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羽田新ルート|江戸川区議会「第3回定例会」質疑応答全文

江戸川区議会の「平成30年第3回定例会」本会議一般質問(9月26日)で、羽田新ルートに関して、大橋美枝子議員(共産)の質問があった。

議会中継(録画)をもとに、全文テキスト化(約4千文字)しておいた。

※マスメディアが取り上げなければ、羽田新ルート問題は区民には届かない。区議会議事録の肥しとなるだけだ。弱小なこのブログメディアによる区議会質疑応答の全文書き起こし情報が少しでもお役に立てば幸甚。


質疑応答のポイント

大橋議員「新ルート案の撤回を国に働きかけることを改めて求めます」

大橋美枝子議員(共産)
大橋美枝子区議(共産、区議2期、千葉大卒、69歳)

はじめに羽田空港の国際線増便、新ルート案についてお伺いします。
新ルート案は経済効率優先、安倍内閣が進める「世界一企業が活動しやすい国」のための首都圏機能強化であることを私たちは繰り返し指摘してきました。

区長は「新ルート案に賛成で、中止を求めるつもりはない」と答弁されています。しかし、区民の安全よりも航空会社の利益、ビジネス優先というのはいかがなものでしょうか。

いま空の規制緩和が世界的に進み、空港間競争が激化しています。
特に15時台から18時台にかけては、成田、羽田ともに発着回数が頭打ちになっています。この時間帯の受入を増やして、韓国や中国、香港など、アジアの他の空港での乗り継ぎに流れること、つまり収益のチャンスを逃すことを恐れている航空会社の利潤追求を支援する計画といえます。

2017年の訪日外国人約2,869万人のうち、アジア諸国からが約78%、そのうち9割以上が中国・韓国・台湾・香港からです。今後の需要を考えるのなら、羽田増便を中止し、首都圏以外の空港とアジアの地域との直結路線を増やし、地方の活性化に結びつけるべきです。

都心、人口密集地の低空飛行新ルート案は、騒音および事故や落下物増加の不安が広がり、説明会を繰り返しても疑問の声、撤回を求める声は拡がっています。
羽田増便による都心低空飛行計画に反対する東京連絡会」も結成され、中止を求める署名が取り組まれています。

特別区議会議長会は「羽田空港の機能強化に係る新飛行経路案に関する要望を、特別区長会も羽田空港の機能強化に係る対応を求め、騒音の影響や安全管理など懸念されている課題に対し、住民が納得できる十分な検討及び説明、自治体との十分な協議を求め、国に要請書を提出しました。これも反対世論の高まりの中で出されたものではないでしょうか。

1985年8月12日の日本航空の事故以来、国内では人命に関わる重大な事故は起きていませんが、外国航空機は事故が繰り返されています。
航空機事故の発生は、離陸後3分、着陸前8分の「魔の11分」と呼ばれる離着陸時に集中しているとされています。部品落下も相次いでいます。
事故や落下物の危険性が払拭されないまま、羽田空港の国際線増便を進めるのは納得できません

新ルート案について、国が説明を始めてから3年が経過し、2年前には「環境影響等に配慮した方策」が、今年は「総合的な落下物対策」が出されましたが、騒音対策から江戸川区は除外され、落下物対策も安全を保証するものとはいえません。

江戸川区民に対し、パネル形式説明会が4回、コミュニティ・ミーティングが3回行われていますが、この説明会に参加した区民は延べ930名であり、周知されたとはいえず、説明会での質問の回答も参加者の納得を得られとはいえません

そこで、2点質問します。
第1の質問は、新ルート案は国の説明も納得できず、区民への周知も不十分です。区民の安全を守るために、従来の海上ルートの原則を貫き、新ルート案の撤回を国に働きかけることを改めて求めますが、いかがでしょうか。

第2の質問は、羽田・成田空港への一極集中ではなく、アジアからの観光需要を踏まえ、地方の活性化につながる地方空港への直行便を増やすことを国に求めるべきと考えますが、どうでしょうか。

多田区長「(撤回を)国に要請するつもりはございません」

多田正見江戸川区長
多田正見 江戸川区長(5期、元江戸川区教育長、早大卒、82歳)

羽田空港の機能拡張についてでありますが、結論から申し上げまして新ルート案にですね新ルート案を撤回してくれということをですね、国に要請するつもりはございません

出発便についてはですね、ご承知の通り、荒川上空を飛んでいくと、まあこういうことになっております。それから、着陸便につきましてはですね、午後3時から7時まではですねこれまでの江戸川区上空を通るコースを止めまして、都心の方向に回っていくということになりますので、騒音が減るということになりましてですね、これは歓迎すべきことだというふうに思っております。

それからですね、航空機がその上空を飛ぶことによる不安といいますか、問題はですね、1つは騒音であり、1つは落下物であります。この2つだというふうにいっていいと思うんですが――。
この騒音についてはですね、これはですね、とにかくですね、これ(騒音)をなるべく出さないように、なるべく出さないようにですね、最大限のですね、これ努力をしてもらうということが国交省との以前からの約束になっておりますので、これは着実に実行してもらうようにですね、努力をして頂くという、こういうことであります。

落下物についてはですね、これはそうですね、「絶対にあり得ない」ということは言えないと思うんでありますけれどもですね、少なくとも江戸川区はですね、昭和40年代にこのB滑走路のいわゆるですね、開始、運用によりましてですね、騒音問題が発生いたしましてからですね今日に至るまで19万機の飛行機が江戸川上空を飛んでおりますけれどもですね、江戸川区に落下物が落ちたということは1件もないということでありますので、こうしたことからいくとですね、相当程度にですね、これはもちろん国に要請をすべきことではありますけれどもですね、落下物がないようにですね、これはですね、働きかけを強めていくと、まあこいうことになろうかと思います。

羽田空港に対するですね、羽田、成田に対するこの集中化の問題でありますけれどもですね、もっと地方空港を活用してですね、そちらのほうに分散したらどうかというようなお話でございます。まぁこうした考え方も当然あっていいと思いますけれどもですね、この辺の実情につきましてはですね、担当の部長からですね、答弁をさせていただきたいと思います。

環境部長「地方空港への直行便のみの増加を国に求める考えはございません」

環境部長
ですね」を連発する環境部長

「成田・羽田空港の一極集中ではなく、地方空港への直行便を増やすということを国に求めるべきだ」というご質問でございますが、先ほど区長が答弁した通り、当然あっていいということでございますが、私のほうは状況についてですね、お話ししたいと思ってございます。

近年の訪日外国人の増加等はですね、目を見張るものがあります。2017年の訪日外国人はですね、2,869万人ということで、その75%が中国・韓国・台湾・香港であります。
またですね、ヨーロッパからの来訪者もですね、今年8月でございますが、スペイン、イタリア、これら訪日客が1か月あたり過去最高ですね、記録したという報道もあります。
国はさらに今後2020年にはですね4千万人、2030年にはですね6千万人にするという目標を掲げているところでございます。

まぁこうしたなか、国はですね、成田や羽田空港の機能拡大のほかの地方空港、昨年ですね、全国で27空港ですね、「訪日誘客支援空港」と認定いたしまして、支援しているところでございまして、実際に地方空港で利用客が増えているところもでございます。

また国はですね、「首都圏空港の今後のあり方」をですね、検討してした「首都圏空港の機能強化技術検討小委員会」でもですね引き続き地方都市にある空港についての機能拡大を課題として検討していくという方針でございます。

このように国の目指すところは羽田・成田空港のみならず、地方空港も活用しつつ航空ネットワーク全体でですね、効率よく訪日外国人の増加等に対応していくことでございます。こうしたことから地方空港への直行便のみの増加を国に求める考えはございません

大橋議員「利潤第一の歪んだ政策だというふうに私は捉えます」

航空機の新ルートの件なんですが、区長が先ほどおっしゃった件で、やはり私は納得できないという立場を改めて表明させていただきます

経済効率優先があまりにも強いと。特に、羽田・成田に固執するというその事情は国際線の乗り継ぎ客を航空会社が取り込みたいと、そういうことが明確に出てきているというのを調査等でも感じます。

アジア各地、中国なども含めて東京で乗り継いで北米に向かう、あるいはその逆の客を取り込む。そうすると座席の利用率が上がって、特に、夕方の時間帯3時から7時の時間帯が集中するということで、結局航空会社の利益率が高くなると。それを狙っているのではないか、ということを私はどうしても感じるわけです。

そこで都心の、先ほど区長がおっしゃったように、江戸川区は騒音が若干減るとしても、でも、離陸が加われば、結果的に(騒音は)増えます。私はそう認識しています。
実際にテスト飛行といっても、国は全く(テスト飛行を)やりませんけども、航空機の通る機数が5倍から6倍に増えるわけですから、騒音が減るという認識には立てない
逆に、新宿から羽田に向かって降りていくところがどれだけ危険かと。

落下物の問題についても、先ほど区長は「江戸川区はなかった」とおっしゃいましたが、それはそのように私も伺っておりますが、問題は成田空港では約20件この10年間で起きてるわけです。つまり、都心の上空を通れば、氷の塊をはじめ様々な落下物が現に成田ではあるわけですね。そのことを心配しているんです。

ですから、もちろん江戸川区民のために頑張ってほしいとも私も思いますけども、全体にそういう騒音、落下物の危険を避けたいと。だから海上ルートで、いままで通りやるのをまず大事にするべきだというふうに改めて意見として申し上げます。

1つだけ質問なんですけども、いま私が話したように、やっぱり利潤第一の歪んだ政策だというふうに私は捉えますが、区長はそういう認識があるかどうか改めてお伺いしたいと思います。

区長「大橋議員と私とは全く違います」

羽田空港の機能強化についての認識でありますが、大橋議員と私とは全く違います

大橋議員「納得できない」

納得できないことがたくさんありますけども、新ルートについては是非とも私は撤回を求めて改めて意見として申し述べます

雑感(「ですね」連発は多選の弊害!?)

大橋議員(共産)は、国に羽田新ルート案の撤回を要請することを主張する。区長は「国に要請するつもりはございません」とキッパリ拒絶。羽田増便計画は利潤第一の歪んだ政策ではないかとの認識を問われた区長は「大橋議員と私とは全く違います」と言い放つ。

江戸川区長を5期も務めている多田区長がいる限り、羽田新ルート案は1ミリも変わらなそうな印象を受けた答弁であった

 

「ですね」を連発(33回!)する区長の答弁は、なかなか頭の中に入ってこない。環境部長の答弁も区長に負けず劣らず、「ですね」が15回。区長が約30文字に1回の割合で「ですね」が入るのに対して、環境部長は約46文字に1回の割合で「ですね」が入る。環境部長も負けてない、というか区長の影響を受けすぎだろっ(笑)

「区長、『ですね』が多すぎます」と、誰も区長に進言しないのか、あるいはできないのか……。多選の弊害なのか、82歳という高齢であるがゆえなのか。原稿棒読みのほうがまだましであろう

江戸川区の有権者には是非一度、この議会中継(録画)を視聴してほしいものである。

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