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羽田新ルート|不透明感が漂う有識者会議【追記あり】

赤羽大臣肝いりの「羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会」の第1回目が6月30日開催された。


もくじ

不透明感が漂う有識者会議

国交省は6月23日に公表した「第1回 羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会」(詳細決定)を読むと、同会の不透明感がプンプン臭ってくる。

いま流行りの「非公開」「議事要旨」方式なのだ。

  • 会議につきましては、委員の技術的知見に基づいた忌憚のない意見交換を確保できるよう、非公開といたします。ただし、報道機関による会議冒頭のカメラ撮りは可能です。
  • (略)
  • 議事要旨等については、後日、国土交通省ホームページにて公開します。

新型コロナ専門家会議では当初、議事録さえ作成せず、その後匿名の議事概要のみの公表となった。

羽田新ルートの有識者会議のほうは、どうなのか。「議事要旨等」の公開が待たれる。

ちなみに、過去に羽田新ルート計画を検討した部会・小委員会では、前者は議事要旨と議事録ともにあり、後者は議事要旨だけとなっている。

赤羽大臣会見

赤羽大臣は6月30日午前中の定例記者会見で、同日午後に開催される第1回の技術的方策検討会について、記者からスケジュール感を問われ、「今年度中にそれぞれの方策のメリット・デメリットを整理」すると回答した。

記者:固定化を回避、スケジュール感?

今日、羽田新ルートの固定化回避に係る検討会が初会合をもたれますけれども、改めて大臣としての狙いと、年度内に技術的な検討を終えてというようなことが既に明らかになっておりますけれども、経路がいつ頃固定化を回避、つまり変わるというスケジュール感がもし今の段階で分かりましたら教えてください。

大臣:今年度中にそれぞれの方策のメリット・デメリットを整理

赤羽一嘉 国交大臣
赤羽一嘉 国交大臣(公明党、8期、元三井物産社員、慶大卒、62歳)

全部にお答えできるか分かりませんが、そもそも羽田空港の新経路につきましては、よく御承知かと思いますが、2つの視点がありまして、1つは首都東京の国際競争力の強化と同時に首都圏空港の機能の強化

こういった1つの柱と、もう1つは、かねてより千葉県に偏っておりました首都圏における騒音負担の平準化
この2つの視点の解決のため、長年議論されてきたところです。

学者・専門家からなる会議で、様々な選択肢を検討していただいた結果、滑走路の使い方としては現在の滑走路の使い方が最も効率的であり、これ以外の方策が見当たらなかったことから、東京都、また千葉県をはじめ、関係する幅広い地元関係者との協議を経て、新経路の導入を決定し、本年3月29日より運用を開始しているところです。

他方で、この新経路の導入に当たりましては、その経路の下になる関係自治体をはじめ、そうした関係者から、騒音削減や固定化の回避等に関する要望をいただいておりますし、運用開始後も様々関係自治体等や、私が所属している公明党の品川区、目黒区、港区の議員団からも5月28日に要望をいただきました
それは、新経路は固定化の回避を是非検討していただきたい、こうした要望です。

こうした様々な状況を踏まえて、現在の滑走路の使い方を前提としつつ、最近の航空管制、また航空機器の技術革新、こうしたものを勘案しながら、騒音軽減、また固定化回避などの観点、新経路の見直しが可能な方策がないものかどうか、技術的な観点から検討を行うということで今回の検討会を立ち上げたところです。

新経路に変更するという前提に立つのではなくて、技術力で様々な知恵がないかという状況ですので、今の御質問の後段にはなかなかお答えしにくいのですが、時間をかけてもしょうがないので、検討会におきましては最新の航空管制、航空機器の技術、海外空港における事例調査なども踏まえまして、今後、考えられる技術的選択肢について、管制運用、航法、飛行方式などの観点から多角的な検討を行って、いくつかの案が出てくると思いますので、今年度中にそれぞれの方策のメリット・デメリットを整理していただくというのが、今日立ち上げる検討会へのお願いです。

いずれにしましても、首都圏空港の機能強化は関係者の幅広い理解と協力を得ながら進めることが必要不可欠であり、地元の方々の声に丁寧に耳を傾けるということが大事なことですので、引き続きこうした姿勢で、この方法しかないというのではなくて、より良いものがないかという前向きな気持ちで取り組んでまいりたいと考えております

今日、第1回目ですから、それ以後の具体的なことというのは申し訳ありませんが、決めているものはありませんが、いろいろな方法を出していただいて、そのメリット・デメリットについての整理は今年度中に決着をつけていただこうというのが第1の段階だと思っています。

赤羽大臣はメリット・デメリット整理を今年度中に行うと明言しているが、その先については言及していない。

東京新聞は6月17日、同検討会が設置されたことを受けて、「結論が出るまで数年を要する見込み」と報じていたのだが……。

羽田新ルート、変更の可能性も 国交省、見直し検討会を設置

(前略)都心上空を通過し、騒音の苦情が相次いでいる新ルートが変更される可能性が出てきた。ただ、結論が出るまで数年を要する見込みという。

(東京新聞 6月17日)

都心上空に今のルートのほかに複数のルートを設ける(NHK)

上記の赤羽大臣の回答に目新しい情報は含まれていない。興味深い情報は、同検討会終了後にNHKが夕方のニュースで報じた中にあった。

「都心上空に今のルートのほかに複数のルートを設けるなどし、新ルートの見直しが可能かどうかも含めて議論する」というのである。

羽田新ルート見直し可能か議論へ

(前略)会合ではこれまでに、国が設けたコールセンターにはあわせて2500件あまりの意見が寄せられたことが報告され、そのほとんどが「騒音がうるさい」とか「航空機からの落下物が不安だ」などといった苦情だったということです。

これを受けて、会合の出席者からは「最新の管制システムを使えば、現在のルート以外を使えるのではないか」とか、「騒音を軽減するための技術を洗い出すべきだ」などいった意見が出されたということです。

こうした意見を受け、検討会では今後都心上空に今のルートのほかに複数のルートを設けるなどし、新ルートの見直しが可能かどうかも含めて議論することにしています。

(NHK 首都圏のニュース 6月30日 17時37分)

都心上空に複数のルートを設けるということは、騒音被害・落下物リスクがこれまで以上に広い範囲に影響を及ぼすことにならないのだろうか……。

【追記】「議事概要」がコッソリと公開された

※7月9日追記

7月8日14時頃、「議事概要」がコッソリと公開されたようだ。国交省の新着情報はもとより、航空局の新着情報にさえ掲載されていないので、一般の人がその存在に気づくことはほとんど不可能だろう。

「議事概要」は議事次第のとおり、次の4項目に沿って3枚にまとめられている。

  1. 本検討会について
  2. 最近の航空管制・航空機器の技術について
  3. 海外動向調査について
  4. 今年度の進め方について

特に、興味深いのは、2番目の議事(最近の航空管制・航空機器の技術について)だ。専門用語が多いので理解しにくいのだが、素人なりに解釈すれば次の2点が論点であるように思える。

  • 現在の進入ルートに曲線を持たせることで柔軟なルート設定の可能性があること。
  • 上記を実現するためには、初めて羽田に飛んでくる外国航空のパイロットでも迷わないようにすることと、ICAO(国際民間航空機関)に認めてもらうこと。

曲線の進入ルート導入に前のめりな委員と、安全性を不安視する委員の思いが行間に滲み出ていないだろか。航空評論家・杉江弘氏(元JAL機長)の解説が待たれる……。


なお、今後の進め方については、直近では騒音軽減、中長期的にはCO2 削減に比重を置くようだ。

来年度以降の検討を見据え、今年度の位置づけを明確にする必要がある。

また、直近では騒音軽減中長期的には 10 年、20 年後の将来を見据え、CO2 削減にも資する広域的な視点も持った効率的な空域・航空路を実現できるかというスコープがある。

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