前のページにもあるんですが、「うるさい」、大きくこの3つに分類されております。


また、関係機関にどのように、ということでございますが、これは都が定期的に開催いたします、国も出席する会議の場であったり、また、国の職員が当区へ訪れることもございます。機会あるごとに騒音軽減、あるいは落下物防止対策については要望しているところでございます。

大橋:環境が悪化している、そういう認識を持ちか?

是非その姿勢を引き続きお願いしたいってことと同時に、苦情の中身なんですけれども、この特に今「頻繁だ」ということと「うるさい」ということと「コースが外れている」というのは、本当に私もよく区民から聞いてる中身です。


コースについては、いわゆる新ルートのことだと思いますけれども、まず、今朝も7時から北風便がバーッと飛びまして、正確ではないかもしれませんが、7時、1時間で11機通過して、かなり大きな音がやっぱり響くわけですよ。


今までだったら涼しくなると、南風悪天候っていう着陸便が無くなるので、ちょっとほっとしてたんですけど、逆に北風が増えると、「あー、また騒音が」っていうふうにやっぱり私自身もすごく感じます


そういう区民からの声をいくつか紹介します。

まず、「窓を開けて自然な風を通して家で過ごしたいけれども、困った」と。また、「コロナ感染防止のために、換気のために窓を常時開けておきたい」と。また、「天候の悪い時は、航空機の騒音が大きく聞こえてくる」と。それがやっぱり今の区民の声だということも改めて伝えたいと思います。


次に、その立場をきちんと、(国に)言って欲しいってことなんですけれども、今、言ったように、やっぱり環境が悪化しているというふうに私は認識しているんですけれども、そういう認識を持ちかどうか、いかがですか。

課長:環境の変化が生じている、とは認識

環境の変化が生じている、とは認識しております。

大橋:軽減の努力の約束は?

変化が生じてる、っていうような(レベルではなく)遥かに上回って私は悪化してると、区民の声が現に増えてるわけですから、今後も、区民の声をしっかり受け止めて、環境悪化という認識を、私は持って欲しいと改めて思います。


次に、私もちょっと驚いたことがあったんですけども、国交省が7年ぶり、6月末に有識者会議というのを開催し、その資料が示されました。その中に千葉県民の騒音負担軽減を新ルート設定の理由として言ってるわけです。


これはもちろん、今年のことなんですけれども、そのことで驚いたというのは、江戸川区は50年前の国交省との色んなやりとり、皆さんご承知だと思いますけども、騒音軽減については、さらに行政努力を重ねると当時の担当者がそんなふうに江戸川区に言ってるわけです。

千葉県を軽減するという理由で新ルートをやって、結果的に江戸川区が増えているという認識を、私も持ったんですけども、この軽減の努力の約束はどうなっているのか、改めてお聞きします。

課長:脚下げ、区通過後の海上で出すように留意

国の努力の一例でございますが、例えば、着陸時に脚下げと言いまして、タイヤを出すことがあります。

これにつきまして、それまでは江戸川区上空で出していたんですけれども、それを極力、江戸川区通過後の海上で出すように留意することと、国際的なルールの中で改正をするなど、国も騒音低減には努力をしてきているというふうに聞いております。

大橋:新ルートも含めて海上ルートって要望?

なんかちょっとそれが努力なのかっていう点では、私は納得できる中身ではありませんでしたけれども、とにかく「努力をする」と国が言った以上は、きちんと追及してほしいと改めての意見として述べたいと思います。


今回、突然、国交省が示した千葉県との協定というのは、羽田空港増便機能強化が前提ということで、国際便が増えるから千葉県を低減しますっていうことで、抱き合わせで出てきたというふうに報告してるんです。

そうすると今の段階では、国際線は結果的に減便してるわけですよ。増えてない。その実態にあって、どうしてそのことを理由に国交省がやってるかってことについては、本当に私は不思議に思うんですけども、国交省が千葉県との関係で言うんだったら、もう新ルートは、一旦立ち止まって中止するべきだというところを私は改めて提案したいと思いますけれども、ごめんなさい、提案じゃなくて意見として述べたいと思いますが。


もう一つ、ちょっと確認したいんですが、江戸川区のホームページで、国に対して、「可能な限り海上ルート活用」というふうに求めているとあります。これは南風悪天候の定期ルートだけなのか、新ルートも含めて海上ルートって要望してるのか、どうでしょうか。

課長:新ルートも含めての要望でございます

新ルートも含めての要望でございます。

大橋:区としても補助金を検討して欲しい

それは引き続き海上ルートってことで、私たちも一貫してそれ言ってますので、海上ルートを求めるという立場で、今後も意見を言っていただきたいと思います。


次に、防音対策、環境の悪化というふうに私達も捉え……私は捉えていますので、環境悪化に対する防音対策を是非、具体的に進めて欲しいんですが、前回のお聞きしたところは1か所、江戸川区内で行うっていうふうにお聞きしていますけれども、それだけでは足りないと。具体的に国に代わって区としても補助金を検討して欲しいんですが、どうでしょうか。

課長:区としては考えておりません

補償については、国の責任において適切に行うべきものと考えておりますので、区としては考えておりません

大橋:全日空のパネル落下、原因は?

大変残念ですけども、やっぱり連日、飛ぶってことになると、個人の住宅も含めて私は二重窓の補助金などを出してほしいということを改めて求めたいと思います。


そこで、1点、東京新聞。これも昨日言いました。今日は東京新聞のこと、別のことでいますが、航空機騒音防止法で住宅への防音工事というのはLden62dB以上というふうになってるということで、国が2重サッシなど補助するんだそうです。


都心の着陸ルートは1日3時間だったら、Ldenっていうのは、騒音を1日おしなべて平均化するっていう考え方だそうですから、この大変大きな数字が出ても平均すると62dBにならないという、そのことの限界が3時間だってことを計算して、それでやったというふうに、そんなふうに報道がされていましたので、私も本当におかしいと思いました。

この点についてはぜひ、今後も国とのやり取りの中で明らかになったら教えてください。


次に、落下物および墜落の問題についてお聞きします。

部品欠落が、いただいた資料で増えているということがはっきり分かりましたけれども、この資料の、ページでいうと239ページですけれども、成田空港での全日空のパネル落下について、原因はわかってるでしょうか

課長:国は「調査中」とのことでございます

現在、国は「調査中」とのことでございます

大橋:コースを外れている、国はどんなふうに回答?

やっぱり、実際に落下物が増えてるんだとすれば、徹底した調査、機体チェックが必要だということを、当然区は言ってると思いますけど、引き続きお願いしたいと思います。


最悪の事態は墜落です。こんなことを私も言いたくないと思いつつ、35年前のボーイング社の事故が、私は忘れられませんけれども。また、ボーイング社が737MAXという航空機で2018年、19年、続けて2回墜落事故があって、346人が死亡しているんです。この結果、同社の最高責任者が引責辞任したということが報道されています。


やっぱりあってはならない航空機事故ですけれども、この危険性っていう点では、私は本当に心配なんですけども、この危険性に対して、もっと国に積極的に意見を述べて頂きたいと。

やっぱり住宅地を通る以上、その可能性を、「不安を煽る」っていうふうな意見の方もいますけれども、私はとっても心配だってことを改めて意見として、国にも言って欲しいってことを言いたいと思います。


それに関連して、新ルートも先ほど中止をということで意見も述べましたけれども、一つ国交省が示したコースを外れているって問題も大きいと思います。この外れているということに対して、国はどんなふうに回答してるんでしょうか

課長:悪天候の時、想定経路を外れることがある

悪天候の時に、安全確保のために運航の必要上、その時に限って想定経路を外れることがあるというふうに聞いております。

大橋:説明会、要望する?

悪天候ってなるとやむを得ないかなって、何となく私も思うんですけども、それも想定したコースとして研究されて、荒川沿い北風ってなったと思うんですね。

やっぱり、そうじゃなく、元の海上ルートでも十分できるというふうに、今までの国の説明を聞いても、私は認識していますので、やっぱり新ルートの設定という点では、今、改めて国際線が9割減便、国内線も4割減便してるわけですから、今の段階で一旦中止するということを是非とも国に強く言って欲しいと思います。


最後に、説明会については、議会答弁でも是非要望するというふうにおっしゃて頂きましたので、そのことを確認させてください

課長:開催を求めている

運用開始後も説明会は区としても必要と考えておりまして、繰り返し区に(「国に」の言い間違い)開催を求めているところでございます。

伊藤ひとみ議員(生活者ネット・立民)

伊藤ひとみ議員(生活者ネット・立民)
伊藤ひとみ議員(生活者ネットワーク・立憲民主党、区議2期、埼玉大学経済短期大学部卒、57歳)

伊藤:新ルートの運用の見直しを関係機関に働きかけることを要望

(羽田新ルートの)関連です。

ただいま「脚下げ」のお話が出ましたけれども、私も葛西に住んでおりまして、脚下げするところ、何回も見ております。やはり、そこ(脚)から大きな氷が落ちてくるとは思いませんけれども、やはり、閉まっているものが開いて脚が出てくるっていう、そういう行為はやっぱり怖いと思います。

落下物、何があるかわかりませんので、やはりそういうことは、海上の方から、海上に行って脚下げをするっていうことを徹底してもらいたいと思っています。


意見だけ申し上げます。

羽田新ルートの運用を巡っては、都内では運用の停止を求める行政訴訟が始まっていたり、品川区では住民投票を求める署名活動が始まるなどして、私たちは本区だけの問題ではなくて、東京都全体の問題であると捉えています。


そして新ルートでは、川崎のコンビナートの上空を飛ぶことになって、コンビナートで働いている社員は地震や津波などへの対策は考えられてはいるけれども、上空からの物が落ちてくることへの対策は考えられていないと話しているということです。


本区でも風向きの条件ではあっても、朝と夕方に飛行機の騒音を聞くことになりました。コロナ禍の中で、羽田の発着便数は1/3と減少しているとはいえ、うるさいと感じる音量の回数は増えています

説明会では説明会で聞かせていただいたヘッドフォンで聴いた音と実際に体感する実際の騒音では恐怖感が伴うなど、だいぶ異なるものでした。

これまでも葛西や清新町では、曇りの日には、特に飛行機の騒音は気になりますが、いつもではないということで紛らわすことはできますが、毎日となると本当に不安感は募るばかりです。


国交省の説明では、離陸時に荒川上空を通過する条件である北風は冬に多いということでしたが、実際は西北西の風であっても、荒川上空を通過するので、結局は夏でもかなりの数の離陸便が通過することになりました。

悪天候の南風時の着陸便が通過するのと合わせると、かなりの便数になります。新型コロナウイルスの影響で便数が削減されているいまでも、この状況ですから、全便飛ぶようになった時にはもっと増えるわけです。
実際、自宅から近所の公園から騒音を測ってみましたが、70dB以上になる時も数回ありました。

また、実際に新ルートの運用が始まると、パイロットの目視飛行となっており、想定されていたルートを大幅に本区の内陸部を、新小岩の方にも通過することがわかりました。パイロットの目線で目視での飛行では、ほとんどのパイロットが想定とは異なるルートを通ったという結果が出ているわけですから、騒音だけではなく、落下物のことも考えますと、想定ルートでは安全が担保できないということになっていると考えられます。


区としての区民の安心・安全な生活を考え、新ルートの運用の見直しを関係機関に働きかけることを要望いたします。よろしくお願いいたします。

雑感(区民はヒドイ騒音環境に晒されているのだが)

江戸川区では羽田新ルートが導入される以前から、南風で悪天候等により視界が悪く、通常のルートが使用できない時に限り、安全を確保するため、誘導の電波に沿って江戸川区上空を通過して着陸するルートが運用されている(次図)。

南風で悪天時の多い7月には900機(3か年平均)が江戸川区上空を飛行している。

江戸川区上空を通過して着陸するルート
航空機騒音|江戸川区

 

江戸川区民にとって、従来の南風・悪天時の着陸ルートに、羽田新ルートの北風時の出発ルート(7時~11時半・15時~19時)が加わったのである。しかも、北風時の出発ルートは、南風時に都心を通過して羽田に向かう着陸ルート(15時~19時)よりも運用される時間がはるかに長いのである。

ただ、現状では、羽田新ルートで北風時に出発ルートを通過する便数は、コロナ減便の影響で少ない(次図)。

通過機数の推移(北風時)C滑走路(離陸)
羽田新ルート|国交省の「定期運用報告」を可視化」より

 

また、北風時の出発ルートは、国交省の説明では荒川に沿って北上するはずだったのに、江戸川区の陸域にまでズレ込みまくっている(次図)。

江戸川区の陸域にまでズレ込んでいる
北風時の荒川沿いルート、江戸川区の陸域にまでズレ込んでいる」より。

 

江戸川区民はこんなにもヒドイ飛行騒音環境に晒されているにも係わらず、江戸川区議会 第3回定例会(9/23-24)本会議の一般質問で、登壇した12名のうち共産党の2名(小俣則子氏、牧野けんじ氏)も含め、誰も羽田新ルートの問題を取り上げなかった

江戸川区議44名は、いったいどこを向いて仕事をしているのだ

「意見だけ申し上げます」って、伊藤ひとみ議員(生活者ネット・立民)は、質問権を放棄しているのか……。

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