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羽田新ルート|江戸川区議会「19年第2回定例会」質疑応答

江戸川区議会の「19年第2回定例会」本会議一般質問(6月20日)で、羽田新ルートに関して、大橋美枝子議員(共産党)の質疑応答があった。

録画放映をもとに、テキスト化(約2千600文字)しておいた。

※以下長文なので、時間のない方は「質疑応答のポイント」と最後の「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

大橋:新ルート案の撤回を国に求めるべき

大橋美枝子議員(共産党)
大橋美枝子区議(共産、区議3期、千葉大卒、70歳)

次に、羽田空港国際線増便新ルート案について伺います。
6月は南風悪天候時に、江戸川区上空を通る航空機が増える月です。一昨年は、1年間で62日、約5千機、6月は10日間で1,303機。特に、6月17日の週は、2日で517回の騒音が測定されています

最も多かった5年前の8,655機に比べると減少していますが、羽田空港新ルートになれば、北風時、荒川沿いに1時間に23機の離陸便が実質7時間半にわたって通るとされています。

北風運用は、午前中は年間平均で約8割、10月から2月の間は北風運用が9割近くになると国は説明しています。試算してみますと、区内を通る航空機は今の約10倍にもなります。

国は離陸時の騒音は少ないとしていますが、離陸時の高度約3,000フィート、915メートル経路直下、荒川河口あたりは69から77dBとなり、現在の清新町公民館上空を通過している航空機騒音測定結果とほぼ同じです。

荒川沿いといっても、現在の離陸便のコースを見ると、その幅は3キロ位になる可能性があります。新ルートでの騒音回数の増大は避けられません。

騒音が健康被害を及ぼすことは世界でも研究が進められ、WHO欧州事務局は環境騒音から人の健康を保護するために、環境騒音ガイドラインを改定しました。そこには、航空機騒音の新しい基準も含まれており、1日平均の騒音指標の1つでもあるLdenを45以下にすることを強く勧告しています。ところが、日本はLden62を防音助成対象の基準にしたままです。

新ルートで約10倍にもなる騒音と健康への影響、落下物の危険、さらに過酷事故の危険が増えることが心配です
課題が山積しているのに、経済効率を優先させて強行する国の姿勢こそ重大です。

3月議会で、渋谷区議会は計画見直しを求める意見書を、品川区議会は羽田新ルートを容認できないと決議を上げています。

そこで2点お聞きします。
1つは、区民の命と暮らし、環境を守るために、羽田空港国際線増便 新ルート案の撤回を国に求めるべきと考えますが、いかがでいかがでしょうか。

2つ目は、現状でも区民が健康被害につながる騒音レベルなっていることから、国に環境基準の見直し、さらに防音対策などの支援策を求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。

区長:新ルート案の撤回を求める考えはございません

斉藤猛 江戸川区長
斉藤猛 江戸川区長(1期、元江戸川区教育長、早稲田大学社会科学部卒、56歳)

続きまして、羽田空港の国際増便新ルート案の撤回でございます。
区民の環境を守るというのは、これはもうお話しの通りで、これは行政が求めていかなきゃいけない、追求していかなきゃいけないところだと思っておりますけれども、ただ、飛行機も公共の乗り物だと思ってます。

車も電車もやはりこれは一定の騒音というのは、ついて回っているのかなというふうに思います。そうすると、なんで飛行機だけダメなんですか、というところが私には少し、スイマセン、ちょっと分からない部分がございます。

ただ、騒音がおっきいじゃないかという、そういうお話もあるかと思いまして、航空機の騒音レベル、これはLdenではなかったもんですから、dBで測ったものがあります。

しかも清新町の測定局での実測値なんですけど、64から67dBという数字がございます。これは、例えば幹線道路の隣にいた場合は70から80dB。街路沿い、幹線道路沿いじゃなくて街路沿いで65から75dBということなんです。

清新町で測った騒音レベルが64から67dBということでございますので、そこと比較をしたときに、果たして騒音機(航空機)の音が異常に大きいかどうかというのは数字上からはちょっと立証できないのかなというふうに思ってるところでございます。

ただ、なかなかこういう数字に出てこない部分もあるのかなと思うんですけれども、現段階では公共の交通機関ということもありまして、 新ルート案の撤回を求める考えはございません

ただ、引き続き国に対して、騒音の低減や落下物がないような形、あるいはちゃんと住民説明会をやってください、安心をするためにはちゃんと説明をしてもらわないと困ります、ということは引き続き(国に)求めていきたいというふうに思っている部分でございます。

そして、健康への影響とか防音の対策などの基準がちょっと国土交通省、甘過ぎるんじゃないかというご質問もございましたけれども、これはいま国の段階での検証、判断で必要に応じて見直しをするべきものだと思っておりますので、これは現段階で、いま江戸川区から国に求める考えはございません。

ただ、江戸川区として必要であればそうゆった時に求めていきたいというふうに思ってるところでございます。

大橋:最大瞬間騒音というのが大きな問題だ

新ルートに関してですけれども、区長が「引き続き要請する」という、「意見は違うけれども要請する」ということをおっしゃったので、それはぜひ引き続きやってもらいたいと。

1点、「大きな音が睡眠を妨げて睡眠障害を引き起こす」という、騒音研究の第一人者の北海道大学の松井先生がそうおっしゃっているわけです。

ですから、 最大瞬間騒音というのが大きな問題だと。確かに平均すると、さっき言った数値になるんですけれども、時々ものすごい音がするというのも事実ですので、このあたりをもう少し研究するっていうことで、実態に合わせて、数値を平均化しないで、ほんとに瞬間最大騒音を、まだ平成30年は出てませんが、29年のを見ますと、84.5dBが1回出てんですね。

だから、そういうものすごい大きな音のときの健康に与える影響をぜひ研究してほしいということを要望として述べたいと思います。

区長:実態は我々もちゃんと見てまいります

航空機騒音、ここなんですけれども、ここはいまお話しございましたけれども、当然、いま答弁してお終いじゃなくて、これから 実態は我々もちゃんと見てまいります
そのうえで対応策は考えていきたいというふうに思っておりますので、そのように捉えていただければなぁというふうに思ってます。

雑感

車も電車も騒音がついて回る!?

4月の区長選後、1期目を務めることになった役人上がりの斉藤猛区長(元江戸川区教育長)。「車も電車も一定の騒音というのはついて回る(略)、なんで飛行機はダメなんですか」という区長の発想には違和感を覚えざるを得ない。車や電車からの騒音は道路沿いや線路沿いに限られるし、そこの住民はある程度納得したうえで住んでいるはず。一方、飛行騒音のほうは、納得もしていないのに(多くの区民は知らされてもいないのに)いきなり空から広範囲に降り注いでくるのである。

「公共の交通機関ということもありまして、 新ルート案の撤回を求める考えはございません」という説明は、まったく論理的ではない。

不毛なやり取り…

大橋議員からの「新ルート案の撤回を国に求めるべき」という提案に対して、区長の「撤回を求める考えはございません」という答弁。第3回定例会(18年3月)でも、同議員と前区長(多田正見区長)との間で、この撤回議論が交わされている。

他の区議会でもさんざん観測された、不毛なやり取りである。

大橋議員が今回引用した北海道大学の松井教授の「飛行騒音、睡眠障害論」は、港区議会(6月20日)の福島宏子議員(共産)の質疑や、都議会の予算特別委員会(3月14日)の白石たみお議員(共産)の質疑でも引用されていたが、首長の頑なな姿勢に変化を与えることはできていない。

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